パソコンが起動しない時に自分でできる対処方法
パソコンの不具合にはいろいろな症状がありますが、その中でも「電源を入れても起動しない」状態がもっともやっかいであるといえるでしょう。
何らかの不具合が生じても、インターネットに接続したパソコンが稼働していれば、検索して対処法を調べることもできますが、起動すらしなくなると検索もできませんしできることが限られてきます。
今はタブレットやスマートフォンでサイトを見ることもできますので、もしパソコンが起動しなくてお困りでしたらこちらのページでご紹介している対処方法を試してみてください。
「パソコンが起動しない」という状態も、画面に何も表示されない場合やメーカーのロゴが映る場合など、いくつかの種類がありますので、症状ごとに適した対処方法をご紹介します。
パソコンの電源ボタンを押してもまったく反応しない
一番困るのが電源ボタンを押してもまったく稼働しない、ランプも点かないし機械が動いている気配もないという状態。 完全に壊れてしまったのかと思いきや、意外なところに見落としがあるのかもしれませんよ。
電気が届いていない可能性
電化製品の取扱説明書にもよく記載がありますが、電源が入らない場合はまず電気が通っているか確認してみてください。 コンセントがしっかり差し込まれているかどうかはもちろんですが、コンセントを差し込んでいる電源タップに通電されていないこともありますし、コードが断線していることもあります。 電源タップを使用している場合は、直接壁のコンセントにつないでみて、電源が入るか試してみてください。
パソコンに不要な電気が帯電している
パソコンを長時間使用していると、パソコン本体の部品や回路に不必要な電気が溜まってしまい、電源が入らなくなってしまうことがあります。
その場合は、不要な電気を放電すれば、元通りに起動できる可能性があります。
放電するには、パソコンに接続されている周辺機器やUSBケーブル、LANケーブルなどをすべて外し、コンセントを抜いて数分間放置しておくだけでOK。
デスクトップパソコンの場合はディスプレイと接続するケーブルも外し、ノートパソコンの場合はバッテリーも取り外しておきます。
その後、電源ケーブルやマウス、キーボードなどを接続しなおして電源を入れてみると、正常に電源が入ってパソコンが起動することがあります。
パソコン本体の部品の故障
古いパソコンや使用頻度の高いパソコンを長期間使い続けていると、電源ユニットなどの部品が消耗して寿命を迎えることがあります。
電源に関する部品だけ故障しているのならば、該当の部品だけ交換すればデータを失わずに使い続けることもできますし、データを抜き出して新しいパソコンに移し替えることも可能です。
古いパソコンや何年もフル稼働させているパソコンで電源が入らなくなったら、素直に修理や部品交換の依頼をすれば問題解決するかもしれません。
電源が入っても画面が真っ暗
電源ボタンを押すと本体のランプが点いてファンが動き出すなど稼働しているのに、画面は真っ暗のままということもあります。
この場合は、おもにディスプレイの不具合やBIOSのクラッシュなどが疑われます。
ディスプレイのケーブルが接続されていない
コンセントの未接続と同様に、デスクトップパソコンでディスプレイが本体と別れている場合、ディスプレイと本体と接続するケーブルや電源ケーブルが抜けていて画面が映らないことがあります。
ディスプレイの電源ランプが点いているのに画面が映らない場合は、本体との接続ケーブルが外れかかっていたりゆるんでいたりすることもありますので、まずはケーブルをしっかり入れなおしてみましょう。
ディスプレイの故障や不具合
ディスプレイが分離されているデスクトップパソコンなら、別のディスプレイやテレビなどにパソコンを接続すれば、映らないディスプレイだけが故障していることがわかるでしょう。
ノートパソコンや一体型パソコンの場合も、画面が映らない場合は、外部モニタ接続端子にケーブルをつないで、ほかのディスプレイに画面を映し出すことができます。
また、ディスプレイのライトが故障しているだけの場合は、一見真っ暗に見えますが、よく見るとうっすらとパソコンメーカーのロゴが表示されているのがわかるでしょう。
中には、画面を表示させずにパソコンを起動させる「ナイトモード」という機能が搭載されているパソコンもあります。画面の明るさ調整や消灯ボタンなどがあれば、調整してみてください。
BIOSの不具合
通常、パソコンの電源を入れると、メーカーのロゴが表示されますが、それすらもなく真っ暗なままということは、BIOSが正常に動作していないことが考えられます。
BIOSとはマザーボードに搭載されたプログラムで、OSの起動やパソコン本体と接続された機器の入出力を制御するためのものです。
BIOSがクラッシュしていたり設定に異常があったりすると、パソコンが起動しない、電源を入れても画面が真っ暗のままという症状に陥ってしまいます。
パソコンの電源を入れてもメーカーのロゴが表示されないと、BIOSの設定画面を表示させることもできないので、部品の交換か修理が必要になってくるでしょう。
CMOSバッテリーの電池を交換する
もし、BIOSが起動しない場合は、パソコン内部のCMOSバッテリーの電池切れのことも多いので、パソコンを買い替えなくても電池を交換するだけで症状が改善されることもあります。
CMOSバッテリーとは、よくあるコイン型の電池を使用したもので、パソコンの設定や日時・時間などの情報を保持するための電力を供給するための電池です。
平均的に5年以上使用しているパソコンは電池が劣化してきますので、古いパソコンをお使いの場合は、大掛かりな修理を依頼する前にCMOSバッテリーを交換してみるといいでしょう。
CMOSバッテリーは市販されていますし、パソコン本体のカバーを開けることができれば、比較的簡単に交換することができます。
交換する際には、110円程度から購入できるコイン電池があればいいのですが、初めて交換するのでしたら、リード線とコネクタがあらかじめ接続されている880円程度のものを購入するといいでしょう。
修理業者に交換を依頼すると、出張料金や診断料などもあわせて11,000円くらいかかりますので、自分で交換できればかなり安上がりになります。ただ、どの電池が使われているかわからないと新しい電池を購入できないので、まずはカバーを開けてCMOSバッテリーを確認してみる必要があります。
電池を交換する際は、必ずパソコンのコンセントを抜いて感電などに注意し、手袋をして静電気やケガにも気を付けて作業してください。
エラーメッセージが出てWindowsが起動しない
パソコンの電源が入ってメーカーのロゴが表示された後、WindowsなどのOSが起動しない場合もあります。
画面にメーカーのロゴが表示されるようなら、回復する見込みもありますので、以下のことを試してみてください。
BIOSを初期化する
WindowsなどのOSが起動しない場合は、BIOSを初期化すると回復することがあります。
電源を入れてメーカーのロゴが表示されたら、すぐに「F2」キーか「Delete」ボタンを押すことで、BIOSの設定画面を開くことができます。1回だけでは起動しないこともあるので、数回押してみましょう。
「BIOSセットアップユーティリティ」が起動すると、ブルーやグレーの画面に英語の文字列が記載された画面が表示されます。
BIOSの設定はマウスではなくキーボードの操作で行いますので、矢印キーでカーソルを動かし、エンターキーを押して決定していきます。
BIOSの設定方法については、パソコンメーカーやシリーズによって異なりますので、取扱説明書やメーカーのホームページを見ながら行うのが確実です。
わかりやすい手順だと、「F9」キーを押して「Load Setup Defaults」(デフォルト値をロード)をすることで、パソコン購入時の状態に戻すことができます。
BIOSを初期化しても、パソコン内のデータは消去されませんので、安心してください。正常に初期化されたら自動的にWindowsが起動されます。
エラーメッセージの指示に従う
パソコンの電源を入れてもWindowsが起動せず、英字のエラーメッセージが表示されることがあります。突然のことで動揺するかもしれませんが、よく読むとパソコンが起動しない原因や回復させるための手段が記載されていますので、まずは落ち着いて英文を解読してみましょう。
たとえば、「CMOS Checking~」などの文章が表示される場合は、CMOSバッテリーの電池が切れていることが考えられますので、電池の交換をすれば改善されます。
また、Windowsが起動しない場合のエラーには、最後に「Press F1 to continue」のように表示されることが多く、その場合には実際に「F1」キーを押すことでWindowsが立ち上がります。
ただ、Windowsを起動するたびに「F1」キーを押すことを求められる場合は、パソコン内部に致命的なトラブルが発生していることが多く、最終的にはどうやっても起動しなくなってしまう可能性があります。
パソコンがなんとか動いている間に、原因を突き止めてシステムや設定を見直したり、部品の修理や交換をして根本的に直していくことをおすすめします。
また、「Check Diskはファイルを検査しています」などの文章が次々に表示される場合は、パソコンが自動的に自己修復を行っているので、しばらくパソコンに触らずに修復されるのを待つようにしてください。
スタートアップ修復を行う
Windowsが起動しない時は、そのトラブルの原因を修復するシステムがあります。
メーカーのロゴが表示されたらすぐに「F2」キーか「Delete」ボタンを押してBIOSの設定画面を起動させ、上部にあるタグを「→」の矢印キーを操作して「Exit」を選択してエンターで決定。
「↓」の矢印キーで「HDD Recovery」を選んで決定し「Yes」を選ぶと、ロゴが表示された後に青い画面で「オプションの選択」という画面が表示されます。
ここで「トラブルシューティング」を選び、「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選ぶと、Windowsの起動を妨げているトラブルを自動修復してくれます。
ただ、どんな問題でも修復できるわけではなく、起動に限ったものの中でも特定のトラブルだけですので、試してみる価値はありますが成功するとは限りません。
セーフモードで起動させる
パソコンが起動せず修理や買い替えを検討している場合でも、とりあえずデータを取り出したり不調の原因を探ったりしたいなら、セーフモードでWindowsを起動させれば、必要最低限のシステムだけ使うことができます。
セーフモードの起動方法は、Windowsのバージョンやパソコンメーカーによっても異なりますので、BIOSの設定画面で起動させるのが確実でしょう。
上記の「オプションの選択」から「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」の順に進んで「再起動」をクリックし、「スタートアップ設定」の画面から「セーフモードを有効にする」を選ぶと、Windowsがセーフモードで起動します。
セーフモードでは、アプリなど使えないものが多いので、必要なデータをバックアップしたり、問題になっているプログラムがないか確認するくらいしかできませんが、データを安全に取り出してうまくいけば不具合を解消して正常に起動できるようになるかもしれません。
まずはできることを試してみる
パソコンが起動しないと、このまま使えなくなるのではないかと不安になりますが、修理や買い替えをする前に、自分でできることもたくさんあります。
画面にまったく何も映らない場合でも、パソコン本体に接続されている周辺機器に問題がないかチェックして、しばらく放置してから電源を入れてみると回復する場合があります。
また、システムに問題がある場合でも、何が原因か確認して修復できるプログラムがありますので、自分で解消することも可能です。
エラーコードなど見慣れない文字列が表示された時も、慌てずに解読して修復手段を探ってみてください。
大事なデータを失わないために、普段からバックアップを取っておいたり、パソコンの起動に時間がかかるなどの前兆が見られる場合には、事前にメンテナンスを行っておくと安心です。
メンテナンスにもいろいろありますが、自分でできることはウイルスチェックをこまめにしたり、不要なアプリや不審なプログラムをアンインストールしてデータ整理をすることです。
また、長時間パソコンのコンセントが抜けているとCMOSバッテリーが消耗しやすくなるので、普段使わないパソコンも定期的に電源を入れて動作を確認してみることをおすすめします。