パソコンのマザーボードの交換は自分でもできる? 交換方法と費用は?

パソコンのマザーボードの交換は自分でもできる? 交換方法と費用は?

突然パソコンがフリーズしたり電源がつかなくなってしまったら、それはマザーボードの故障が原因かもしれません。

当然、そのままではパソコンは機能しなくなってしまうので、マザーボードの交換が必要になります。
しかし、マザーボードの交換は決して簡単な作業ではなく費用もかかってしまいます。

今回は、そんなパソコンのマザーボードの交換方法とその費用について解説しております。

この記事を読んでいただくことで、自分でマザーボードの交換が行えるまでになれるかもしれません。

ぜひ最後までご覧ください。

パソコンのマザーボードってどんなもの?

そもそも、マザーボードがどんなものなのかご存知でしょうか?

もしかすれば、聞いたことはあっても具体的な役割は知らないという方もいるかもしれません。
簡潔に言えば、マザーボードは電子機器において最も重要な役割を担う部分であり、必ずなくてはならないパーツです。

では具体的には、どんな役割を担っているのでしょうか?

ここでは、パソコンのマザーボードについて見ていきましょう

パソコンのマザーボードについて

結論を言うと、マザーボードとは電子機器の中枢機能を担う主要な電子回路基板のことです。

つまり、マザーボードはCPUやメモリなど様々なパーツが組み込まれる部分であり、それによって初めて機能します。

そして、具体的にはマザーボードは主に以下の部品で構成されており、それぞれに役割が存在します。

部品 役割
CPUソケット CPUを組み込む部分です。
チップセット 各パーツを制御する部分であり、チップセットの規格によってマザーボードの性能が決まります。
メモリソケット メモリを組み込む部分です。
CMOS電池 マザーボードにはコイン型電池が組み込まれています。これによって、BIOSや時計の機能が保持されます。
スピーカー 警告ブザー・ビープ音を発生させる部分です。
電源コネクタ マザーボードに電力を供給する部分です。
PCI スロット 従来の拡張スロットであり、サウンドカードなどの拡張カードを組み込む部分です。
PCI Express スロット サウンドカードやビデオカードなど、様々な拡張カードが組み込める部分です。
IDE/SATAコネクタ HDD・SSD・光学ドライブを接続する部分です。
I/Oポート/td> 様々なポートが集まる部分であり、あらゆる機器との入出力を行うことができます。

以上のように、マザーボードはたった一つでこれだけの役割を担います。
そのためマザーボードの一部分が故障しただけでも、全体の機能には大きな影響が出てしまいます。

例えばCPUソケットやチップセットが故障しただけでも、パソコンが起動しなくなるなどの症状が発生してしまうのです。

つまり、マザーボードとはそれだけ重要な役割を持ち必要不可欠な存在なのです。

パソコンのマザーボードの交換はいつ行うべき?

マザーボードの重要性については、お分りいただけたと思います。

ただ、気になるのはマザーボードの交換についてですよね?
言うまでもなく、マザーボードの交換は故障した際に行います。

しかしマザーボードが故障したと言っても、その際にパソコンにどんな症状が現れるのかを知っていなければ、やはり判断はできませんよね?

また、パソコンには他にも様々なパーツが搭載されております。

そのため、パソコンに現れる症状が必ずしもマザーボードの故障によるものとは限りません。

では、故障部分を詳細に見分ける方法はあるのでしょうか?
ここでは、マザーボードが故障した際に現れるパソコンの症状について解説します。

マザーボードが故障した際のパソコンの症状とその他の故障箇所

前述の通り、マザーボードの故障とみられる症状がパソコンに現れても、実際にマザーボードの故障であると断言することはできません。

理由は、故障を疑うべき箇所が他にも存在するからです。

以下は、マザーボードが故障した際に起こり得るパソコンの症状と、その他に疑うべき故障箇所をまとめたものです。

マザーボードが故障した際のパソコンの症状 マザーボード以外に故障の可能性がある箇所
電源が入らない/切れる ●電源ケーブル
●電源ユニットやバッテリー
●HDD
●メモリ

突然パソコンが再起動する ●電源ユニットやバッテリー
●HDD
●メモリ
画面がフリーズする ●HDD
●メモリ
●ビデオカード
画面が映らない ●ディスプレイケーブル
●ディスプレイ
●ビデオカード
ビープ音がする ●CPU
●HDD
●メモリ
●CMOS電池
●ビデオカード
●ファン
●BIOS

以上のように、マザーボードの故障以外にも故障を疑うべき箇所は多く存在します。
そのため、やはり自分で故障箇所を明確に特定するのは相当難しくなります。

よって、パソコンに上記のようなマザーボードの故障を疑う症状がでても無理はせず、まずは業者に依頼して明確な故障個所を診断してもらいましょう。

ちなみに、パソコンのトラブル診断は多くの業者で3,300円ほどで行えます。

パソコンのマザーボードの交換方法

マザーボードの故障を確認するには、業者への依頼が確実になります。しかし、故障箇所を診断するのにも当然お金がかかってしまいます。

交換を依頼すれば、さらに費用がかかります。やはり、少しでも費用を抑えたいと考える方もいるでしょう。
とはいえ、マザーボードの交換は自分でも行えるのでしょうか?

そこで、ここでは自分でパソコンのマザーボードの交換する方法について解説します。

マザーボードの交換は自分でもできるの?

結論を言えば、自分でもマザーボードの交換を行うことはできます。

ただし、交換には専門的な知識が必要となり決して簡単な作業ではありません。そして交換を行ったことによって、他のパーツにトラブルが発生したとしても自己責任になります。

また、マザーボードの交換を行うとライセンスの再認証が必要になります。再認証ができなければ、OSの再インストールを行わなければいけない場合もあります。
ただ、Windows10の場合は交換前にMicrosoftアカウントと紐づけておくことで、交換後も簡単にOSを引き継ぐことができます。

とはいえ、あくまでも一番安全な手段は業者に依頼することになります。

それでも自分でマザーボードの交換を行いたい場合には、次で交換するにあたって確認すべきことを把握しておきましょう。

自分でマザーボードを交換する前に確認すべきこと

マザーボードを交換する前に、まず確認すべきことがいくつか存在します。

この確認を怠ってしまうと、「せっかく新しいマザーボードを用意したのに、パソコンに導入できない……」なんてことにもなり兼ねません。

では、実際に確認すべき点を見ていきましょう。

●マザーボードにCPUが対応しているかどうか

マザーボードによって対応できるCPUは異なります。そして対応していなければ、CPUを組み込んでも動作しません。

それを防ぐには、予め導入予定のマザーボードにCPUが対応しているか確認する必要があります。
ちなみにその詳細などは、マザーボードのメーカーのWebサイトなどで確認することができます。

●マザーボードのソケットにCPUが対応しているかどうか

マザーボードのソケットの形状とCPUの形状には、いくつか種類が存在します。

それぞれの形状が一致していなければ、マザーボードにCPUを組み込むことはできなくなってしまいます。
予めCPUの形状がマザーボードに組み込めるものなのか、確認しておきましょう。

チップセットの性能が充分かどうか

チップセットの規格によって搭載できるメモリの最大容量や各スロット数、対応できるUSBの種類などが異なります。

また、規格によってはオーバークロックが可能になります。オーバークロックとは、機器のクロック信号の周波数を定格以上に引き上げ、パソコンの処理能力を上げる行為のことです。

予めマザーボードのチップセットの規格をしっかり確認し、自分の用途に合ったものを選びましょう。
ちなみに、チップセットの規格による違いはネットで調べることで確認できます。

以上が主に確認しておくべき部分になります。

マザーボードを用意してから後悔してしまうことがないよう、上記の点を含め事前にしっかりと確認しておきましょう。

自分でマザーボードを交換する手順

交換を行う前に注意しなければいけない点がいくつかあります。まずは以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。

●パソコンのデータのバックアップをとっておく。

●シャットダウンしてパソコンの電源を切る。

●パソコン内部の放電をしっかり行う。

●静電気防止手袋を着用する。

パソコンの放電を行ったとしても、静電気が発生してしまう可能性はあります。静電気が発生すれば各パーツの故障にも繋がりますので、静電気防止手袋を着用するなどの静電気対策はしっかり行いましょう。

そしてWindows10の場合は、Microsoftアカウントの紐づけも済ませておきましょう。具体的なやり方は「設定」>「アカウント」>「ユーザーの情報」を開き、「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」を選択して指示通りに進めれば完了になります。

次に交換に必要な道具を用意しましょう。必要になる道具は主に以下のものになります。

●新しいマザーボード

●ドライバー

●シリコングリス

●静電気防止手袋

●エアダスター

道具が用意出来たら、あとは交換作業を行うだけです。では実際に、マザーボードの交換手順を見ていきましょう。

1.まずはパソコンの放電を行います。電源スイッチを切り電源コードを抜いた状態で90秒ほど放置すれば、内部にたまった電気を放電することができます。

2.静電気防止手袋を着用してパソコンのカバーを開きます。

3.マザーボードに接続されているケーブルを外し、ドライバーを使用してマザーボードを取り出します。

4.I/Oシールドという、I/Oポートを覆うカバーを新しいものに交換します。

5.古いマザーボードからメモリ・CPU・CPUファンを取り除きます。CPUファンにほこりがたまっている場合は、エアダスターでほこりを掃除しておきましょう。

6.新しいマザーボードに、先ほどのCPUとCPUファンを取り付けます。その際にはCPUとCPUファンの接地面に、熱伝導率を上げるためにシリコングリスを塗ります。
7.マザーボードに再びケーブルやメモリを接続し、パソコンに取り付けます。

8.パソコンの電源が無事入れば完了になります。

以上がマザーボードの交換を行う手順になります。

ちなみにWindows10の場合、Microsoftアカウントでログインした後に「設定」>「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」を開き、その画面の「トラブルシューティング」を選択することで簡単にライセンス認証が行えます。

パソコンのマザーボードの交換にかかる費用はどのくらい?

自分でマザーボードの交換を行う方法についてご紹介しましたが、やはりそれにかかる費用も気になりますよね?

また業者に交換を依頼する場合と比べると、どれほど費用は変わるのでしょうか?

ここでは、自分でマザーボードの交換を行う場合と業者に依頼した場合の費用の違いについて解説します。

自分で交換する場合の費用

自分でマザーボードの交換を行う場合、主にかかるのはマザーボード本体の費用のみです。 とは言っても、マザーボード本体の価格はチップセットの規格やサイズだけでなく、部品の品質などによっても大きく異なります。

そのため同じ規格で同じサイズのマザーボードであっても、メーカーや耐久性によって価格が異なる場合がほとんどです。

例えば、最新のチップセットの規格である「Z390」で「ATXサイズ」のマザーボードの場合でも、1万円ほどで購入できるものもあれば5万円ほどの価格のものもあります。

よって特に質にこだわりがなければ、自分でマザーボードの交換を行う場合の費用は1万円ほどとなります。

業者に依頼する場合の費用

業者に交換を依頼する場合は、マザーボード本体の費用の他に診断料や作業料が発生します。
それらの料金は業者によってそれぞれ異なるので一概には言えませんが、診断料がおよそ2,200円程度、作業料がおよそ1万円という相場になります。

そして、上記の料金と先ほどのマザーボード本体の費用を合わせると、合計はおよそ2万2,200円となります。

よって業者にマザーボードの交換を依頼する場合は、およそ2万2,000円以上の費用がかかることになります。

ちなみに、メーカー修理の場合はさらに高額になりその費用相場はおよそ5万円前後となります。

マザーボードの交換は業者に依頼するのが無難

今回はマザーボードの交換方法や費用について解説して参りましたが、いかがだったでしょうか?
マザーボードの交換は自分でも行えますが、やはり知識と経験がなければとても難しい作業になります。

交換費用が抑えることは確かですが、その分「CPUが対応していなかった」「交換時に他のパーツを壊してしまった」など様々なリスクが伴います。

このようなことになれば元も子もありません。

自分でマザーボードを交換する方法をご紹介しましたが、あくまでも自信がない方は業者に交換を行ってもらうことをおすすめします。

また当サイトを運営する弊社でも、パソコンのマザーボード交換や修理などを請け負っております。詳細な故障箇所が分からないという方でも、まずはパソコンの故障診断からぜひご依頼ください。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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