パソコンを郵送・配送する際に気を付けるべきこと
パソコンを修理センターなどへ送らなくてはならないとき、自分で直接届けられない場合は宅急便や郵便を利用することになります。
しかし、パソコンは精密機械のため、梱包の仕方によっては輸送中にパソコンが故障してしまう恐れがあります。
そこでこの記事ではパソコンを送る手段はどのようなものがあるのか、またパソコンを送る際に気を付けるべきこととはなにかをご紹介します。
パソコンを送る手段は何がある?
一般的にパソコンを送る手段としてよく利用されているのは、
・ヤマト運輸の「パソコン宅急便」
・日本郵便の「ゆうパック」
上記の二つです。
それぞれどのような違いがあるのかご説明していきます。
ヤマト運輸の「パソコン宅急便」を利用する
ヤマト運輸の「パソコン宅急便」はパソコンの配送はもちろんですが、プリンターやデジタルカメラなどの周辺機器の配送も行ってくれるサービスです。
セールスドライバーが専用のボックスで梱包を行ってくれるため、自分で梱包をする手間がかかりません。
ただし専用のボックスは100サイズでは670円(税込)、140サイズでは1,360円(税込)、160サイズでは1,520円(税込)からと、普通のダンボール箱よりも値段が高いです。
専用ボックスではなく自分で用意した箱を使用して配送してもらうことも可能ですが、その場合は梱包作業を自分で行わなくてはなりません。
(※100サイズとは、箱の縦と横と長さの合計が100センチメートル以内ということです。
同様に140サイズは140センチメートル以内、160サイズは160センチメートル以内となります。)
利用料金は、たとえば東京から発送して大阪へ届けたい場合100サイズでは1,500円(税込)、140サイズでは1,960円(税込)、160サイズでは2,180円(税込)になります。
ただし、この料金は専用ボックスを使用しない場合の値段です。
専用ボックスを使用する場合はその分料金が追加されます。
少しでも料金を安くしたいのであれば、割引サービスを利用するとよいでしょう。
ヤマト運輸の直営店やコンビニエンスストアへ持ち込みを行うと荷物1つにつき100円引きになります。
またクロネコメンバーズに加入している場合はヤマト運輸の直営店へ持ち込むと150円引きになりますし、「お届け完了eメール」などの限定オプションも利用できるため加入しておくと便利です。
※弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。
日本郵便の「ゆうパック」を利用する
ゆうパックとは日本郵便が提供している荷物運送のサービスです。
ゆうパックの最大の利点は、料金が安いということです。
さらに、割引サービスを利用すればより安い料金にすることができます。
郵便窓口への持ち込みを行うと荷物1つにつき120円割引です。
ゆうパック用の箱も販売されており最も大きな箱でも380円(税込)のため、パソコン宅急便用の箱よりもかなり値段が安いです。
ただし、ゆうパックはパソコン専用のサービスではないため、販売されている箱は精密機械専用のものではありません。
そのため自分で緩衝材を用意して、故障しないようにしっかりと梱包しなければなりません。
また「こわれもの」のシールを貼ったり、送り状にも「こわれもの」や「精密機械」の注意書きをしたりなど、精密機械が箱の中に入っているとわかるようにしておく必要があります。
※弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。
ほかの手段はある?
パソコンなどの精密機械を送る手段としては、佐川急便の精密機器輸送サービスやJITBOXチャーター便というものがありますが、販売対象は法人のみですので個人では利用できません。
個人でパソコンを送りたい場合は普通の宅急便を利用するか、自分で運ぶしかありません。
ヤマト運輸や佐川急便などの普通の宅急便を利用する場合、パソコン宅急便のような専用ボックスはありませんし、梱包も自分で行わなければなりません。
そのうえ、ゆうパックよりも数十円程度ですが利用料金が高いです。
そのため、発送地から届け先までの距離が近いのなら自分で運ぶのが一番安全で費用も安いですが、自分で届けられないほど遠い場所へ送るのならパソコン宅急便かゆうパックのどちらかを利用するほうがよいでしょう。
事前に準備しておくべきこと
パソコンの梱包や発送を行う前に、準備しておくべきことがあります。
事前準備はパソコンの内部パーツやデータなどを守るために必要な作業ですので、必ず行っておきましょう。
データのバックアップを取る
パソコン宅急便やゆうパックなどの配送サービスでは配送中に荷物が破損した場合に補償を受けられることがありますが、パソコンのデータは補償の対象外です。
そのためパソコンを発送する前に、必ずデータのバックアップをとっておきましょう。
バックアップとは、データをコピーして別の記録媒体に保存しておくことです。
バックアップを取っておけばパソコンのデータが消えてしまっても元に戻すことができます。
外付けドライブなど、パソコン本体とは別の場所に保存しておくとよいでしょう。
普段からバックアップを取っておけば、故障でデータが消えてしまった場合だけでなく、新しいパソコンに買い替えなければならない場合でも簡単にデータを引き継ぐことができます。
パソコンの動作確認を行う
梱包をする前にパソコンの動作確認も必ず行っておきましょう。
もし動作確認を行わないまま発送してしまうと、届け先に着いたパソコンが故障していた場合、配送中にパソコンが故障したのか、もともと故障していたのか分からなくなってしまいます。
そのため動作確認を行っていないと、配送中にパソコンが故障したとしても補償の対象外となってしまう可能性があります。
パソコンを発送する前には必ずパソコンが正常に動作しているか、破損している部分はないかなど、念入りに確認するようにしましょう。
動作確認を終えたらパソコンの電源を落とし、付属品は取り外しましょう。
配線などの付属品が接続されたまま梱包すると、配送中の衝撃や振動で付属品が外れ、パソコンや付属品の故障に繋がる可能性があります。
必ず付属品は取り外した状態で梱包するようにしてください。
リチウムイオン電池を内蔵しているか確認する
ノートパソコンの場合、内蔵バッテリーにリチウムイオン電池が使われているかどうか確認してください。
リチウムイオン電池の場合、内蔵バッテリーに「Li-ion」の表記があります。
リチウムイオン電池は普通の使用環境では問題ないのですが、高温な場所での保存や経年劣化した状態での放置など、使用状況によっては発煙や発火といったトラブルを引き起こす可能性があります。
リチウムイオン電池は陸路での輸送ならそのまま発送できます。
しかし、航空での輸送の場合は発火などによる事故を防ぐために、リチウムイオン電池単体では航空輸送できないなどの制限があります。
そのため、発送の際にはリチウムイオン電池が内臓されていることを申告し、航空での輸送の条件に満たしているか確認してもらうとよいでしょう。
パソコンの梱包において注意すべきこと
次に、パソコンの梱包作業において注意しなければならないことをご紹介します。
精密機械であるパソコンは振動や衝撃に弱いです。
トラックでの輸送は普通の自動車よりも振動が大きいため、パソコンが故障しないようにしっかりと梱包しておく必要があります。
梱包材・緩衝材の用意
まずはパソコンを梱包するための箱を用意しましょう。
パソコンを購入したときの箱があれば、その箱を使用してください。
購入したときの箱がない場合はパソコンよりも一回り大きなサイズの箱を用意しましょう。
またダンボールや梱包材の専門販売サイトでは、精密機械専用の発送ボックスを販売しているところもあります。
専用のボックスは弾力のあるフィルムやクッションがあらかじめ備わっているため、緩衝材を用意する必要がありません。
普通のダンボール箱を利用する場合は緩衝材を用意しましょう。
パソコンの廃棄が目的で発送する場合は緩衝材は不要ですが、それ以外の目的であればできるだけ配送中にパソコンに衝撃が伝わらないようにしなければなりません。
緩衝材は新聞紙や厚手のタオル、気泡緩衝材など、クッションになりそうなものを使用してください。
パソコンや付属品を保護する
パソコン本体をそのままの状態で箱に入れると、配送中に故障してしまう恐れがあります。
そのため。パソコン本体を保護しておく必要があります。
厚手のタオルや気泡緩衝材などでパソコンを包んでおきましょう。
デスクトップパソコンの場合は液晶画面が割れないよう、緩衝材で液晶部分を保護しておいてください。
また、バッテリーやケーブルなどの付属品も同じように梱包しておきましょう。
緩衝材で隙間を埋める
パソコンがダンボールに触れる状態のまま発送してしまうと、配送中に揺れた際にパソコンに衝撃が加わってしまいます。
パソコンがダンボールに触れないよう、パソコンとダンボールの隙間を緩衝材で埋めなければなりません。
まずは下からの衝撃から耐えられるようにダンボール箱の底に緩衝材を敷きます。
緩衝材を敷いたらパソコンを中央に置き、周辺機器も一緒に箱に入れます。
そして、パソコンの周囲に緩衝材を詰めて、ダンボールとの隙間を埋めていきます。
ダンボール箱を揺らしてもパソコンが動かない状態が理想です。
次に、パソコンの上に緩衝材をかぶせます。
パソコンとダンボールの蓋部分に隙間ができないように緩衝材を敷き詰めてください。
これで上からの衝撃からパソコンを守ることができます。
ガムテープでしっかりと閉じる
ダンボール箱にパソコンと緩衝材を詰めたら、最後にガムテープでしっかりと蓋を閉じましょう。
画像のように箱の中央と左右の3か所に貼ると、効果的に強度を高めることができます。
また、蓋の部分だけでなく、底側にも同様にガムテープを貼ります。
パソコンなどの重いものが入っていると箱の底が抜けたり破損したりすることがあるため、底面も補強しておかなければなりません。
まとめ
パソコンを送る手段と、郵送や配送をする際に気を付けることについてご紹介しました。
パソコンを送る際に最も気を付けなければならないのは梱包作業です。
値段は高いですが、ヤマト運輸のパソコン宅急便の専用ボックスを使用するのが最も安全性が高いです。
普通のダンボール箱を使用するのもよいですが、その場合は配送中の衝撃でパソコンが故障しないよう、梱包をしっかりと行うようにしましょう。