古いパソコンから新しいパソコンへ、データ移行の方法は?
パソコンを買い替えたとき、行う必要があるのがデータ移行です。
現在使用している古いパソコンから、新しく購入したパソコンに必要なデータを移行させなければなりません。すべてを移行させる必要はありませんが、どうしても必要となるデータについては取りこぼしがないように扱う必要があります。
それでは、データ移行を行う場合にはどのような方法があるのでしょうか。ここではパソコン初心者の方でも行える方法をいくつか紹介します。
今回紹介するのは基本的にWindows(ウィンドウズ)のパソコンを使用している場合のものです。Macintosh(マッキントッシュ)のパソコンを使用している場合については同様の方法ではデータ移行を行うことができないため、予めご了承下さい。
ウィンドウズ8以前のパソコンへのデータ移行
データ移行を行いたい古いパソコンで使用されているOS(オペレーティングシステム)が、ウィンドウズ8以前のものの場合について紹介します。
この場合は、ウィンドウズに標準搭載のウィンドウズ転送ツールというアプリケーションを使用することで簡単にデータ移行が行えます。
ウィンドウズ転送ツールを起動すると、どのようなデータを転送するのかを選択することになります。その後は画面上の表示に従って進めていくだけでデータ転送を行うことが可能です。
これはネットワークを使用して行う方法のため、古いパソコンと新しいパソコンをLANケーブルで接続する必要があります。無線LANを使用した転送も可能ではありますが、無線LANは有線LANに比べるとデータ転送速度に制限がかかることになるため、大容量のデータを移行させたい場合には有線LANを用意したほうが時間を節約できます。
この際使用するケーブルはストレートケーブルでもクロスケーブルでも問題ありません。
ただし、クロスケーブルは2台以上のパソコン間を機器不要で接続できるため、より簡単です。
他にも、LANケーブルよりは高価ですが、USB接続でデータ転送ができるケーブルも販売されています。
ただし、このウィンドウズ転送ツールを使用しても、使用しているオペレーティングシステムの種類によっては使用できないケースがあります。まず、ウィンドウズ7以降のパソコンに対して、それ以前のパソコンからデータ転送を行いたい場合、専用のツールが必要です。
こちらはウィンドウズの発売元であるMicrosoft(マイクロソフト)のサイトからダウンロードできるようになっているため、こちらからご用意ください。
また、ウィンドウズXPやVistaなどのバージョンから、ウィンドウズ8.1に対するデータ転送を行いたい場合にはウィンドウズ転送ツールを使用できません。
もう1つネックとなるのが、最新のウィンドウズであるウィンドウズ10に対しては、ウィンドウズ転送ツールを使用したデータ転送を行うことができません。
それでは、ウィンドウズ10に対してのデータ転送はどのように行えるのでしょうか。
ウィンドウズ10に対するデータ移行の方法
ウィンドウズ10のパソコンに対するデータ移行は、最初からインストールされているデータ転送ツールを使用することができないため、別途ツールを用意する必要があります。
最初からインストールされているものではないものの、ウィンドウズの公式で使用することができるツールはあります。
そのツールはマイクロソフトの公式サイトからダウンロードができます。まずはマイクロソフトのアカウントを取得し、ログインする必要があります。
その上で、マイクロソフトのサイト上にある「以前の製品」という一覧から、「Windows8 Enterprise」というソフトを捜してダウンロードしてください。
これがウィンドウズ10に対してもデータ転送を行うことができるツールです。
このソフトをダウンロードすると、フォルダの中に実行ファイルがありますので、これを起動します。
するとどのような方法でデータ転送を行うのかを聞かれるため、使用するデータ転送の方法を選択してください。
LANケーブルでの接続を行っている場合は、「ネットワークを使用したデータ転送」を選択すると対応可能です。
ウィンドウズ転送ツールを使用する方法は、公式から提供されているもののため安心して使用することができるのが大きなメリットです。
その反面で転送速度はそれほど高速ではないために時間が掛かってしまいます。細かくどのようなファイルを転送したいのか、を選択することが難しい点はデメリットです。新しいパソコンへ移行するにあたって、移動させるデータを選別したい場合などには適していません。
この他にも、データ移行には方法があります。
手動でのバックアップを使用してデータを移行させる方法
データ移行を行うための方法として、ファイル選別を行いたい場合に適しているのが、手動バックアップを使用する方法です。
この方法を使用する場合は、外付けのハードディスクやUSBメモリのような外部記録媒体を用意する必要があります。
用意する外付けストレージの容量は、移行させたいデータを保存できるだけのものでなければなりません。
昨今ではこれらはかなり安価になっており、テラバイト単位の容量を持っているものでも1万円しない価格で購入できます。データ移行に使用した後にも外部ストレージとして使用できることを考えれば、併せて購入することは大きなデメリットとはなりません。
ウィンドウズ転送ツールを使用する場合と違って、古いパソコンと新しいパソコンでそれぞれ操作を行う必要があります。そのため、古いパソコンの起動環境についても残しておいて作業を行わなければならない点には注意してください。
転送用の記録媒体を用意したら、まずは古いパソコンから移行させたいデータを選び、これをハードディスクにコピーします。ウィンドウズバックアップツールを使用することでバックアップを取るという形でエクスポートすることができるため、これを使用するのが簡単です。
また、FastCopyというデータ転送用のツールを使用することもできます。これはフリーウェアとしてインターネット上でダウンロードできるアプリケーションです。
その名の通りデータ移行を行うのに比べて高速でコピーを行うことができます。
さらに、どのフォルダをバックアップするのかを細かく選択できるため、データ移行を目的として使用するのにも適しています。
こうして古いパソコンから転送したいデータをハードディスクに移したら、今度は新しいパソコンにこのハードディスクを接続します。ハードディスク上に保存されているデータを移行させれば完了です。
この方法は簡単に使用できますが、パソコンの設定などを引き継ぐことができるものではないため、あくまでも「データだけ」を移行したい場合のものです。
新しいデータ移行の方法、クラウドストレージを使う
最後に紹介するのは、クラウドストレージを使用する方法です。
クラウドストレージというのは、クラウド上、つまりインターネット上にデータを保存することができるサービスです。よく使用されているものとしては、iCloudやDropbox、GoogleDriveなどがあります。
それぞれのクラウドストレージによって保存することができる容量や利用料金などに違いがあります。データ移行を行いたいデータの容量などを参考にして選択しましょう。
クラウドストレージを使用したデータ移行は簡単に行うことができます。まず、それぞれのクラウドストレージサービスに移行させたいデータをコピーします。そして新しいパソコン側から同様にクラウドストレージにアクセスして、そのデータをダウンロードするだけで良いためです。
データ移行を行いたいタイミングになって全てを移動させるのではなく、普段からバックアップをしておくことで、よりスムーズに移行が完了できます。
この方法のメリットは、複数のパソコンから新しい1つのパソコンにデータ移行が容易なことです。
それぞれのパソコンに対してハードディスクを繋ぐ、といったような準備を整える必要がなく、手順を省略できます。
インターネットに接続できれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどからでもデータ転送を行うことが可能です。
対してデメリットは、大容量のデータを保存したい場合には有料になることが多いことです。
例えばDropboxの場合、2ギガバイトまでしか無料で使用することができません。
これはデータ移行のことを考えるとまったく十分なデータ容量とは言えないでしょう。有料版にアップデートすることで2テラバイトまで使用できるようになるため、十分にデータ移行目的で使用できるようになります。
そしてもう1つデメリットとなるのは、データの転送速度がインターネットの回線速度に左右されることです。大容量のデータを転送する関係上、ナローバンドでの転送を行うのにはかなり長い時間をかけることになります。ブロードバンド回線でない場合は、ハードディスクを使用した物理的な方法をとる方がおすすめです。
データ移行についてのまとめ
最後に、古いパソコンから新しいパソコンへのデータ移行についてのまとめを紹介します。
データ移行については複数の方法があり、ネットワークを接続することによって直接移行をする方法であれば、設定ごと引き継がせることが可能です。
公式のアプリケーションで行うために安心感もあります。
ハードディスクなどを使用して手動でバックアップする方法は、ツールを使わずとも簡単にできる点に優れています。
また、インターネット回線の速度が十分ならクラウドストレージを使用するのも効果的です。
パソコンや回線の環境によっても適した方法に違いがあるため、各方法のメリット・デメリットを考えて選択してください。