ローミングでWi-Fi接続を維持できる仕組みと環境構築方法を解説

ローミングでWi-Fi接続を維持できる仕組みと環境構築方法を解説

「ローミングとは?ローミングは何ができるの?」
この記事は、このような疑問を持つ、ネットワーク初心者のあなたに向けた記事です。

この記事の中では、ローミングの仕組みから基礎知識、環境構築の方法を解説します。

読み終える頃には、ローミングについての知識が付き、ローミング環境の構築ができるようになりますよ。

ローミングの仕組みとは?

ローミングはそもそも何なのか、どのような仕組みであるのか、といった疑問にお答えします。 この章を読むだけでも、ローミングに関しての概要が理解できます。

そもそもローミングとは?

ローミングとは、部屋などを移動した際に、パソコンやスマホなどのWi-Fi接続する機器が自動的にルーターに接続して、Wi-Fi接続を維持する仕組みです。
イメージとしては、携帯電話でWi-Fiを使用していなくてもどこでもインターネットにつながるようなものですね。

Wi-Fiルーターは電波の届く範囲が限られていて、電波の範囲外に出てしまうと通信ができなくなります。
複数のルーターで電波の届く範囲を広げることのできる仕組みが「ローミング」です。

パソコンに近いルーターに自動的に接続する

ローミングの仕組みは、ルーターが定期的に信号を発信し続けていて、パソコンやスマホなどの機器が、その信号を受信します。

受信した信号に基づいて、自動的に近くにあるルーターにWi-Fi接続が切り替わります。 Wi-Fiの電波はルーターに近いほど強くなるため、パソコンやスマホは強い電波を発信しているルーターを見つけたら切り替わるようになっています。

ローミングの中には、レイヤ2ローミングとレイヤ3ローミングがあります。
レイヤ2ローミングは、パソコンやスマホのIPアドレスを変えずに接続できるため、アプリケーションなどの接続状況も維持できます。

レイヤ3ローミングは、パソコンやスマホのIPアドレスが変わってしまうため、アプリケーションなどの接続状況が一度切断され、通信がリセットされます。

ローミングを構築する環境によっては、レイヤ3ローミングにならざるを得ない場合がありますが、アプリケーションの接続状況を維持するための技術も存在しています。
たとえば、業務用ネットワーク機器のシェアNo.1であるCisco(シスコ)では、レイヤ3ローミングでパソコンやスマホのIPアドレスが変わらないようにローミングする「モビリティ」技術があります。

なぜローミングが必要なのか

ローミングはオフィスや大きな家など、1台のWi-Fiルーターでは電波の届かない範囲がある、広い環境で効果を発揮します。

Wi-Fiの電波範囲は屋内で100m程度と言われていますが、遮蔽物があると範囲はもっと狭くなります。
Wi-Fiの電波は、Wi-Fiルーターと離れるほど弱くなり、通信速度が出ないことや、通信が不安定になることがあります。
安定した通信を確保するためにも、複数のルーターを用いてWi-Fiの電波範囲を広げることを目的として、ローミングを行います。

ローミングでWi-Fi通信を行うメリットは?

広い環境の場合、1台のルーターで電波範囲が足りないのであれば、単純に複数のルーターを用意して、それぞれに接続すれば問題がないように思いませんか?
複数のルーターを用いれば、Wi-Fiの接続範囲を広げることはできますが、移動するたびに接続設定を変更しなければなりません。

ルーターごとに接続識別子があり、どのルーターを使うかをパソコンやスマホに毎回教えてあげないといけないからですね。
ローミングでは、どのルーターを使うかをパソコンやスマホに毎回教えてあげる必要がありません。
つまり、部屋を移動しても、手動でWi-Fiの接続設定を行う必要がないのです。

オフィスで働くことを想定した場合、会議で別の階の会議室へ移動するたびに、Wi-Fiの設定を手動で変更しなければならないと面倒くさいですよね?
ローミングを使えば、どこに移動してもパソコンやスマホが自動的に接続先のルーターを変更してくれるため、あなたに手間をかけさせません。

覚えておきたい!ローミングに関する基礎知識

ローミングを知る上で、合わせて覚えておきたい基礎知識を解説します。

アクセスポイント

アクセスポイントはルーターのことで、Wi-Fiの接続先と覚えましょう。
ローミングはアクセスポイントが複数あるようなイメージです。

本来はアクセスポイントごとに、手動で接続先の設定を変更しなければなりません。
ローミングでは1つの大きなネットワークの中で、アクセスポイントが複数存在しています。
同じ接続設定のまま使えるため、部屋を移動するたびにいちいち手動で接続設定を変える必要がなくなります。

SSID

SSIDはService Set IDの略で、アクセスポイントの識別名のことです。
Wi-Fi接続において、どのルーターに接続するかは、どのSSIDに接続するかと同義です。

通常は、SSIDはアクセスポイントごとに一意の名前がつけられています。
ローミングでは、複数のアクセスポイントで同じSSIDを使用することで、はじめに設定したSSIDを使った接続設定のまま、複数のアクセスポイントに接続できます。

そのため、部屋を移動した際に手動で接続設定を変更することなく、Wi-Fi接続を維持できるわけですね。

メッシュWi-Fi

ローミングと似た技術で、最近良く名前の上がるメッシュWi-Fiについても知っておきましょう。
メッシュWi-Fiもローミングと同じく、部屋を移動した際にパソコンやスマホなどのWi-Fi接続を自動的に維持する仕組みのことです。

ローミングとメッシュWi-Fiは、目的は同じですが手段が異なります。
ローミングは親ルーターと子ルーターの間で、有線接続が必要となりますが、メッシュWi-Fiは無線接続によってWi-Fi電波範囲を拡張するイメージです。

それぞれのメリットとデメリットについて、簡単にまとめました。

種別 メリット デメリット
ローミング ・複数アクセスポイントは異なる機種で構成可能
・無線ルーターであればよいため、メッシュWi-Fi対応ルーターよりも安価
・有線接続が必要なので配線が面倒くさい
・メッシュWi-Fiよりも設定が難しい
メッシュWi-Fi ・ローミングと比べて設定が簡単
・有線接続が不要なので設置の自由度が高い
・メッシュWi-Fi対応ルーターが高価
・異なる機種間でメッシュWi-Fiは構築できない

ローミングは無線ルーターであればよいため、3,000円程度から購入できますが、メッシュWi-Fi対応ルーターは、1万円程度から購入できます。

無線ルーター メッシュWi-Fiルーター
IO-DATA WN-SX300FR/E TP-Link メッシュWi-Fi DecoM4


引用:Amazon


引用:Amazon

2,679円(税込) 9,800円(税込)

(価格は2019年6月現在)

ローミング環境を構築する場合は、親ルーターと子ルーターに手動で設定を行う必要がありますが、メッシュWi-Fiルーターは、手動で設定する必要がありません。
あまりパソコンが得意でない人にとって、ルーターの設定を変更することは難しいと思うかもしれませんね。

ローミング環境の構築方法

ローミング環境を構築する場合、最低でもルーターを2台以上用意しなければなりません。
用意したルーターの機種によって、細かい設定方法は異なりますが、ここではローミング環境を構築するための概要について解説します。

親とするルーターを決める

インターネットの出入り口となる親ルーターを決めます。親ルーターはモデムやONUと直結します。

モデムやONUは、アナログ回線や光回線をルーターが処理できるようにデジタル信号に変換する機械です。
インターネットを契約したときにルーターしか与えられなかった場合は、ルーターにモデムやONUの機能が含まれています。

親ルーターでは任意のSSIDを設定しましょう。子ルーターと同じSSIDを使用するため、親ルーターで設定したSSIDはメモしておきます。

ちなみに、BUFFALOのルーターを使用する場合は、AOSSを無効にします。
AOSSはBUFFALOの独自技術で、簡単にWi-Fi接続をするための仕組みですが、AOSSを使用するとSSIDを任意に変更することができません。

子とするルーターをブリッジモードにする

ルーターはIPアドレスを使って、通信経路を整理するルーティングを行う機械ですが、ハブやスイッチのように通信を橋渡しするだけの機能もあり、それがブリッジモードです。
ブリッジモードはアクセスポイントモードやAPモード、ハブモード、ルータオフモードなどとも言われます。

ルーターはルーティング以外にも、パソコンにIPアドレスを割り当てたり、URLをIPアドレスに変換する名前解決をするなど、インターネットに接続するためのさまざまな処理を行っています。
ローミング環境を構築する場合は、1台の親ルーターにルーターとしての役割を果たしてもらい、子ルーターは親ルーターへ接続するための電波範囲を広げるために使用します。

子ルーターをブリッジモードにするには、ルーターの機種によって方法が異なるため、あなたが使用しているルーターのマニュアルを確認してみましょう。
ルーターによっては、ルーター本体についているスイッチを切り替えるだけで対応することも可能です。

ブリッジモードに変更することと合わせて、親ルーターと同じSSIDを設定します。
BUFFALOのルーターを使用する場合は、子ルーターも親ルーターと同じく、AOSSを無効にしましょう。

子ルーターと親ルーターを有線で接続する

子ルーターと親ルーターを有線で接親ルーターと子ルーターをLANケーブルで接続します。ほとんどのルーターは、LANポートが4つありますが、そのうちの1つはインターネット側へ接続するためのLANポートです。
モデムやONUと接続するために使用するものですね。

親ルーターと子ルーターの間では、インターネット側へ接続するためのLANポートではなく、1~3の数字が記載されているLANポートにLANケーブルを接続しましょう。

LANポートの仕様はルーターによって異なる可能性があるため、接続しても通信ができない場合はマニュアルを確認して、接続するLANポートを変更してみてください。

ここまで設定できれば、ローミング環境が構築できます。

まとめ:ローミングは大規模Wi-Fi環境の構築ができる

ローミングは複数のルーターを使って電波範囲を広げることで、部屋などを移動しても自動的に無線接続を継続させる技術です。
ローミングを使えば、部屋を移動するたびにいちいち手動で、無線接続の設定を変更する必要がありません。

無線ルーターの電波範囲は、屋内で100m程度であるため、オフィスなどの広い環境では1台のルーターだけでは電波が届かない場所が出てきます。
ローミング環境を構築することで、大規模なWi-Fi環境を構築することができるようになります。

あなたの家でも、Wi-Fiがつながりづらい部屋がある場合、ローミング環境を構築することを考えてみてはいかがでしょうか。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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