パソコンはゴミ回収に出せるの?不要になったPCを正しく処分する6つの方法

パソコンはゴミ回収に出せるの?不要になったPCを正しく処分する6つの方法

この記事では、不要になったパソコンの処理に困っている方へパソコンの正しい処分方法をお伝えします。

パソコンを処分するには、一般ゴミで捨てることは出来ません。正しい知識を知ってきちんと処分しましょう。

不要になったパソコンは正しい処分をしなければなりません

2003年まで、パソコンは一般的な粗大ゴミとしてゴミの日に処分することができていました。しかし、2003年10月に「改正資源有効活用促進法」の一環として「パソコンリサイクル法」が施行されました。

これにより、パソコンやそのディスプレイは、原則「製造メーカーが回収・リサイクルする」ことが義務付けられたのです。

昔は捨てることができたという認識でその辺に捨ててしまうと、現在では不法投棄と見なされます。不法投棄は「廃棄物処理法違反」という法律違反であり、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金またはこの併科が課せられます。

パソコンには削除したつもりでもデータが残っている場合があり、使用者が特定される可能性が高いです。軽いつもりで捨てたことで犯罪者になってしまわないよう、正しい処分をしなければいけません。

パソコンを回収・処分してもらう6つの方法

パソコンを処分するには、「引き取り」「買取り」「譲渡」といったいくつかの手段があります。パソコンの年式や状態によって選べる処分方法が変わってきます。

具体的な方法としては以下の6つに分けられます。

・製造メーカーに回収してもらう
・新品購入時に下取りしてもらう
・中古パソコン店で買取してもらう
・自治体の回収ボックスを利用する
・リサイクル業者に回収してもらう
・個人売買で販売する

それぞれ詳しく解説していきますので、パソコンの状態や手続きの手間などを考えて選んでみてください

製造メーカーに回収してもらう

[ 料金 ]

製造メーカーで回収してもらう場合、料金は有料の場合と無料の場合があります。その区別は、「PCリサイクルマーク(上記画像参照)」が貼ってあるかどうかです。

2003年のパソコンリサイクル法施行以来、新しく購入するパソコンにはPCリサイクルマークが貼ってあります。

PCリサイクルマークがあれば回収費用はかかりません。また送料に関しても、メーカーにて「エコゆうパック」というパソコンリサイクル用のサービスの指定があり、それを利用すれば着払いで送れますので不要です。

参照:日本郵便 パソコン回収について

しかし、PCリサイクルマークのないパソコンの場合は、「回収資源化料金」として費用が必要です。各メーカーホームページに回収料金が記載してありますが、基本的にはデスクトップパソコン本体やディスプレイ、ノートパソコン本体がそれぞれ3000円程度からです。

ブラウン管を使用したディスプレイや一体型パソコンだと、4000円程度になります。有料での回収の場合も、送料は上記同様「エコゆうパック」の利用でかかりません。

[ 方法 ]

メーカーにて回収してもらう場合には、いきなり送りつけてはいけません。きちんと回収依頼を出してから発送する必要があります。

手順としては、

①ホームページやサポートセンターから「パソコン回収」の手続きを行う
②料金がかかる場合はクレジットカードまたは郵送される振込用紙を使って振り込む
③送られてきた「エコゆうパック」伝票を梱包箱に貼り付け、郵便局に持ち込むか集荷依頼を出して発送

といった流れになります。

メーカーのホームページからは回収受付窓口を探しにくい場合があるので、ブラウザの検索窓に「メーカー名 リサイクル受付センター」または「メーカー名 カスタマーセンター」と入力して検索した方が早いでしょう。

回収手続きの際には、製品の年式と型番とPCリサイクルマークの有無が確認されますので、事前に用意しておきましょう。

[ 注意点 ]

メーカー回収では以下のことに注意してください。

・原則一度の申し込みで一台のみ
・他社製品は不可
・回収対象は「本体」とキーボードなどの「添付品」のみ
・プリンターなどの添付品以外のものを同梱した場合は返却される
・返却されるものは着払いとなり費用がかかる
・改造品は不可
・データ削除は自分でしておく必要がある
・エコゆうパック伝票が届くまでに一週間ほどかかるので引越し直前などは避けた方が良い

メーカー引き取りは正規の処分方法ですので安心です。PCリサイクルマークがあれば完全に無料で引き取りをしてくれますので、該当の方はメーカーホームページを確認して申し込みをされてください。

もしも購入したパソコンのメーカーが倒産していたり、パソコン事業から撤退している場合にはメーカーでの引き取りが出来ません。そういった場合には「パソコン3R推進協会」にてメーカーと同様に引き取ってもらえます。そちらのホームページをご覧ください。

参照:一般社団法人 パソコン3R推進協会

新品購入時に下取りしてもらう(家電量販店・メーカー)

[ 料金 ]

新しくパソコンを購入するときに、使わなくなったパソコンを下取りに出すことで回収してもらう方法もあります。

下取りの料金はパソコンのシリーズや年式、状態によって上下します。詳しい金額は量販店やメーカーにお問い合わせください。

また、年式が古いものや改造されているもの、付属品がついていないものの場合には下取り金額が0円と提示されたり、下取り(回収)不可の場合もあります。

[ 方法 ]

下取りはヤマダ電機でパソコンを新調するときや、東芝やAppleなどメーカーのウェブサイトでパソコンを購入するときなどに利用ができます。

しかし、全てのメーカー・量販店が行なっているわけではありませんので注意が必要です。
そのため、まずはメーカーホームページや量販店にて下取りサービスがあることを確認してみてください。

下取りの流れはメーカーや量販店によって異なりますが、東芝での下取りの場合は以下のような流れになります。

①ホームページにて本体を購入する
②「商品発送のお知らせメール」内に記載された下取りサービス案内のURLにアクセスし、申し込む

参照:Dynabook Directパソコン下取りサービス

③回収業者がパソコンを集荷に来る
④メーカーにて査定。査定額に同意すれば後日振込み

メーカーや量販店によっては事前にネット上で予想見積もりを出せるところや、直接パソコンの持ち込みができるところもあります。

[ 注意点 ]

・全てのメーカー・量販店がやっているわけではない
・回収できるパソコンに条件があり、回収してもらえない場合もある
・WEB見積もりと実際の査定額が変わることもある
・専用の箱やOSのリカバリディスクなど初期同梱品がないと減額になる
・申し込みには「購入前」や「購入後1ヶ月以内」など期限がある

  

中古パソコン店で買取してもらう

[ 料金 ]

ソフマップ、ドスパラ、パソコン工房など中古のパソコンを取り扱うショップでは買取も行っています。

買取金額は年式・状態・スペック等により変わりますが、さらに同じ商品でも店舗によって金額に差があります。多くの店舗ではネット上での見積もりもやっていますのでそれらを参考にして買取依頼店舗を決めると良いでしょう。

新しく状態の良いものであれば高値で売れることもあります。しかし、店舗が定める買取対象商品に入っていない場合や、壊れていて値段がつかないものの場合、逆に引き取り代金がかかってしまったり返送となることもあります。

また、買取価格1万円以上で送料無料といった料金設定が多く見受けられます。パソコンの送料は後述しますが、約2000円から4000円ほどかかります。場合によっては送料が買取価格を上回って、結局損してしまう可能性もありますのでご注意ください。

[ 方法 ]

買取には、直接ショップに持っていく「持ち込み買取」と、宅急便で送る「宅配買取」の2つの手段があります。近くにショップがあれば持ち込みも可能ですが、いずれにせよホームページや電話にて買取申し込みをしてからとなります。

例としてパソコン工房での買取手順は以下のような流れとなります。

①WEBから申し込み
②パソコンと身分証を梱包して集荷を待つ
③ショップに到着後、査定
④買取金額がメールで来るので、同意すれば後日入金

[ 注意点 ]

・買取金額が基準に達しないと送料がかかる
・買取できるパソコンに条件があり、買取不可の場合もある
・WEB見積もりと実際の査定額が変わることもある
・専用の箱やOSのリカバリディスクなど初期同梱品がないと減額になる
・パソコンは再販売されるので、可能な限りデータは消しておいた方が良い

自治体の回収ボックスを利用する

[ 料金 ]

2013年に施行された小型家電リサイクル法により、市区町村では小型家電の回収ボックスを設置しています。一般ごみとしての排気はできないものの、回収ボックスを利用すればゴミとして出すことができます。
料金は無料です。

[ 方法 ]

小型家電リサイクルポータルサイトでは、お住いの地域のどこに回収ボックスがあるかを確認することができます。

その場所に設置してある回収ボックスにパソコンを入れるだけで処分が完了します。

参照:環境省  小型家電リサイクルポータルサイト

[ 注意点 ]

・基本的には一辺が30cm以下のものに限る
・自治体の回収前に盗難の可能性もある
・そのためデータの削除は必須
・自治体以外に非認可業者による回収ボックスもあるので注意が必要

リサイクル業者による無料回収

[ 料金 ]

インターネットでパソコンの回収を検索すると、無料回収を謳う多くのリサイクル業者が出てきます。
申し込み手続きが不要で、パソコンを詰めて送るだけという手軽さから利用する方も多いようです。

しかし、業者によっては回収費用・送料は無料と言いながらも「リサイクル料」や「事務手数料」などの名目で料金が発生するところもありますので注意が必要です。

[ 方法 ]

利用方法は業者によって異なりますが、申し込み不要の場合はダンボールにパソコンを入れて送るだけです。エリアによっては自宅まで回収に来てくれる業者もいますので、その場合は梱包も不要です。

[ 注意点 ]

・回収無料を謳ってその他の名目で料金を徴収する詐欺も存在する
・正規の処分方法ではない
・そのためデータはしっかりと消去しておく必要がある

個人売買で販売する

[ 料金 ]

オークションサイト「ヤフオク」やフリマアプリ「メルカリ」などを使って譲渡販売する方法もあります。

パソコンの出品も多く、同名または同スペックのパソコンの相場を見て値段をつけて販売します。売れれば代金が入りますが、必ずしも売れるわけではありません。

送料は着払い設定にすればかかりませんが、購入のハードルを高くしてしまいます。それならば、送料を含んだ価格設定にして発払いとすることで購入されやすくなるでしょう。

[ 方法 ]

上記WEBサービスを使った基本的な売買方法は以下の通りです。

①アカウントを作る
②商品写真・商品説明を入力し、値段をつけて出品する
③購入者が現れれば発送手続きを行う
④購入者が受け取り後、WEBサービス上で売り上げ金額の振込依頼をする

[ 注意点 ]

・個人売買は説明の不備などによるトラブルも多い
・売れるまでは処分できない
・見知らぬ人が直後に使うことになるので、データの消去は不可欠

ご覧いただいたように、パソコンを処分するための方法には、違法性のあるものやトラブルに巻き込まれかねない方法も存在します。そのため、基本的には「メーカーでの回収」や「自治体の回収ボックス」といった正規の方法での処分をおすすめします。

パソコンの梱包と発送はどのように行うの?

[ 梱包 ]

パソコンを回収・買取してもらうにあたり、梱包して発送をする必要があります。
精密機械であるパソコンはしっかりとした梱包を行う必要があります。買取や個人売買でのトラブルや査定金額減につながってしまいますので発送は特に気をつけなければなりません。

では、パソコンの梱包はどのように行うことが正解なのでしょうか?

パソコンの梱包で重要なポイントは、「パソコン本体に衝撃を与えないこと」です。

購入時の箱があれば一番良いのですが、すでに処分してしまっている場合にはエアパッキン(ぷちぷち)と新聞紙、発送物のサイズ+縦横5cmほどのダンボールを用意します。

発送物のサイズというのは、パソコンだけでなくアダプタやキーボードを含めたサイズということです。
エアパッキンやダンボールはホームセンターや百円ショップで購入できます。ダンボールはスーパーなどの店舗によっては山積みにされているものをもらうこともできます。

揃いましたら、以下の手順で梱包・発送を行います。

①パソコン本体と同梱物をそれぞれエアパッキンで2周以上巻く
②ダンボールを用意し、丸めた新聞紙を敷いた上に発送物を入れる
(ノートPCの場合は天板側が弱いので、底面側に同梱物を入れる)
③左右と腰部に新聞紙を丸めて敷き詰め、揺すっても動かないようにする
④剥がれにくい布テープなどで梱包する
⑤送り状を貼り付けて発送

もしこうした手間が煩わしければ、ヤマト運輸などでパソコン発送用のダンボールを購入することもできます。サイズによって値段は変わりますが、ノートパソコン用で670円~で購入できます。(2021年3月時点の金額です)

[ 発送 ]

梱包ができたら、宅配業者を利用して発送を行います。ヤマト運輸では「パソコン宅急便」というパソコンの発想専用のサービスがありますのでそうしたものを利用すると良いでしょう。

参照:ヤマト運輸 パソコン宅急便

発送には「営業所へ持ち込む」か「集荷に来てもらう」の二種類があります。営業所へ持ち込みの方が割引が利くこともあります。

送料は、受付エリアと配送エリアの距離によって変動しますが、

・ノートパソコンなどの入る100サイズが1500円+専用ボックス〜
・デスクトップパソコンなどの入る140サイズが1960円+専用ボックス〜

となっています。詳しい料金は宅配業者のホームページや営業所にてご確認ください。

送料自己負担の場合は、処分するのに安くても1500円ほどかかってしまうのです。その点からも、メーカー回収や自治体の回収ボックスに直接入れるという方が負担は少なくて済むでしょう。

不要なパソコンの回収は正しい方法を使う方がベターです

パソコンの回収方法と梱包方法、料金について見てきました。

様々な種類がありますのでどの方法で処分しようか悩まれる方もいらっしゃると思います。

正規の処分をしたい方には「メーカー引き取り」「自治体回収」がおすすめです。
不要パソコンを少しでもお金にしたい方は「個人売買」「中古ショップ買取」「下取り」を選んでみても良いかと思います。

参照:環境省 小型家電リサイクルポータルサイト

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

トップへ戻る