パソコンの電源が急に落ちる、原因と対処法
パソコンを操作していたら、電源が急に落ちてしまうというトラブルに見舞われたことはありませんか?
パソコンの電源が突然落ちると、びっくりしてしまうと同時に、パニックになってしまう方もいると思います。
というのも、再起動のタイマーのような予測した状況ではないため、それまで作業していたデータを保存していない場合もあるからです。
また、音楽を聴いている、あるいは動画を観ているときにパソコンの電源が切れてしまうと、せっかくの楽しい気分が台無しになることも……。
ここでは、パソコンの電源が急に落ちる原因とそれぞれの対処法をご紹介していきます。
その1 電源に原因がある
パソコンを起動させてから一定時間経過すると電源が落ちるという場合は、電源に原因がある可能性が高いです。
ノートパソコンで意外と見落としがちなのが、電源コネクタのプラグがPC本体もしくはコンセントから外れてしまっているというもの。
電源供給がなくとも稼動できるようにバッテリーが内蔵されていますが、充電式のため電力には容量があります。
電力不足になったときに、電源が落ちる仕組みになっているのです。
バッテリーにも寿命が存在するため、消耗によって電力不足になる速度も速くなると考えられます。
デスクトップには電源ユニットが内蔵されていますが、こちらもやはり容量というものが存在します。
従って、容量以上の電力を使用するとパソコンの電源が急に落ちてしまうこともあるでしょう。
例えば、CPU負荷の高い動画編集作業、グラフィックボードの増設、光学ドライブの取り付けなどでは供給電力の不足が起きやすいです。
また、電源ケーブル自体が断線していることも考えられます。
電力不足を解消する
基本的なことですが、電源プラグがPC本体やコンセントにしっかりと差し込まれているかどうか確認しておいた方がよいでしょう。
電源プラグに破損や折れた部分がないか、ケーブルに断線はないかもみておきます。
電源関連にトラブルが生じた場合は、修理が必要となります。
パソコンへの電力供給が十分におこなわれるよう、たこ足配線には注意してください。
壁のコンセントから直接電源を取るようにします。
それでも電源が落ちてしまうときは、周辺機器を外すもしくはスペックの高いパソコンへの買い替えも検討しましょう。
バッテリーの交換をおこなう
ノートパソコンのバッテリーは500回程度充電可能といわれています。
年数にして2〜3年といったところでしょうか。
経年により充電で稼働できる時間が少なくなるため、寿命がくるとフル充電でも1時間ともたなくなるのです。
バッテリーの交換は高額になりやすく、8千から2万円程度かかります。
そのため、できるだけバッテリーを長持ちさせることを考えましょう。
ノートパソコンを充電しながら使用すると、バッテリーの短寿命化につながります。
充電が満タンになったらACアダプターを抜き、電池残量を30〜80%に保っておくのが理想的です。
その2 熱暴走が原因
パソコンは精密機器のため熱に弱く、一定の温度に達するとパーツを保護するために電源が落ちるようになっているのです。
しかし、本来であればパソコンのCPUにはヒートシンクや冷却ファンなどが搭載されており、内部で発生した熱を逃がすことで温度上昇が抑えられています。
が、何らかの原因でヒートシンクや冷却ファンが正常に動作しなくなると、パソコン内部が高熱になってしまうのです。
電源は入るものの数秒〜数十秒で落ちる場合、熱暴走が原因かもしれません。
CPUが熱暴走する原因は以下のものが挙げられます。
・埃が溜まっている
・冷却ファン周辺がふさがれている
・PC周辺がふさがれている
・室温の高い場所でパソコンを使う
このように、放熱できないことが熱暴走に繋がると考えて良いでしょう。
通気スペースを確保する
デスクトップパソコンの多くは本体の背面に通風孔があるため、設置状況によっては通気スペースが十分に確保できていないことが考えられます。
本体の背面が壁にくっ付いた状態や、通風孔が物でふさがれた状態は避けてください。
ノートパソコンの通風孔は本体の側面にあることが多いため、デスクトップ同様に通気スペースの確保をおこないます。
冷却ファンを掃除する
パソコンから「ジー」「ブーン」というような異音が聞こえる場合、ファンに埃が溜まっているかもしれません。
そんなときはパーツを外し、内部にあるファンの清掃をおこなうことで温度上昇や異音が解決できる可能性があります。
ウエットティッシュや綿棒、エアダスターなどを用いて埃を取り除きましょう。
ただし、パソコンの分解は素人がおこなうと故障につながるため、自信のない方は専門業者に依頼した方が無難です。
冷却用製品を使用する
パソコンの温度上昇を物理的に防ぐことも熱暴走対策に有効です。
特にノートパソコンの場合、冷却ファンが本体の下にあるため加熱しやすいといえます。
冷却専用の製品を使用することで温度上昇が抑えられるでしょう。
例えばこんな製品があります。
・冷却シート、パッド
・ノートパソコン用クーラー
・放熱効果搭載クーリングボール(パソコンを浮かせる)
・USB接続の扇風機(室内温度を下げる)
その3 ソフトウェアに原因がある
何かのソフトウェア・アプリをインストールしたのをきっかけにパソコンの電源が急に落ちるようになった……
このようなケースでは、ソフトウェアやアプリが直接的な原因になっている可能性が高いです。
3Dグラフィックを多用するソフトウェアはCPUに大きな負荷をかけるため、急激な加熱で電源が落ちてしまうことがあります。
ある特定のソフトウェアが原因、別のソフトウェアとの競合が原因の場合との2つが考えられます。
ソフトをアンインストールする
電源が落ちる原因となるソフトウェアが特定できた場合は、そのソフトをアンインストールすることで問題が解決するはずです。 ソフトウェアの競合はウイルスソフトやセキュリティソフトなどで起きやすいため、同じ機能をもったソフトを同時にインストールしていないか確認しましょう。
システムの復元をおこなう
ソフトウェアが特定できない場合、不具合が生じる前の状態にパソコンを戻すのも一つの手です。
Windowsでは「システムの復元」と呼ばれています。
Mac OS Xにおいては「Time Machine」機能が有効です。
ただし、この方法はパソコンが不調になる前にバックアップを取っている必要があります。
【手順(Windows10の場合)】
スタート→Windowsシステムツール→コントロールパネル→システムとセキュリティ→システム→システムの保護→システムのプロパティ(システムの保護タブ)→システムの復元
システムの復元には時間がかかることがあるため、ノートパソコンの場合はACアダプタを接続した状態でおこなってください。
その4 ハードウェアに原因がある
コンピューター本体や記憶装置、ディスプレー、キーボード、マウスなどを総称してハードウェアと呼びます。
パソコンの電力はハードウェアすべてに供給されており、どれかが過剰に電力を消費してしまうと、電力の供給が追い付かずにパソコンが落ちてしまうことがあるのです。
例えば、パソコンから異音が発生する、データを読み込む途中に電源が落ちるといった場合には、ハードディスクドライ(HDD)に不具合が生じている可能性があります。
メモリや電源ユニット、マザーボードなどに原因がある場合は、そもそも電源が入らない、あるいは再起動を繰り返す、画面に何も映らないなどの症状がみられます。
HDDのチェックディスクをおこなう
HDDに異常があるかどうかは、チェックディスクをおこなうことで知ることができます。
チェックディスクというのは、ハードディスク上の破損ファイルの調査および回復をおこなうものです。
症状を改善できる可能性はありますが、負荷が高いこと、データが消える恐れがあることといったリスクを伴います。
【手順(Windows10の場合)】
エクスプローラー→PC→チェックディスクを右クリック→プロパティ→ツールタブ→エラーチェック「チェック」ボタン
ハードウェアの交換をおこなう
原因となるハードウェアを交換することで症状が改善することもありますが、素人にはリスクが高いため専門業者に修理依頼することをおすすめします。
特に、マザーボードにはパソコンのあらゆるパーツが接続されており、修理には専門知識と技術が必要です。
マザーボードが故障した場合、パソコンを買い替えた方が安く済むこともあります。
メモリの交換をおこなう
パソコンの動作が不安定だったり、再起動を繰り返したりする場合はメモリに不具合があるかもしれません。
まずはメモリに異常がないかをチェックしてみましょう。
【手順(Windows10の場合)】
スタート→Windows管理ツール→Windowsメモリ診断
故障である場合はメモリの交換が必要です。
また、他のパーツとの相性が悪いことも原因の一つとして考えられます。
メモリを交換、増設したのをきっかけに症状が出た場合は、メモリを適切なものに変えることで解決できます。
その5 ウイルス、帯電、初期不良が原因の可能性も
パソコンの電源が急に落ちる原因はほかにも考えられます。
電源や熱暴走、ハードウェア、ソフトウェアに問題がみられない場合はこれからご紹介する3つのトラブルを抱えているかもしれません。
まず考えられるのがコンピュータウイルスへの感染です。
電源が落ちる症状のほかに動作に異常がみられる、再起動が頻繁におこなわれるなどの症状がみられるときはウイルスを疑ってください。
次に、パソコン内部に静電気が蓄積する「帯電」の状態です。
帯電が起きるとパソコンの誤作動につながるだけでなく、突然電源が落ちることもあります。
ウイルスでも帯電でもないとなれば、初期不良の可能性もあるでしょう。
もともと電源が落ちやすい機種というものも存在します。
ウイルス対策をおこなう
ウイルスソフトを導入していないパソコンには速やかにソフトをインストールする必要があります。 ウイルススキャンを実行し感染が発見された場合は、ウイルスを除去しましょう。 定期的にスキャンをおこなう、アップデートをおこなうなど普段からの対策も効果的です。
放電する
ノートパソコンであれば、バッテリーを長持ちさせるためにも1ヶ月に1度の頻度で放電をおこなうことが推奨されています。
放電の手順は以下になります。
パソコンの電源を切る→パソコンに接続している機器を取り外す→ACアダプターを抜く→5分程度待つ
メーカーの対応を受ける
初期不良で電源が落ちるトラブルは、多くの場合、メーカーのホームページからパッチをインストールすることで解決します。 無償で新品に交換してもらえる可能性もあるため、メーカーに問い合わせしてみるのが良いでしょう。
まとめ
パソコンの電源が急に落ちるトラブルは、実際に起きてしまうととても厄介です。
重要なデータが消えてしまい、パソコンが快適に使用できなくなってしまいます。
もし、原因がわからない、自分でできる対処法を試してみたけれど解決しないという場合には、パソコンに詳しい専門家に相談することをおすすめします。