パソコンでブルーレイディスクを楽しもう!
ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)は、DVDの後継メディアとして登場した光ディスクです。一般的には頭文字を取って「BD」と呼ばれたり、省略して「ブルーレイ」と呼ばれています。
ブレーレイは青紫色のレーザー光線を高速回転するディスクに当てて、反射の有無でデジタルデータ(1または0)を読み取っています。
ブルーレイディスクとは?
ブルーレイディスクとDVDのと違い
ブルーレイディスクの物理的サイズは直径12cmでDVDと全く一緒です。しかし、片面1層ブルーレイディスクの容量は約25GBで、片面1層DVD(約4.7GB)と比べて約5倍の記録容量を誇ります。
DVDに収録されている映画はSD画質(480p)でしたが、大容量のブルーレイディスクはフルHD画質(1080p)で収録されており、きめ細やかで美しい映像を楽しむことができます。
ブルーレイディスクの多層化技術
ブルーレイディスクは、約0.1mmの薄い記録層を1枚のディスク上に多層化することで容量を増やせることが大きな特徴です。現在発売されているブルーレイディスクは片面1層(約25GB)と片面2層(約50GB)が一般的ですが、最大で片面4層(128GB)のディスクも製品化されています。
「録画用」と「データ用」は違うディスク?
市販されている記録用ブルーレイディスクは、「録画用」と「データ用」で異なるパッケージで販売されています。しかし、実際には両者は全く同じ製品です。
以前はテレビ番組や映画の著作権の関係で、「録画用」は著作権料金を含んだちょっと高めの価格で販売されていました。現在ではこの制度は無くなったのですが、各メーカーが販売戦略上の理由でいまだに「録画用」と「データ用」を区別して販売しているのです。
ブルーレイディスクの種類
ブルーレイディスクには、下表のように読込み専用・1回書き込み可能・複数回書き込み可能なディスクがあります。
規格 | 特徴 |
---|---|
D-ROM | 読込み専用のディスク。映画やゲームなどのソフト販売用。 |
BD-R | 1回だけ書き込みができるディスク。追記は可能。1層または2層構造。 |
BD-RE | 1,000~1万回程度の書き換えができるディスク。1層または2層構造。 |
BD-R BDXL | BD-Rの3または4層構造版。 |
BD-RE BDXL | BD-REの3層構造版。 |
ブルーレイディスクの用途
ブルーレイディスクはさまざまな用途で使われています。代表的な使い方をご紹介します。
映画ソフト
『ボヘミアン・ラプソディ』や『カメラを止めるな!』といった映画作品は、BD-ROMでも販売されています。DVD版より少し高めの値段で販売されているケースが多いのですが、家庭で圧倒的に美しい映像を堪能できるのが魅力的です。
ゲームソフト
「Playstation 4」や「Xbox One」のゲームソフトは、BD-ROMに収録されて販売されています。圧倒的な記録容量のブルーレイディスクならではの美しいグラフィックスが魅力のゲームを楽しむことができます。
テレビ番組の録画
ブルーレイディスクレコーダーを使えば、地上デジタル放送やBSデジタル放送で放映されているテレビ番組を録画することができます。
データのアーカイブ
撮りためた写真や動画のアーカイブにブルーレイディスクは最適です。また、WordやExcelなどのドキュメントファイルの保管や、業務用データのバックアップにも適しています。BD-REなら、繰り返し書き込むことが可能です。
ムービーの配布
手軽な動画ならSNSへのアップロードでも十分ですが、高性能のデバイスで録画した旅やパーティーのムービーなら高画質なまま届けたいですよね。ブルーレイディスクなら、高画質で長時間のムービーを記録して大切な人に届けることができます。
ブルーレイディスクの録画時間
地上デジタル放送やBSデジタル放送で放映されているテレビ番組を録画する場合、録画可能な時間は放送の種類と録画画質によって変わってきます。
放送と同じ品質の画質モード(DR)で録画した場合の録画可能時間は下表の通りです。
録画画質を落とせば録画時間が長くなりますが、せっかくブルーレイディスクに録画するなら放送のオリジナル画質を保てるDRモードがおすすめです。
録画モード | 1層(25GB) | 2層(50GB) |
---|---|---|
DR(地上デジタル放送) | 3時間 | 6時間 |
DR(BSデジタル放送HD) | 2時間10分 | 4時間20分 |
DR(BSデジタル放送SD) | 4時間20分 | 8時間40分 |
ブルーレイディスクのコピーガード
ブルーレイディスクには、著作権を保護するために無断複製ができないようコピーガードがかかっています。
レンタルや市販されているブルーレイディスクのコピーガードは、「AACS」や「BD+」、「BD-Live」などの種類があります。
また、ブルーレイディスクレコーダーで録画したテレビ番組をブルーレイディスクにダビングする場合にも、コピーガードがかけられているのです。
コピーガードがかかっているブルーレイディスクをコピーすることは違法行為です。自分で作成したコンテンツのコピーは全く問題ありません。
ブルーレイディスクのリージョンコード
ブルーレイディスクには、「A」・「B」・「C」3種類のリージョンコード(地域コード)が設定されています。違法コピーによる海賊版の流通を抑えるため、プレイヤーに設定されているリージョンコードとディスクのリージョンコードが一致しなければ再生できない仕組みになっているのです。
ただし、メーカーがリージョンコードを設定しないこともできるので、リージョンコードのないブルーレイディスクも多く販売されています。
リージョンコードは下表の通りです。日本はアメリカや韓国、台湾などと共通の”A”地域となっています。
リージョンコード | 地域 |
---|---|
A | 南北アメリカ、東南アジア、日本、朝鮮半島、台湾及びそれら海外領土 |
B | ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オセアニア及びそれら海外領土 |
C | 中央・南アジア、中華人民共和国、ロシア、モンゴル |
ブルーレイディスクドライブ
市販されているパソコン用ブルーレイディスクドライブのほとんどは、CDとDVDの再生・書き込みもできます。これは3ディスクのサイズが共通なためです。ただし読み書き用の光の波長は異なるので、CD/DVD用とブルーレイ用の2つのレンズを内蔵しています。
パソコン内蔵ドライブ
デスクトップパソコンや15インチ以上のノートパソコンには、ブルーレイディスクドライブが内蔵されているモデルが多くあります。
パソコンに内蔵されているブルーレイディスクドライブは、主に「Serial ATA 3.0」というインターフェイスでマザーボードと接続されています。
外付けドライブ
一昔前のパソコンやエントリーモデルのパソコン、モバイルノートパソコンにはブルーレイディスクドライブが内蔵されていない場合がほとんどです。
この場合、外付けブルーレイディスクドライブを追加することでブルーレイディスクの読み書きができるようになります。外付けドライブは「USB 2.0」や「USB 3.0」などのインターフェイスでパソコンと接続します。
外付けドライブには、ポータブルタイプと据え置き型があります。デスクトップパソコンなら、内蔵ドライブを増設またはDVDドライブと交換することも可能です。
ブルーレイ再生用ソフト
ブルーレイディスクを再生するためには、ブルーレイ再生ソフトが必要です。映画など市販のブルーレイディスクは、ブルーレイディスクドライブがあっても再生用ソフトがなければ再生できません。
CDやDVDと違って、OSにバンドルされている純正メディアプレイヤー(Windowsなら「Windows Media Player」、Macなら「DVDプレーヤー」)では再生できないのです。
ブルーレイディスクドライブ内蔵のパソコンを購入した場合は再生ソフトがプリインストールされているので問題ないのですが、再生ソフトが付いていない外付けドライブを購入した場合は自分で再生ソフトを入手する必要があります。
ブルーレイディスクへの書き込み方法
自分で撮った写真や動画、オフィス系ファイルなどをブルーレイディスクへ書き込む場合は、ドラッグ&ドロップで簡単に操作できます。
Windows 10の場合、ブランクメディア(データを書き込むBD-RやBD-RE)をブルーレイディスクドライブにセットし、エクスプローラー上でデータをドラッグ&ドロップします。
ブルーレイが再生できない場合の対処方法
ブルーレイディスクが再生できない原因と対処方法をご紹介します。
1.ドライブがブルーレイに対応していない
光学ドライブを搭載したパソコンでも、ブルーレイに対応していないドライブでは読み書きができません。ディスクの物理的なサイズはCD/DVDと共通なのでドライブには入ってしまうのですが、再生できません。
この場合は、ブルーレイ対応の外付けドライブを購入すれば再生できるようになります。
2.再生ソフトがインストールされてない
ブルーレイディスクは、ブルーレイ再生ソフトがインストールされていないパソコンでは再生できません。フリーソフトや有料ソフトを入手してインストールする必要があります。
3.パソコンのスペックが低い
ブルーレイディスクは、DVDに比べて高いスペックが必要です。高画質の映像を表示するため、CPUやGPU、メモリに大きな負担がかかるためです。
もしブルーレイを再生して画面がカクカクしたり、フリーズしたりする場合はパソコンのスペックが足りていない可能性が考えられます。
4.ディスプレイがHDCPに対応していない
パソコンで再生したブルーレイの映像をHDMIやDVIで外付けディスプレイにデジタル出力する場合は、ディスプレイ側がHDCPに対応していないと出力できません。
HDCPは、デジタル映像出力先の機器でダビングされることを防ぐためのコピーガードの1種です。VGAなどアナログ出力の場合は関係ありません。
まとめ
DVDと比べて5倍の大容量を誇るブルーレイディスクは、高画質の動画の記録や大容量データのバックアップに最適です。
映画など市販のソフトを再生する場合はコピーガードの観点からさまざまな条件があるので、再生できない場合は一つずつ要因をチェックしてみてください。