パソコンのプリンターの賢い選び方〜知っておきたい4つの基準〜

パソコンのプリンターの賢い選び方
〜知っておきたい4つの基準〜

パソコンの周辺機器の一つで、いわゆる“出力装置”と呼ばれるのがプリンターです。
なければパソコンが動かないというわけではありませんが、インターネットやOffice系ソフトで作成したデータや文章、メモ帳などを紙に印刷したいときに必要となります。

ここでは、覚えておくと便利な「パソコンのプリンターの選び方」を解説していきます。

パソコンのプリンターはどうやって選ぶ?

皆さんはパソコンのプリンターを選ぶときどのように決めますか?

「広告の目玉商品だから」「店頭で店員さんに奨められたから」など、その場でなんとなく選んでしまうことってありますよね。
しかし、買ってから不満点がいろいろ出たりして後悔することも……。

価格や新しさを基準にするのも良いですが、それだけだと長い目でみたときに賢い選び方とはいえません。

では、どんな基準でプリンターを選ぶのが良いのか。
フローチャート式に4つの項目に分けてご説明いたします。

その1 使用用途で選ぶ

プリンターを使用するシーンはさまざまですが、家庭用途とビジネス用途に大きく分けることができます。
どんな目的で何を印刷するためのものなのかによって、適切なプリンターの種類は異なるのです。

そこで、まずは基本となるプリンターのタイプ(印刷方式)を選んでいきます。
それぞれメリット・デメリットがあるため用途別に向き不向きがあることも理解しておきましょう。

家庭用ならインクジェットプリンター

一般家庭で使用するのであれば、インクジェットプリンターが適しています。
一般的にプリンターと呼ばれるのはこのタイプで、インクを用紙に吹き付ける印刷方式が採用されています。

個人的に使用する文書や手紙など少量の印刷であればこのタイプで十分だと考えられます。
解像度が高く高精細な印刷ができるため写真や年賀状プリントにも向いています。

メリット

・色の再現率が高い
・購入価格が安い(相場:1〜3万円)
・本体サイズが小さく場所を取らない
・消費電力や騒音が抑えられる
・枚数が少ない場合は低コスト

デメリット

・印刷速度が遅い
・インク交換や給紙が多く面倒

SOHO用ならインクジェット複合機

インクジェットプリンターには印刷機能しかありません。
印刷のほかにコピーやスキャナー、FAXなどの機能を携えたのがインクジェット複合機です。
インクジェットプリンターよりも利便性は高いため、SOHOや小規模なオフィスなどで導入するのに適しています。
また、近年人気のあるビジネスモデルのインクジェットプリンターもこのタイプになります。

メリット

・比較的低コストで大量印刷が可能
・インクジェットプリンターよりも印刷速度が速い

デメリット

・購入価格がやや高い(相場:2〜5万円)
・製品によっては少し場所を取る

オフィス用ならレーザープリンター

文書を大量に印刷する職種や中、大規模オフィスで使用するのに向いているのはレーザープリンターです。

レーザープリンターはインクジェットとは違い、トナー(粉)をドラム(感光体)の上に吹き付け、用紙に押し付ける印刷方式です。
通常、インクジェットの25倍程度速いスピードで印刷できるといわれています。

レーザープリンターはカラー印刷が可能な「カラーレーザー」と「モノクロレーザー」の2種類に分けることができます。

メリット

・短時間で大量印刷が可能
・枚数が多い場合、1枚あたりの印刷コストが抑えられる
・耐久性が高く消耗品交換のサイクルが長い

デメリット

解像度や色の再現率が低い
・購入価格が高い(相場:カラー3〜10万円、モノクロ1〜3万円)
・本体サイズが大きく場所を取る
・消費電力や騒音が大きくなりやすい

写真のみならフォトプリンター

写真のみを印刷するのであれば、フォトプリンターを選ぶのがベター。
文字どおり写真の印刷に特化したプリンターのことで、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像のプリントが使用用途となっています。

多くの製品はL判やはがきサイズへの対応のため、コンパクトな製品が多く持ち運びも可能です。
とはいえ、必ずしもインクジェットプリンターより写真の仕上がりがキレイとは言い切れないので注意が必要。

インク不要のZINK方式タイプもありますが、画質がやや粗いという欠点をもちます。 ZINKというのは「ゼロ・インク」の略語で、感熱紙の一種”ZINKフォトペーパー”を用いて印刷をおこないます。
温度で発色する特殊な性質をもった14層の紙をヘッドが過熱させるという仕組みです。

仕上がりの美しさや滑らかさを求める場合は、インクを熱で気化させる昇華型熱転写式のフォトプリンターがオススメです。

メリット

・全体的にサイズがコンパクト
・軽量で外出先でも印刷が可能

デメリット

・専用紙が必要なためランニングコストが高い
・文書の印刷には向かない

その2 インクやカートリッジで選ぶ

(独立型インク)

プリンターの印刷方式が決まったら、次はカートリッジやインクの種類を選びましょう。
どのインクを採用しているかで印刷物の仕上がりやランニングコストを左右します。
製品によって対応しているインクが異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

インクカートリッジの選び方

インクカートリッジには「独立型」と「一体型」の2種類があります。
独立型インクはブラックやイエロー、マゼンタ、シアンなどがそれぞれ1色ずつ独立しているタイプです。
いずれかの色のインクがなくなった場合、その色だけ交換すればよいのでコストが抑えられます。
現在普及しているプリンターの多くが独立型を採用しています。

一体型インクはブラックインクとカラーインクがセットになったタイプです。
全色が一つのカートリッジに収められているため、1色でも切れたらすべてのインクを交換する必要があります。
そのため、コストが高くなりやすいというデメリットがあります。
ただ、ヘッドとインクタンクが一体化しておりヘッドの劣化や目詰まりのリスクが低いです。

特定の色をよく使う人や使用頻度の高い場合は独立型、できるだけメンテナンスをラクにしたい人や使用頻度の低い場合は一体型が向いているでしょう。

インクの選び方

インクには「染料インク」、「顔料インク」の2種類があります。

家庭用プリンターで主に用いられているのが染料インクで、水に溶ける性質をもち用紙に染み込むように着色します。
色の再現性が高く発色が鮮やか、グラデーションも美しいのが特長です。
光沢紙との相性が良く印刷スピードも速いため写真プリントに適しています。
その反面、やや耐久性が低く、紫外線で色褪せしやすい難点があります。

一方、顔料インクは水に溶けない性質をもち用紙に染み込まず粒子が残る形で着色します。
より高精細な色の再現をおこなうことができ、プロのカメラマンも使用しているくらい。 インクの乾きが早く、どんな用紙とも合い耐水性、耐久性に優れており色あせもしにくいです。
また、黒色を鮮明に出せるため文書の印刷にも向いています。

個人での印刷や写真プリントには染料インク、プロの印刷や文書には顔料インクを選びましょう。
レーザープリンターの場合は「トナーインク」が用いられます。

その3 機能や性能で選ぶ

パソコンのプリンターを選ぶ上で忘れてはならないのが、機能や性能です。
使用用途と重なる部分もあるため慎重に確認しておくべきでしょう。

ここでは、プリンターを選ぶときに押さえておきたいポイントをいくつか挙げていきます。

解像度に囚われ過ぎなくていい

プリンターのスペック表の中に“dpi”という項目があります。
dots per inch(ドット パー インチ)の略で「解像度」の単位のことです。

印刷物はドットと呼ばれる点の集まりでできているのですが、1インチ(2.54㎝)あたりどれだけのドット数があるのか示しています。
もちろん、数値が大きければ大きいほど高精細な表現が可能です。

とはいえ、一般的な印刷物なら300 dpiあれば十分だと考えられます。
それ以上高い数値があっても、肉眼ではほとんど確認できないレベルなのです。
現在市場に出回っているプリンターはほぼ300dpiをクリアしているため、あまり解像度に囚われ過ぎる必要はないでしょう。

大型サイズ(A3〜)に対応しているか

家庭用プリンターの多くはA4用紙サイズまでしか対応していません。 そのため、もしもA3サイズ以上の印刷を想定しているのであれば、プリンターの最大用紙サイズを確認しておく必要があります。

ビジネス用レーザープリンターはA3からA2、A1と大判サイズの印刷にも対応しているモデルが豊富です。
最近はインクジェットプリンターやインクジェット複合機でもA3対応のモデルが増えており、コンパクト化されているので選択肢は広いでしょう。

Wi-fi機能は付いているか

パソコンとプリンターを繋ぐ配線(ケーブル)が邪魔になる、あるいはプリンターから離れた場所で印刷指示を送りたい場合はワイヤレス接続に対応しているかどうかも重要となります。
従来は有線接続が主流でしたが、近年はWi-fiを利用して無線で接続できる機能をもったプリンターが普及しているのです。

プリンターの設置場所とは違う部屋から、またスマートフォンからも印刷をおこなえるため非常に便利です。
複数の端末で1台のプリンターを共有することもでき、自宅で家族が、職場で社員が自由に使えるのも大きなメリットとなります。

Wi-fiのほかにも、Bluetooth対応の機種もあります。
Wi-fi接続に比べると遠隔での電波が届きにくく、通信速度や印刷スピードは遅くなりますが検討してみる価値はあるでしょう。

その4 メーカーで選ぶ

パソコンのプリンターを発売しているメーカーは数えきれません。
メーカーごとにプリンターの機能や強み、ユーザーの評価などが異なるため、自身が求めているものに近いメーカーを選ぶのも一つの方法です。

ここでは、プリンターを扱う主要メーカーの特徴と傾向を挙げていきます。

CANON(キャノン)

日本国内で2大プリンターメーカーと呼ばれているうちの一つがCANONです。
国内シェア率は約44%で第2位となっています。

顔料インクと染料インクの2種類を使い分けた「ハイブリットインク」が採用されているのが特徴的。
顔料インクで滲みの少ない文字印刷を、染料インクで鮮明な写真印刷をとバランスよく幅広い用途に対応できるのが強みです。
印刷コストも他社主流プリンターに比べ抑えられます。

人気機種:PIXUS(ピクサス)

EPSON(エプソン)

CANONとともに国内シェアトップなのがEPSON。
国内シェア率は約44%ですが、僅差でCANONを制し堂々の1位となっています。

主に染料インクを採用した製品を提供しており、写真プリントや年賀状、ハガキなどの品質の高さに定評があります。

CANONと比較して「カラーの発色が鮮やか」です。
一方、モノクロ印刷では黒の発色が若干弱いため文書の印刷はCANONの方が適しているかもしれません。
エコタンク搭載プリンターなら、従来のカートリッジ(同社製品)の90%コストカットが可能。

人気機種:Colorio(カラリオ)

brother (ブラザー)

国内シェア率第3位といわれているのがbrotherのプリンターです。
家庭用のインクジェットプリンターはもちろん、SOHOやオフィスで活用できる複合機の販売を中心におこなっています。

低価格ながらもコピー、FAX、スキャナーと機能を備えておりランニングコストも少な目。 写真品質においてはCANONやEPSONに適いませんが、1分間に最高100枚のスピード印刷ができるモデルもあります。

人気機種:プリビオ(PRIVIO)

ヒューレットパッカード

世界でもっとも売れているプリンターメーカーとして名高いHP。
かつてはアメリカの企業でしたが、日本法人として新たに設立されコンピューター関連製品の製造、販売をおこなっています。
顔料インクと染料インクの4色ハイブリッドを採用。
家庭用、法人用ともにラインナップが充実しており、本体価格も他社と比較して低めです。

人気機種:ENVY(エンヴィ)、OfiiceJet(オフィスジェット)

まとめ

以上が「パソコンのプリンターの賢い選び方」でした。

使用用途、インクやカートリッジ、機能や性能、メーカー……プリンターを選ぶ4つの基準に沿ってゆっくり検討してみてください。
それでも迷ってしまったときは、見た目や価格で選ぶのも一つの選択肢かもしれません。

後悔のないよう、「これ!」と思ったプリンターに出会えるといいですね!