A3サイズ対応インクジェットプリンターの選び方とおすすめ機種
ご家庭でお使いのプリンターは、どのくらいの大きさの用紙サイズに対応していますか? 恐らく多くのご家庭がA4サイズのものをお使いなのではないでしょうか。
プリンターには、A4サイズの2倍の大きさであるA3サイズ対応のものもあり、写真を大きく引き伸ばしてプリントしたいときや、A4サイズのパンフレット等を見開きでプリントしたいときなどに便利です。
ここでは、家庭用のA3対応インクジェットプリンターについて、その特徴や選び方、おすすめ機種などについてご紹介します。
A3サイズ対応プリンターを使うメリット
A3サイズは297mm×420mm。A4の紙を2枚並べた大きさ、つまりA4サイズの2倍にあたります。
オフィス等では当たり前のようにA3対応のプリンターや複合機が使用されていますが、ご家庭でA3対応プリンターを使っている方はあまりおられないでしょう。
確かに日常生活においてA3サイズの書類等をプリントするケースは少ないかもしれません。しかし、A3対応のプリンターがあれば、お気に入りの写真を大きくプリントして部屋に飾ったり、A4サイズでは文字の小さいPDF書類などを拡大してプリントすることなどが可能になります。
特にSOHOなど自宅で仕事をされている方であれば、チャート図などの資料を大判でわかりやすく作成したり、迫力ある大きいチラシやポスターなどをデザインすることもできます。
業種によっては、A4サイズのパンフレット類を見開きの状態でほぼ原寸サイズのままプリントできることも大きなメリットになります。
また、“大は小を兼ねる”の言葉の通り、A3対応プリンターが1台あれば、A4サイズや葉書サイズ、さらにはB4サイズもプリント可能です。
つまり、A3対応プリンターは、A4プリンターに較べ、より多彩にプリントの用途を広げてくれるといえるでしょう。
インクジェットプリンターの特徴
一般的なプリンターは「インクジェット式」と「レーザー式」の2種類に大別されます。それぞれの違いから、インクジェット式の特徴を浮き彫りにしてみましょう。
インクジェット式は、粒子状のインクを用紙に直接噴き付けてプリントする方式です。
一方のレーザー式は、ドラムと呼ばれる筒状の感光体にレーザーで印刷イメージを描き、その上にトナー(色の付いた粉)を噴き付け、それを用紙に押し付けてプリントするというものです。
インクジェット式の特徴は、色の再現性が高いこと。カラー写真のプリントに強い反面、プリントに時間がかかったり、普通紙へのプリントはインクがにじみやすいという弱点があります。
また、本体価格はレーザー式に較べて安価ですが、インクカートリッジが小さく、すぐにインク交換が必要になるため、ランニングコストは高くなりがちです。
レーザー式の特徴は、プリントの速度が速いこと。さらにインクジェット式に較べて、普通紙でも色がにじまずにプリントでき、耐久性が良いというメリットがあります。弱点としては、本体が大きいことや本体価格が高いことなどが挙げられます。
ちなみにA3対応プリンターの本体価格はおおむね、インクジェット式が25,000円〜35,000円、レーザー式が35,000円〜50,000円くらいです。
そのため、大量の書類をプリントし、それを保存するような場合はレーザー式、写真や文書を少量プリントする場合はインクジェット式が向いており、そうした面から、オフィスユースはレーザー式、家庭ユースはインクジェット式がおすすめといわれています。
プリンターと複合機の違い
インターネットでA3対応のプリンターを探していると、プリンターとプリンター複合機が出てくるはず。プリンターとプリンター複合機は何が違うのでしょうか。
プリンターはプリントするためだけの単機能の機器であるのに対し、プリンター複合機はその名の通り、複合的な機能を持った機器です。プリンターのみならず、コピー、スキャナー、FAXなどの機能を備えており、1台でさまざまな仕事をこなしてくれます。
プリンター複合機があれば、コピーやFAXなどを別々に揃える必要がなくなるため、特に小規模のオフィス等では導入コストの削減や省スペースなどに大きなメリットがあります。
ただし、家庭ユースを考えると、プリンターに較べ、サイズが大きく重い、導入コストが高い、FAXを使うことを考えると常時電源を入れておくことから待機電力がかかるなどのデメリットもあります。
家庭にプリンターを導入するか、複合機を導入するかを検討する際は、使用シーンを想像して本当に必要な機能はどれなのかを検討してから、決断されることをおすすめします。
インクジェットプリンターを選ぶ際のポイント
A3対応のインクジェットプリンターを選ぶ際、用紙サイズや印刷方式以外にもチェックしておきたいポイントがあります。
◎本体サイズ
大判のA3サイズの用紙にプリントするため、本体自体が大きくなっています。最近はコンパクトサイズの機種も増えていますが、A4プリンターと較べると、どうしても大きめになることから、事前に本体サイズをチェックして、予定している設置場所に収まるかどうかを確認しておきましょう。
◎インクの種類
インクジェットプリンターのインクには、「染料インク」と「顔料インク」があります。
染料インクは色の表現に優れ、グラデーションなどもきれいにプリントできる反面、耐水性が低い、インクコストが高いといったデメリットがあります。
一方の顔料インクは、耐水性が高く、コストが安い反面、繊細な色が表現しにくいというデメリットがあります。
つまり、美しさを追求するなら染料インク、低コストを重視するなら顔料インクがおすすめです。
また、これらの点を踏まえて、文書印刷によく使われるブラックだけは顔料インクを使い、その他の色インクは染料インクを採用している機種もたくさんあります。
◎インクの色数
インクジェットプリンターは「ブラック」「イエロー」「シアン」「マゼンタ」の4色のインクを使用するタイプが一般的です。
しかし、より繊細に色を再現するため、「ライトシアン」「ライトマゼンタ」などを加えた6色のインクを使用する機種もあります。このタイプは写真などを美しくプリントできる反面、つねに6個のインクカートリッジを用意しなければならず、コストが割高になります。
◎インクカートリッジのタイプ
インクジェットプリンターのインクカートリッジには、分割型と一体型があります。
前者は1色につき1個のインクカートリッジになっており、インク切れになったカートリッジをその都度交換するというもの。
後者はブラック以外のカートリッジが一体となっており、交換の手間が少なくて済むというものです。しかし、一体型のなかの1色がなくなってしまうと、他の色が残っていてもカートリッジごと交換しなければならないため、ムダが出てしまうことがあります。
頻繁にプリンターを使う方や、インクカートリッジの交換が苦にならないという方は分割型がおすすめです。
◎パソコンとの接続方法
プリンターとパソコンの接続方法には「有線」と「無線」があります。
有線の場合は、USBケーブルもしくはLANケーブルを使うのが一般的です。
無線の場合は、Wi-FiもしくBluetoothで接続するタイプがあります。
もしご自宅にWi-Fi環境が整っているであれば、Wi-Fi接続できるタイプがおすすめ。ケーブルの長さを気にする必要がないのでプリンターを置く場所を選びませんし、1台のプリンターをご家族で共有する場合にも便利です。
同じ無線でもBluetoothの場合は、Wi-Fi接続に較べると反応が遅かったり、パソコンとプリンターの距離がありすぎると電波が届かないことがあります。
このほか、プリンターを選ぶ際のポイントとして「解像度」や「印刷速度」が挙げられます。
しかし、近年のインクジェットプリンターは解像度が極端に低いものはありませんし、印刷速度も極端に遅いものはありません。
もし大量のプリントを行うなどの理由で、印刷速度を重視される場合は、インクジェット式ではなく、レーザー式をおすすめします。
おすすめのA3サイズ対応インクジェットプリンター
最後にA3対応のインクジェットプリンターのおすすめ機種として、プリンターと複合機から1台ずつご紹介しましょう。
同プリンターの魅力は、コンパクトサイズであること。A4プリンターとあまり変わらない大きさのため、家庭でも設置場所に困りません。
A3用紙を使う場合は、手差し対応になるため、A3を大量にプリントしたい場合は不向きかもしれません。普段はA4サイズでプリントし、たまにA3をプリントするという方におすすめです。
インクは6色で染料インクを使用しているため、繊細で美しい写真をプリントできます。
◎サイズ:幅479×奥行356×高さ148mm
◎重量:約8.8kg
◎インク:6色(染料インク)
◎接続:無線LAN、Wi-fi Direct、有線LAN、USB
◎機能:コピー/スキャン/プリンター
◆引用元:Amazon(https://www.amazon.co.jp/dp/B01LAAH2SQ/)
プリンターのみならず、スキャナー・コピー・FAXにも使えるインクジェット複合機です。A3対応の複合機でありながら、コンパクトなのも魅力です。
また、印刷スピードが速く、1枚目のカラー文書が約6.0秒でプリントできます。
A3の両面印刷も用紙を裏返す手間なく自動で行うことができます。
◎サイズ:幅575×奥行477×高さ305mm
◎重量:約19.8kg
◎インク:4色(顔料インク)
◎接続:有線・無線LAN対応
◎機能:コピー/スキャン/FAX(すべてA3対応)