ハイエンドなパソコンってどんなもの? スペックの違いはどこを見るべき?

ハイエンドなパソコンってどんなもの? スペックの違いはどこを見るべき?

パソコンの購入は他の家電製品に比べて、「これを買っておけば間違いない」というものがないのが難しい点です。

というのも、パソコンには様々な部分で性能の違いがあるため、どのようなものを購入するべきなのかが使用目的によって大きく左右されるためです。

ここでは、特にパソコンの中でも性能が高い「ハイエンド」と呼ばれる種類のものについて紹介します。

最初に紹介するのは「ハイエンドとは何か」についてです。
ハイエンドパソコンというのがどのようなものを指しているのかについて概要的に紹介します。

2つ目に紹介するのは「ハイエンドパソコンがオススメの人」についてです。
高性能なパソコンであるハイエンドパソコンは、すべての人にとって必ずしも最適な選択肢とはいえません。
選択するのに適しているのがどんな人なのかについて紹介します。

3つ目に紹介するのは「CPU性能の見方」についてです。
パソコンの中枢を担う処理機能を持つCPUの性能の違いはどのように判断できるのかを紹介します。

4つ目に紹介するのは「メモリ容量はどのぐらい必要?」についてです。
CPUの処理を支え、こちらもパソコン全体の処理性能を左右することになるメモリ容量について紹介します。

そして最後に「グラフィックボードの性能の見方は?」についてです。
ハイエンドではないパソコンの中にはそもそも搭載されていないこともあるグラフィックボードについてです。
性能の違いをどのように判断できるのかについて紹介します。

「ハイエンド」とは何か

まず、「ハイエンドパソコン」というときの「ハイエンド」というのはどのような意味がある言葉なのでしょうか。
パソコンに対してハイエンドという言葉を使用する場合、これは「購入時期における最上級に属する性能を持ったパソコン」を意味します。

ただ、この「最上級に属するパソコン」という定義は曖昧で、どこからがハイエンドとなるのかについては具体的に決まっているわけではありません。

これに対して、中性能のものは「ミドルレンジ」、低性能のものは「ローエンド」と呼ばれます。

それでは、パソコンの性能というのはどのような部分で左右されるものなのでしょうか。
これについては様々な判断項目がありますが、やはり重要なのは各種の処理性能です。

そのことを考えると
・CPU
・メモリ容量
・グラフィックボード

以上の3つはハイエンドパソコンかどうかを判断する重要なポイントとなります。

ストレージ容量は後発的に拡張が行いやすい部分であるため、ハイエンドであるかどうかの判断基準としては重要度が少し下がります。

ハイエンドパソコンはこんな方におすすめ!

それでは、ハイエンドパソコンが必要となるのはどのような人なのでしょうか。
ハイエンドパソコンと呼ばれるものは高額で、構築にもよりますが30万円を超えるようなものも少なくありません。

そのことを考えると、どんな人でもハイエンドパソコンを使うことがメリットになるとは言えないでしょう。
それほど性能が必要ないような作業を行うためにしか使わないのであれば、無用の長物となってしまうためです。

ハイエンドパソコンが必要となるようなパソコンの使用目的としては、以下のようなものが考えられます。

・3Dゲーム
・動画編集

3Dゲーム

ゲームの中でも、3Dの描写が行われているものは、パソコンで動かすソフトウェアの中でも高い処理能力が要求されるものです。
特に美麗で円滑な3D描写のためには高性能のグラフィックボードが要求されます。

そのため、ハイエンドなパソコンでなければそもそも動作しないようなものも中には存在しています。
例えば、人気の高い3Dゲームの推奨動作環境を見てみましょう。

デビル・メイ・クライ5
CPU Core i7-3770以上
メモリ 8GB
グラフィック GeForce GTX1060(8GB)以上
ストレージ容量 35GB以上

※パソコン用ゲーム販売プラットフォーム「Steam」より引用

それぞれの性能がどの程度のものなのかはこの先の項目の中で説明しますが、いずれも高水準の性能を要求しています。

動画編集

動画の編集用のソフトも、パソコンで使用されるものの中では高度な処理が要求されます。こちらも、代表的な動画編集ソフトの推奨動作環境を紹介します。

Adobe Premiere Pro
CPU Intel第6世代以降
メモリ HDメディアの場合16GB/4Kメディア以上の場合32GB
グラフィック GPU4GB以上
ストレージ容量 8GB/SSDへのインストールを推奨

※Adobe公式サイトより引用

ゲームとはまた、必要とされる性能がどこであるのかが違っています。
グラフィックボードの性能はゲームに比べると高くありません。

その代わりCPUとメモリ容量はゲームよりも高性能なものを要求しています。

このように、「高性能」にも種類があるのがポイントです。

CPUが高性能なものであれば、その分高速で様々な情報を処理できます。
複雑な情報処理が可能になるため、高速処理が必要となる様々な作業を円滑に進められるようになります。

例えば動画編集の場合なら、編集後の動画データを圧縮し、見やすい形に変更する「エンコード」という作業に大きく影響します。
エンコードはCPUの処理速度によって特に大きな影響を受けるため、高度な動画編集を目的としているなら特に重視するべき点です。

それでは、CPUの性能というのはどのように見分けることができるのでしょうか。

ここでは、ハイエンドパソコンのCPUとして使用されることが多い「Intel Core」シリーズについて、性能の見分け方を紹介します。

IntelのCPUは、以下のような形式で記載されます。

Intel Core i9-9700K

この形式の見方は「Intel Core」「i9」「9700」「K」の4つに分解することでわかります。
これらはそれぞれ以下のような意味を持っています。

・「Intel Core」の部分=ブランド名
・「i9」の部分=種類
・「9700」の部分=世代
・「K」の部分=性能特徴

「Intel Core」の部分=ブランド名

Intel Coreと表記されている部分は、その製品のブランド名表記です。
2019年現在、ハイエンドパソコンに使用されるものは「Intel Core」シリーズがほとんどです。

「i9」の部分=種類

i9と表記されている部分は、そのCPUの種類を意味しています。
Intel Coreシリーズではi3,i5,i7,i9の4つがあり、基本的に数字が大きなものほど性能が高い種類となります。

ハイエンド機としてはi5以降のものが採用されていることが多く、i3はミドルレンジ・ローエンド向けです。

i9は2019年4月現在のCPUの中では、最高性能と言える種類です。
しかし、ここまでの性能が必要とされる作業は高度な動画編集程度とまだまだ少ないため、本当に必要な人以外にとっては無駄になりがちです。

「9700」の部分=世代

9700と書いてある部分の、最初の1つ目の数字は、「世代」を意味しています。
9700とある場合は「第9世代」のCPUということです。

同じ種類のCPUでも、世代が進んでいるものの方が性能は高くなります。
例えば、Core i7-8700とCore i7-9700なら、後者の方が高性能ということです。

「K」の部分=性能特徴

Kと書いてある部分は、「接尾辞」と呼ばれるもので、そのCPUがどのような性能・特徴を持っているかを示しています。
これは必ずしもついてるわけではなく、ついていない場合もあります。
その場合は一般的なCPUという意味となります。

ハイエンドパソコンの場合に使われる接尾辞には以下のようなものがあります。

X ハイエンド CoreXシリーズ用の接尾辞
XE 超ハイエンド CoreXシリーズエクストリーム版用の接尾辞

これらを複合して、CPUを選択しましょう。
使いたいソフトの推奨動作環境を見て、それ以上の性能を持った物を選ぶ必要があります。

例えば先ほど紹介した動画編集ソフトの場合「第6世代以上」のCPUが要求されています。
この場合は、i7-6700やi7-8700なら、要件を満たしているということです。

メモリ容量はどのぐらい必要?

CPUと並んで処理に影響を及ぼすのがメモリ容量です。
CPUが作業者なら、メモリ容量は作業机の広さを意味するもので、これが大きいほどまとめて処理が行えるためスムーズになります。

これについてもCPUと同じく、使用したいソフトが要求しているメモリ容量を超えるものを選択するので良いでしょう。

ハイエンド機として使用するなら、16GB以上を用意しておくと今後のソフトにも対応しやすくなり、汎用性が高くなります。
32GBとすればさらに安定性が高くなります。
しかし、64GBまでは現状では使われることはほとんどないため、並列して複数の処理を行いたい場合でなければ必要性は薄いです。

動画のエンコードを行いながら3Dゲームをしたい、というような使い方を想定しているなら、64GBを積むメリットも考えられます。

グラフィックボードの性能の見方は?

グラフィックボードの性能についても、CPUと同じような表記方法が取られています。 ハイエンドパソコンに搭載されていることが多いGeForceシリーズの製品名は以下のように表記されます。

GeForce GTX 1060(8GB)

この形式の見方は「GeForce」「GTX」「10」「60」の4つに分解することでわかります。
これらはそれぞれ以下のような意味を持っています。

・「GeForce」の部分=ブランド名
・「GTX」の部分=クラス
・「10」の部分=世代
・「60」の部分=性能指標

GeForce GTXの部分までは、ハイエンド機ならほぼ代わりません。

「10」の部分=世代

10の部分は世代を表しています。
10の次の世代は「20」となっているため、11や12は存在しません。
基本的に数字が大きいものほど高性能です。

「60」の部分=性能指標

60の部分は性能指標を表しています。
性能指標は80以上が上位水準、70・60が中位水準、00から50までが下位水準に該当します。

2019年現在、最も高い性能を持ったグラフィックボードは「GeForce RTX 2080Ti」です。

ハイエンドパソコンに関するまとめ

ハイエンドなパソコンは、パソコン上でできることを増やしてくれるものです。
しかし、そこまで高性能な処理を必要とするようなことをしないなら、必ずしも必要なものではありません。
自分のパソコンの使用目的と照らし合わせながら購入を検討しましょう。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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