パソコンのデータ取り出しの方法・対策を徹底解説!

パソコンのデータ取り出しの方法・対策を徹底解説!

突然ですが、パソコンが故障した経験はありますか?精密機器でもあるパソコンは、なんらかの原因で壊れて動かなくなることがたまにあります。その場合新しくパソコンを購入すれば解決できるいっぽう、対策していないとデータを消失するのが難点です。

そこで今回は、パソコンのデータ取り出しの方法を紹介していきます。

パソコンのデータ取り出しとは?

パソコンのデータ取り出しは、内部に存在するHDD・SSDといったパーツから大事なファイルや画像などを入手することです。パソコンは突然壊れた場合としても、データ自体は破損していないことがあるので諦めてはいけません。

復旧とは異なる?

データ取り出しと似た言葉に、「データ復旧」があります。両者は同じものに見えますが、データ取り出しは「正常なデータを入手」するものであり、データ復旧は「破損したデータを直して入手」するという点が異なります。

症状としては前者のほうが軽いもので、簡単な知識と手順さえ守れば自力でデータの入手が可能。いっぽうデータ復旧の場合は、素人には困難な場合が多くプロの業者に頼る必要が出てきます。

パソコンのデータ取り出しに必要な条件・もの

データを取り出す場合に必要な条件・ものは以下の通り

条件:データが破損していないこと

データを取り出す場合は、HDD・SSDなどが壊れていないのが前提条件です。もしも壊れていてデータも破損していると、「取り出し」ではなく「復旧」しなければなりません。

データが破損しているかを見わける場合は、「見た目が明らかに木っ端みじんで物理的に無理な状態」「取り出す方法を試したものの、デバイスが認識されない」といった形で判別できます。

物理的に破損していないなら、とりあえずデータ取り出しの方法を試してください。

必要なもの:保存先

データ取り出しをする場合、移行するための保存先が必要です。具体的には「別のパソコンの保存領域」「新しく購入した内蔵タイプのHDD・SSD」、USBなどで接続できる「外付けHDD・SSD」、小型で持ち運びに適したフラッシュメモリなど。

基本的に保存先として用意できればどれでも大丈夫ですが、別のパソコンの保存領域にデータを移行するなら新しくデバイスの用意がいらないため楽です。

そのほかバックアップも兼ねるなら、複数の保存先にデータをコピーするというのもおすすめします。

パソコンのデータ取り出しをする基本手順

データ取り出しをする場合は、
・内蔵保存媒体の取り出し
・ほかのパソコンに接続
・データ移行

の3つの手順で進めます。

内蔵HDD・SSDを取り出す

パソコンそのものが動くならそのまま取り出しできますが、基本的には電源などがつかない状態を想定しているため、まずはHDD・SSDを取り外しする必要があります。

安全に作業するため、まずはデスクトップパソコンの電源コンセントを抜いてください。ノートパソコンならバッテリーを取り外すか、電池をなくします。静電気もほかの問題を生み出す可能性があるので、なるべく排除が必要です。

あとはHDD・SSDが入っているスペースを見つけます。デスクトップパソコンなら蓋を開けると光学ドライブの下あたりに設置されている場合が多く、ノートは個体によって場所が変わります。

HDD・SSDにはマザーボードに繋がるコネクターが接続されているので抜いてください。それからマウントにネジで固定されているので、ドライバーなどを使って外します。以上で取り外しは完了です。

ほかのパソコンに接続する

データを移行するため、ほかのパソコンに接続する必要があります。いくつか方法はあるので、それぞれ紹介。

マザーボードに直接繋げる

マザーボードに直接繋げる

マザーボードは、パソコンの中核をなす部分。パーツのすべてがマザーボードに繋げられるため、人間に例えると骨格ともいえます。デスクトップパソコンの場合、HDD・SSDをそのままほかのパソコンに接続することが可能。それだけでデータの取り出しができる環境を作れます。

ただし、マザーボードに余っている接続端子が用意されている必要があります。大抵の場合は元のパソコンで使っていたSATAケーブルをそのまま使いまわすことが可能です。ほかにもIDEケーブルというものがありますが、合わない場合は後述の方法を試してください。

USB変換ケーブルで繋げる

USB変換ケーブルで繋げる

※画像は一例です。現在売買中の品物につきましては、公式サイトをご確認ください。

マザーボードに繋げる方法が使えないまたはやりたくない方は、USB変換ケーブルを使うのがおすすめ。Amazonなら「USB SATA 変換」「USB IDE 変換」「USB M.2 変換」といったワードの検索で見つかります。

USBポートはほぼ確実にパソコンなら備わっているため、知識がなくても簡単に使用可能。価格は1,000円未満から3,000円程度です。なお、USBの記述に「2.0」「3.0」と書かれていることがありますが、購入時は後者を選ぶのが無難。

USBは3.0を選ぶと無難

※画像は一例です。現在売買中の品物につきましては、公式サイトをご確認ください。

パソコン側が対応している必要があるものの、前者よりも後者のほうが10倍程度素早くデータ転送を行えます。

データを移行する(Windows10)

HDD・SSDをほかのパソコンに繋げられたら、最後にデータを移行します。移行先は人によって異なるものの、「保存先」として記述した部分を参考にしてください。

タスクバーの左のほうにある「エクスプローラー」を開きます。そして左側の項目から「PC」を選択。

すると右側に「デバイスとドライブ」という部分が出てくるので、接続したHDD・SSDを選んでください。「ローカルディスク」「ボリューム」などと記載されていますが、もし発見できない場合は接続が上手くいっていないまたは壊れているかもしれません。

あとはフォルダが表示されるので、移行したいデータを「Ctrl+C」でコピー。接続しているパソコンのフォルダやデスクトップまたは別デバイス上に貼り付けたら完了です。ちなみにすべてのデータをコピー&ペーストで移動することも可能ですが、場合によっては時間がかかるので大事なデータのみ移行するのも手です。

パソコンのデータを取り出したい場合にやってはいけないこと

データ書き込み

データの書き込みをした場合、復旧したいファイルが上書きされる可能性があります。そうなると元のデータをそのままの形で取り出しにくくなるので、基本的にはやっていはいけません。

本来なら取り出せるはずだったものが読み書きによって破損したり上書きされたりといいことはないので、むやみに書き込みはしないでください。

データ取り出しの必要をなくす事前対策

パソコンの故障を防止できれば、データを取り出す必要はなくなります。そこで今回は、事前対策も紹介。

熱を避ける

パソコンのパーツは発熱しやすく、高温になると熱暴走により勝手に電源が落ちたり再起動したりします。そして最悪の場合はパソコンが壊れる可能性があるのが難点です。特にシステムのアップデートやデータ保存中など、タイミングが悪い場合は危険。

対策としては、部屋が暑い場合はクーラーや扇風機をつけて温度を緩和したり、パソコンそのものを酷使したりしないようにすればOK。デスクトップパソコンなら蓋を開けて温度を下げることも可能です。

なおCPUやHDD・SSDといったパーツの温度は40度前後が多め。60度近くなることもあり、それ以上の温度が危険なラインとして挙げられます。

物理ダメージを避ける

引用:Amazon

落下による衝撃といった物理ダメージは、パソコンを故障させる原因の1つ。パソコンの一部パーツが故障して動かなることがあります。特にHDD・SSDといったデータ保存するパーツが壊れた場合、復旧・取り出しが困難。パソコンのシステムが立ち上げられなくなり面倒なほか、素人では取り出せず業者に依頼する必要が出るかもしれません。

対策としては、物理ダメージをなるべく与えないようにすればOK。滑り止めを使うことで転倒を防止したり面の広い部分を底面にしたりするほか、周辺でものを振り回さないようにしてください。

バックアップを取る

バックアップは、パソコンが壊れた場合に備えて別の場所にデータを保存しておくこと。データを正常な状態で保持しておけるので、わざわざ取り出す手間を省けます。

やり方としては、「Acronis True Image」やWindows10に標準搭載されるバックアップソフトまたは「Google drive」「Drop box」といったクラウドストレージを活用するのがおすすめ。前者はパソコンのデータをシステムを含めすべて保存しておきたい方向けで、画像や動画・そのほか一部大切なデータを保存するなら後者がおすすめです。

クラウドストレージはネット上にデータを保存し、複数のパソコン・スマホ間でデータを共有できるので手軽に使えます。データを取り出すのもバックアップソフトを使うより簡単なので、まずは後者を利用してみてください。

雷が近いときは電源を落とす

夏の時期に多くみられるものといえば雷。大きな音を立てながら通過していくものですが、雷のときはパソコンの電源切ったりコンセントを抜いたりするのが無難です。

というのも、雷が近くに落下した場合は周辺に異常な電圧が発生。その影響でパソコンに異常な電流が流れ込み、結果的に故障する恐れがあります。

そのため、コンセントだけでなくLANケーブルや外部に繋がる配線類を抜いていくのが対策方法。加えてパソコンのデータを保存しておくのもおすすめです。

ケーブルを抜くのが面倒に感じる方は、雷の影響からパソコン・家電機器を保護する機能を持つ電源タップを使ったり、無停電電源装置を導入したりすることも検討してください。

パソコンのデータ取り出しはプロに任せるのもあり

パソコンのデータを自力で取り出す方法を紹介してきましたが、それでも不安な場合はプロの復旧業者に依頼するのも1つの手です。

メリットは、どんな障害であっても大抵の場合はデータを取り出し可能な点。自力でやった場合には余計なことをして状態を悪化させることもありますが、プロの業者ならそのような問題もなくなります。

デメリットは、データ取り出しにお金がかかる点。数万円程度の支払いを考えておくのが無難です。

なおかかる費用はHDD・SSDの容量と状態で大幅に変動します。今回紹介した「パソコンが動かなくなったけどデータは無事」というパターンなら、料金としては最も安い部類で済みます。逆にデータが破損していたり物理的なダメージや水濡れといった深刻な状態だったりすると、100,000円を超えるのも珍しくありません。

データがどれだけ大事なのかを考えつつ、業者への依頼も検討してください。弊社でもデータ取り出しに関するお見積りは可能なので、問い合わせフォームより連絡いただけると助かります。

パソコンのデータを取り出そう

パソコンのデータ取り出しは復旧と比べたら比較的軽微なもので、自力で行うのも難しくはありません。今回はデータの取り出し手順から事前対策ややってはいけないことまで紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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