パソコンの乗っ取りとは?被害の具体例と対策方法【あなたが加害者になるかも】
「パソコンの乗っ取りって具体的にはどんなこと?予防できる?」
この記事は、こんな疑問を持つあなたに向けた記事です。
この記事の中では、パソコンの乗っ取りに関する実際の事例から、予防・対策方法を紹介しています。
読み終える頃には、パソコンの乗っ取りでどのような被害をうけるか、どう防げばよいかが理解できます。
パソコンを乗っ取られるとどうなる?実際の事例を紹介
パソコンの乗っ取りとは、名前のとおりにあなたのパソコンが悪意のある第三者によって乗っ取られてしまうことです。
パソコンを乗っ取られてしまうと、どのような被害があるのか、実際の事例を元に解説します。
パソコンの乗っ取りによる被害
パソコンを悪意のある第三者に乗っ取られてしまうと、次に挙げるような被害にあいます。
・パソコンの管理者権限を奪われる
・パソコンを遠隔操作される
・パソコンのリソース(CPUやメモリなど)を勝手に使用される
・あなたの個人情報を奪われる
管理者権限を奪われると、パソコンの持ち主があなたでは無くなるようなイメージです。
パソコンの持ち主が変わるということは、あなたのパソコンなのに使えなくなる事も考えられますよね。
また、あなたはパソコン上にあなたの個人情報を保存していませんか?
たとえば、Amazonのログイン情報をパソコンに記憶させていたら、Amazonにあなたのアカウントでログインできます。
そうすると、住所からクレジットカード情報まで、すべてを盗まれる可能性があります。
このように、あなた個人への攻撃だけで済めばまだ良い方で、最悪の場合はあなたを騙って他者に攻撃することも考えられます。
あなたは無実であるにもかかわらず、知らないうちに加害者になってしまうのです。
実際の事例を紹介
これから紹介するパソコンの乗っ取り事件は、2012年に起きた実際の事件で、ニュースでも取り上げられていました。
この事例では、不正なソフトウェアを不特定多数の人に送りつけました。不正なソフトウェアを実行してしまった人のパソコンを乗っ取り、犯行に及んでいます。
注目すべきは、真犯人が逮捕される2013年までに、4人の無実の人達が誤認逮捕されてしまったことです。
パソコンを乗っ取られると、あなたが何もしていないにもかかわらず、この事例のように誤認逮捕されてしまう可能性があります。
参考:朝日新聞デジタル 著:石川瀬里 https://www.huffingtonpost.jp/2015/02/04/enkaku_n_6610258.html
あなたが意識していないところで、あなたのパソコンのリソースが勝手に使われるかもしれないことがわかる事例ですね。
参考:ITmedia NEWS 著:岡田有華 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/12/news078.html
どうやってパソコンを乗っ取るのか
先ほど紹介した事例にもあるように、不正なソフトウェアを感染させる手段があります。
不正なソフトウェアを感染させるための経路としては、次のものが考えられます。
・メールで不正なソフトウェアを送りつける
・Webサイトにアクセスさせて、不正なソフトウェアに感染させる
・ダウンロードページから、不正なソフトウェアをダウンロードさせる
パソコンの乗っ取りは、不正なソフトウェアを感染させる以外にも、あなたのパソコンに不正アクセスをすることでも可能です。
インターネット上に繋がっているパソコンであれば、常に不正アクセスを行われる可能性があることを覚えておきましょう。
パソコンだけじゃない!SNSアカウントの乗っ取り
ここまで、パソコン自体の乗っ取りに関する解説をしてきましたが、乗っ取り行為はSNSのアカウント単位でも行われます。
たとえば、あなたはLineを使っていて「PCでLineにログインできませんでした。」と、通知が来たことはありませんか?
あなたの身に覚えがないのであれば、あなたのLineアカウントへ不正アクセスをしようとした形跡です。Lineだけでなく、FacebookやTwitter、インスタグラムなどのSNSでも同様のことが行われている可能性があります。
アカウントを乗っ取られると、あなたを騙って悪さをすることができますね。
アカウントの乗っ取りをイメージすると、パソコンの乗っ取りに関してもイメージできるのではないでしょうか。
【危険信号】パソコンの乗っ取りに関する症状
パソコンの乗っ取りは、不正なソフトウェアや不正アクセスによって行われます。
その場合、あなたのパソコンではさまざまな症状が現れます。
以下に紹介した症状に該当すると、必ず乗っ取られるというわけではありませんが、症状が出たら危険だと認識しましょう。
パソコンの動作に関する症状
パソコンを使っている中で、次に挙げるような症状が出たら要注意です。
・パソコンが何度も再起動を繰り返す
・パソコンの挙動が極端に遅くなった
・画面におかしな広告が表示される
不正なソフトウェアの中には、ウィルスソフトも含まれます。
あなたのパソコンの中でウィルスソフトは増殖するため、パソコンの挙動が遅くなる事が考えられます。
また、別の不正なソフトウェアをインストールさせるために、パソコン上にウィルスに感染した旨のメッセージを表示したりします。
ファイルに関する症状
ファイルやソフトウェアに関する、次に挙げるような症状が出たら要注意です。
・ファイルが勝手に消えている
・知らないファイルが保存されている
・ファイルが開けない
・ファイル名が勝手に変わっている
・知らないソフトウェアがインストールされている
ファイルが消えたりファイル名が変わる場合、不正アクセスされている事が考えられます。誰かがあなたのファイルを操作している可能性ですね。
ファイルが開けなかったり、知らないファイルが保存されている場合は、不正なソフトウェアによって、あなたのパソコンが侵食されている途中かもしれません。
同様に、知らないソフトウェアがインストールされている場合は、新たな不正なソフトウェアである可能性が高いと言えます。
インターネットの操作に関する症状
ブラウザを使ってインターネットをしているときに、次に挙げるような症状が出たら要注意です。
・意図しないWebサイトが勝手に表示される
・Microsoftのサイトなど、セキュリティに関連するサイトにアクセスできない
・ブラウザの設定が勝手に変わっている(お気に入りなど)
不正なソフトウェアが新たなソフトウェアをダウンロードさせるために、あなたの意図しないWebサイトを表示することがあります。
Microsoftなどのセキュリティに関連するサイトは、不正なソフトウェアにとってアクセスしてほしくないため、アクセスできないようにされてしまいます。
ブラウザの設定が勝手に変わることも、同様の理由が考えられますね。
パソコンの乗っ取りに対する予防、対策方法
パソコンの乗っ取りを予防、対策するには、セキュリティソフトを導入し、OSアップデートをこまめにすることが重要です。
OSアップデートは、Windowsであれば「Windows Update」であり、Macであれば「アップデートがあります」と通知が来ます。
セキュリティソフトを導入することで、不正なソフトウェアをインストールすることを防ぐことができます。
不正アクセスはパソコンの弱い部分(ぜい弱性)を狙うため、OSアップデートによって、パソコンの弱い部分をなくすことが重要です。
セキュリティソフトは、複数のセキュリティ会社から販売されているため、各社の特徴を簡単に紹介します。
ソフト名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
ノートンセキュリティ | 世界売上No.1であり、利用者が多い | 多くの人と同じモノを使いたい人 |
カスペルスキーインターネットセキュリティ | 不正なソフトウェアの検出率がNo.1 | セキュリティを強固にしたい人 |
ウイルスバスター クラウド | パソコン初心者にもわかりやすい設定 | 気軽に導入したい人 |
ESETインターネットセキュリティ | 動作が軽快でありながら、十分な性能を持つ | パソコンの動作を重くしたくない人 |
セキュリティソフトは無料のものもありますが、サポートが付いた有料版をおすすめします。有料のセキュリティソフトは、セキュリティを専門にした会社が開発したものなので信頼性が高く、信用できます。
セキュリティソフトを導入して、OSアップデートをこまめに行なっても、完全にパソコンの乗っ取りを防げるわけではありません。もちろん、可能性は限りなく低くできます。
もし、これらの対策をしても、パソコンの乗っ取りに関する症状が出た場合は、最終手段としてクリーンインストールを検討しましょう。クリーンインストールは、OSをインストールし直すことです。
不正なソフトウェアをインストールしてしまったり、不正アクセスを受けた場合、セキュリティソフトでも対応しきれない場合があります。クリーンインストールは、あなたのデータも消えてしまいますが、パソコンの状態をリセットするためには、最も有効的な手段です。
まとめ:知らないうちに加害者にならないようにセキュリティ対策をしよう!
インターネットに常時接続していることが当たり前になった現代では、誰もがパソコンの乗っ取り被害に遭う可能性があります。
「パソコンの乗っ取りに関する症状」で解説した症状に該当する場合、もしかしたらあなたのパソコンは乗っ取られる寸前かもしれません。
セキュリティソフトを導入したり、OSアップデートをこまめに行うことで、パソコンが乗っ取られる可能性を低くできます。
ちょっとした予防・対策をするだけで、あなたが知らないうちに加害者になることを防げますので、セキュリティ対策について意識してみましょう。