スイッチングハブで何ができる?使い方から選び方がわかる基礎講座

スイッチングハブで何ができる?使い方から選び方がわかる基礎講座

「ハブ?スイッチングハブ?それってなんなの?」
「ハブを使うと何ができるの?」
「ハブを買おうと思っているけどどういう基準で選べばいいの?」

この記事はそんな疑問を持つあなたに向けた記事です。

この記事の中では、ハブとはなんなのか、ハブを使うと何ができるのか、ハブに関する用語の解説や使い方、ハブを選ぶ時のポイントについて紹介します。

この記事を読み終えるとハブについての知識が付き、ハブ選びに迷うことがなくなります。

基礎中の基礎!そもそもハブとはなんなのか

ハブはネットワークにおける中継地点を担う機械です。
似たような機械にルーターがありますが、明確な役割の分担がされますので、それらの説明からハブの種類について説明します。

ルーターとハブは何が違う?

ルーターはインターネットに接続するための出入り口となる機械で、ハブはその出入り口に到達するまでの道を複数用意するための機械と覚えましょう。

インターネットに接続するための出入り口というと「モデム」という機械についても聞いたことがあるかもしれません。
最近ではモデムとルーターが1つの機械に統合されている事が多いため、一般家庭においてはモデム=ルーターと覚えても問題ありません。

ハブと一言でいっても種類が多い?

ハブについてインターネット上で調べてみるとさまざまな名前があり、どんな違いがあるのか疑問が増えてしまいがちです。
ハブの種類について同じ機器を指す名称をまとめ、それぞれの説明を表にしました。

名称 説明
ハブ
スイッチングハブ
ネットワークハブ
現在では、ハブといえばスイッチングハブ、ネットワークハブのことを指します。
一般的に市販されているハブは、これらの機器のことを指しています。
バカハブ(馬鹿ハブ)
シェアードハブ
リピータハブ
10年以上前のハブの名称です。
スイッチングハブと比べて性能が低く、ネットワークの処理に無駄が多いハブであるため、現在はほとんど使われていません。
インテリジェントハブ 厳密にはハブではなく「L2スイッチ」などと表されます。
「スイッチ」と名前がついていますが、スイッチングハブとは別物です。

インテリジェントハブについてもう少し説明すると、名前の通りインテリジェント(高い知能、性能)を持ったハブのことを指しています。
スイッチングハブと比べて搭載している機能が多く、VLANと呼ばれる仮想ネットワークの構築ができる機能や、インテリジェントハブ自体の状態をリモートで監視するための機能がついていたりします。
業務用に作られた機械であり、一般家庭においてはインテリジェントハブを使用することはほとんどありません。

覚えておきたいハブに関する用語

ハブのパッケージや機能説明によく記載されている用語で、それぞれがどのような事を意味するのかを知っておけば、ハブを選ぶ際に役立ちます。

Ethernet規格とは?

コンピュータネットワーク規格の一つで「イーサネット規格」と読みます。
ネットワークに接続するときの通信速度の決まり事だと思ってもらえれば良いです。
下位互換があるため、例えば1000Base-Tに対応していれば10Base-Tや100Base-TXにも対応できます。

10Base-T

対応通信速度は10Mbpsです。
現在ではほとんど見られない規格ですが、100Base-TXと合わせて「10/100Base-TX」などと記載されていることがあります。

100Base-TX

対応通信速度は100Mbpsです。
一昔前の主流規格で古い機器を使用している場合は、この規格までしか対応していない可能性があります。

1000Base-T(Giga、ギガビット)

対応通信速度は1,000Mbpsです。
現在の主流規格で1,000Mbps=1Gbpsと考えて良いです。最近購入した機器であれば、ほとんどが対応している規格になります。

スイッチファブリングとは?

ハブが1秒間に処理できる通信量の合計の指標で、複数の機器をハブに接続する場合は、スイッチファブリングの値以内に収めましょう。
スイッチファブリングの値以上の通信量はハブが処理できず、通信が遅くなる原因になります。

必要なスイッチファブリング値は大まかに計算することができ、例えば、1Gbpsでパソコンを3台接続する場合の計算は以下のとおりです。
「1(Gbps)×3(パソコン3台)×2(上りと下り)=6Gbps(最大値)」
スイッチファブリングの値は6Gbps以上が必要と考えます。

PoEとは?

「Power of Ethernet」の略で、LANケーブルを通じてコンセントがなくても電力の供給を確保するための規格で、PoE対応機器とPoE対応LANケーブルを使うと、コンセント不要で使用することができます。

PoE対応機器の代表的な例はネットワークカメラが挙げられ、PoE対応ネットワークカメラをPoE対応ハブとLANケーブルで繋げると、ネットワークカメラはコンセント不要で稼働できます。

ループ検知機能とは?

ループとはハブ同士を繋げてネットワーク環境を作る場合などに起こる通信不能となる事象のこと。ループ検知機能に対応しているハブは、その事象が発生する前に検知して通信不能となることを防ぐことができます。

ハブ同士を複数つなげる事を考えていなければ、特に気にする必要はありません。

オートネゴシエーションとは?

ハブやルーターなどのネットワーク機器とパソコンなどの機器の間で、Ethernet規格のどの規格を使用するのかを自動的に相互選択する機能のことです。

Ethernet規格は下位互換がありますが、どの規格を使用するのかを決めないと通信ができません。
例えば、1000Base-Tに対応したハブと100Base-TXにしか対応していない機器を接続する場合、オートネゴシエーションに対応したハブ側で接続機器が100Base-TXであることを検知して、お互いに100Base-TXを使って通信することを自動的に選択します。

オートネゴシエーションに対応していないと、双方の機器に100Base-TXを使用することを人間の手で設定しないといけませんが、現在市販されているハブでオートネゴシエーションに対応していないハブは見かけないため、あまり気にしなくても問題ありません。

ジャンボフレーム対応とは?

Ethernet規格における一回で送信することができるデータの大きさが、ギガビット(1Gbps)に対応していることを表しています。
「ギガ対応」などと記載されているハブでは、標準的に記載されています。

ジャンボフレーム対応と書いてあれば「1000Base-T(ギガ)で通信するためのデータ転送が最適化されているんだな」という程度に考えておけば問題ありません。

ネットワーク構築で活躍するハブの使い方

ハブをどのように使えばよいのか、状況別に使い方の例を紹介します。

ルーターのLANポートが不足している

インターネットに繋げたい機器が複数ある場合、ルーターのLANポートが不足することがあります。
ハブを利用する最も一般的な理由で、ハブとルーターを繋げることで解決します。

ルーターと違う部屋に複数配線をしたい

複数の部屋がある家の場合、ルーターが設置されている部屋と違う部屋に複数配線をしたいと思うことがあります。
直接ルーターから複数のLANケーブルを接続しても良いのですが、LANケーブルが入り乱れて煩雑になってしまいがちです。

そこでルーターとハブを繋げて、ハブから分配することでLANケーブルの配線がスッキリします。

ハブ同士をつなげてネットワーク広げたい

一般家庭ではあまり行われることは無いと思いますが、ハブの使い方の一つとして紹介します。
ハブ同士を繋げることでネットワークを広げることができ、さまざまなネットワーク環境を作成することができます。

ハブ同士をLANケーブルで繋いだ時に「輪」が出来上がるとループ状態になり、通信ができなくなるため、ハブ同士をつなげる際は注意が必要です。

これだけは覚えておく!ハブを選ぶときの2つのポイント

ハブを選ぶときの2つのポイントは「ポート数」と「Ethernet規格」です。
スイッチファブリックは、最近のギガ対応のハブであれば「ポート数の2倍(Gbps)」となるよう設計されているため、重要視すべきポイントはこの2点となります。

ポート数は8ポートがおすすめ!

ハブを選ぶ際に最も重要視すべき項目は「ポート数」です。
ハブに何台接続するつもりなのかを考えて、余裕を持ったポート数のハブを選択しましょう。

ポート数が多い分には問題ありませんが、少ないと買い直しや買い足しする事になってしまいます。
ポート数は5ポート、8ポート、12ポート、16ポートのハブが多く、8ポートのハブを選択しておけば、よほどのことがない限りポートが足りなくなることはないでしょう。

Ethernet規格は「ギガ対応」を選ぶ!

必ずギガ対応しているハブを選びましょう。
現在市販されているテレビやパソコン、ゲーム機はほとんどがギガ対応しています。
ギガ対応していないハブは、通信速度が10分の1以下となってしまい、せっかくギガ対応している機器を使っているのに「なんだか通信速度が遅い」ということになってしまいます。

「Giga」「ギガビット」「1000Base-T」などの記載があるハブが、ギガ対応のハブです。

余裕があれば「素材」と「ファン」も確認する

ハブを選ぶ基準は前述した2つのポイントだけでいいのですが、余裕があれば素材とファンについても確認してみましょう。

素材は金属とプラスチックの2つに分かれていて、金属のほうが放熱性能がよく安定感がある反面、価格が高くなりがちです。
プラスチックのハブは安価で軽いので、設置場所を選ばない特徴があります。
同じ8ポートのハブでも、素材が金属だと3,300円程度、プラスチックだと1,980円程度になります。

ファンは有り無しを選択することができ、ファン有りは放熱性能が良くなりますが消費電力が大きくなり、音がうるさくなりがちです。
ファン無し(ファンレス)は、消費電力が抑えられ静かなことが特徴です。熱がこもりやすい場所に設置すると、故障の原因になるので注意しましょう。

ハブはネットワーク接続機器を増やすための電源タップのようなもの

電源を確保したい機器が増えた時に使用する電源タップのように、ネットワークに接続したい機器が増えた時に使用する機械がハブになります。

インターネット・ネットワークに接続する、と考えると難しく捉えがちですが、ここで紹介した用語を理解して使い方の例を見てもらえれば、そんなに難しいものではないことがわかると思います。

現在は無線LANが発達してWifi接続が多くなってきていますが、まだまだ有線接続をしたい場面も多いものです。
この記事を参考にあなたに最適なハブを選んで、快適なネットワーク環境を構築しましょう。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

トップへ戻る