プロセッサとCPUに違いはない!その理由と覚えておきたい基礎知識を解説
「プロセッサとCPUは具体的に何が違うの?」
この記事は、このような疑問を持ったあなたに向けた記事です。
この記事の中では、プロセッサとCPUの違いから、確認方法、覚えておきたい基礎知識について紹介します。
読み終える頃には、プロセッサとCPUの違いが分かり、性能の確認方法まで理解できます。
プロセッサとCPUは同じものと考えて良い
結論から言えば、プロセッサとCPUは同じものと考えて良いでしょう。
厳密には、プロセッサ(Processor)とは、データを処理する装置全般、制御チップなどの半導体素子のことを表します。
CPU(Central Processing Unit)とは、コンピュータの中心にある処理装置のことを表します。
人間に例えるならば、プロセッサは頭を表し、CPUは脳を表すようなものです。
パソコンの処理装置であれば、プロセッサとCPUは同じ意味合いで使われることが多いため、同じものとして考えて良い、ということですね。
CPUと似た名前のパソコン用語にGPUがあります。
GPU(Graphics Processing Unit)とは、グラフィック処理を行うための専用の処理装置です。
こちらもプロセッサの1つですが、GPUのことをプロセッサと表現することはありません。
プロセッサは広義では処理装置全般を指しますが、パソコンの性能表などに書かれているプロセッサは、CPUのことを指している場合が一般的です。
そのためパソコンに関しては、プロセッサ=CPUと考えて良いです。
覚えておきたい!プロセッサ・CPUに関する基礎知識
プロセッサとCPUは同じものですが、調べてみるといろいろな種類があることが分かります。
プロセッサやCPUの中には、性能の違いによってさまざまな種類がありますが、どのようなプロセッサやCPUが性能が高いものなのでしょうか。
ここでは、どのようなプロセッサやCPUが性能が高いものであるのかを解説するとともに、知っておきたい用語も合わせて解説します。
便宜上、CPUで統一してお話しています。
CPUの2台メーカーであるIntelとAMD
パソコンのCPUメーカーに関しては、Intel(インテル)とAMD(エーエムディー)の2強を覚えておきましょう。
Intelのほうがシェアが多いため、ほとんどのパソコンにはIntelのCPUが使用されています。
AMDはIntelと比べると安価であるため、格安のパソコンにはAMDのCPUが使われていることもあります。
たとえば、ほぼ同等の性能を持つIntelとAMDのCPUの価格を比べると、AMDのほうが2万円ほど安くなります。(2019年5月現在の価格です)
Intel Core i7 9700KF | AMD Ryzen7 1800X |
---|---|
47,800円(税込) | |
28,058円(税込) |
CPUを搭載する基盤であるマザーボードの種類によって、IntelとAMDのどちらのCPUを使用できるか限られる場合があります。
多くの場合はIntelに対応していて、パソコンメーカーもIntelを採用することが多いため、Intelのシェアが多くなってことも、Intelのシェアが多い要因です。
IntelとAMDのCPUにはシリーズ(世代)があります。
Intel | AMD |
---|---|
Core2 Duo | Aシリーズ |
Core2 Quad | FXシリーズ |
Core i3(第8世代まで) | Athlon X4 |
Core i5(第9世代まで) | Ryzen5 |
Core i7(第9世代まで) | Ryzen7 |
Core i9(第9世代まで) | Ryzen Threadripper |
どちらも、下に行くほど新しく、性能が高いCPUです。
IntelのCore i3~i9は、シリーズの中で世代更新をし続けていて、2019年の現在ではCore i3は第8世代まで、Core i5~i9は第9世代まで登場しています。
IntelのCPUは、汎用的に使用できるという特徴があり、AMDのCPUは使用用途に特化した作りになっています。
AMDのRyzenシリーズなどは、ゲームなどの高度なグラフィック処理と演算処理を高速に行うことができるように作られています。
あなたがパソコンで何をしたいのかが明確である場合は、AMDのCPUが良いでしょう。
ゲームをしたい、3Dグラフィックを処理したいなどの明確な用途が決まっていれば、AMDのCPUを選択することで、Intelよりも安価にパソコンを購入できます。
使用用途が明確でない場合は、多くの人が使用していることからも、Intelを選択すれば間違いないでしょう。
クロック周波数の違い
クロック周波数は、CPUの性能値として最初に確認すべき性能指標です。
クロック周波数はGHz(ギガヘルツ)で表され、秒間あたりのクロック数を表します。
1GHzは、1×1,000(3乗)となり、1GHz=1,000,000,000Hzです。
クロック周波数が高いほど、1秒間に処理できるデータの量が多くなり、処理性能が高くなります。
現在のCPUクロック周波数は3.0GHz~4.5GHzのものが多いです。
クロック周波数は、基本周波数と最大周波数で別々に記載されていることがあります。
基本周波数は、通常使用の範囲での最大の周波数と捉えて良いでしょう。
最大周波数は、ターボブーストやオーバークロックなどの語句と合わせて記載されていることが多く、理論上の最大の周波数を表します。
※ターボブーストはIntel独自の技術で、負荷がかかる処理を行ったときなどに、自動的に基本周波数を超えるクロック周波数を出すことで、処理の高速化を図る技術のことです。
基本周波数を超えるクロック周波数を出すこと自体を、オーバークロックというため、ターボブーストもオーバークロックの一つですね。
ターボブーストやオーバークロックをすることで、CPU本来の処理性能を100%引き出すことができますが、CPUに負荷をかける事になるため、CPUの寿命が縮まる要因となります。
そのため、クロック周波数に関しては、基本周波数を最大の周波数として確認しましょう。
コア数の違い
CPU性能値を表すものの1つとして、コア数があります。
コア数は人間で言えば脳の数と捉えて良いでしょう。
コア数が複数あれば、複数人でタスクを分けるようなイメージです。
デュアルコア(2つ)、クアッドコア(4つ)、ヘキサコア(6つ)、オクタコア(8つ)のものが存在します。中には12個や18個のコアを持つCPUも存在しますが、一般的なパソコンで使用する事はあまりありません。
コア数が多ければ、一度に処理することができるデータ量が増えるため、処理性能が上がります。
複数のコアで一度に処理するイメージとしては、テレビを見ながら本を読んで、スマホでLineのやり取りをする、といったことを分担して、一度にできるような感じですね。
基本的には、コア数が増えるほど処理性能が増しますが、コア数が増えるほど価格も高くなる傾向にあるため、あなたがパソコンを使用する用途に合わせて選択しましょう。
年々処理するデータ量は増える傾向にあるため、最低でもクアッドコア以上を選択することがおすすめです。
スレッド数の違い
スレッド数はパソコンのOS上で認識されるコア数のことです。
IntelやAMDのCPUは、物理的に複数のコアを持っていない場合でも、ビジ的に1つのコアを複数のコアとして扱う「マルチスレッディング技術」を使用しています。
実際には1コアしかないのに、マルチスレッディング技術によって擬似的に、2コアとして処理をするといったことが可能です。
メーカーのCPU性能表を見てみると、「4コア4スレッド」や「4コア8スレッド」などと書いてある場合があります。
この場合、どちらも物理的には4つのコアを持つCPUですが、OS上で認識されるコア数は4つと8つになります。
そのため、「4コア8スレッド」のCPUのほうが、処理性能が高いというわけですね。
Windowsでは、タスクマネージャーで「論理プロセッサ数」として表示されます。
タスクマネージャーは、タスクバーを右クリックしてから「タスクマネージャー」をクリックすることで表示できます。
プロセッサ・CPUの確認方法
あなたのパソコンでどんなプロセッサ・CPUを使用しているかは、OS上から簡単に確認できます。
WindowsとMacでの確認方法を紹介します。
Windowsでの確認方法(Windows10)
1.WindowsキーとEキーを入力して、エクスプローラーを開く
2.画面左から「PC(マイコンピューター)」を右クリック
3.「プロパティ」をクリック
4.「プロセッサ」を確認
Macでの確認方法
1.画面左上にカーソルを移動して、リンゴマークをクリック
2.「このMacについて」をクリック
3.「プロセッサ」を確認
あなたのパソコンで使用しているプロセッサ・CPUを確認しておけば、今後パソコンを買い換える時などに参考にできます。
パソコンを買い換える時は、ほとんどがパソコンの処理が重くなったときですよね?
どんなプロセッサ・CPUを使っていたかがわかっていれば、次のパソコンはもっと処理性能が高いプロセッサ・CPUを選択する事ができるようになります。
まとめ:プロセッサとCPUは同じもの
プロセッサとCPUは厳密な意味合いは異なるものの、パソコンにおいては同じものと考えて良いです。
プロセッサ・CPUのメーカーは、IntelとAMDの2強です。
Intelのほうがシェアが多いのですが、AMDは安価で使用用途に合わせることでき、コストパフォーマンスに優れるという特徴がありました。
CPUの性能は、クロック周波数・コア数・スレッド数を比べると性能差が比較できるため、あなたが今後パソコンを購入するときや、自作するときには意識してみてみましょう。