パソコンでテレビって観られるの? どうしたらいいの?
パソコンでテレビが観られたら便利なのに。そう思ったことはありませんか?
たとえば、新たに一人暮らしを始めた人などは、パソコンでテレビ放送が視聴できれば、テレビを購入する必要がなくなるし、部屋の小スペースにも役立ちます。
ここではパソコンでテレビ放送を視聴する方法について紹介します。
パソコンにあまり詳しくない方でも、これからご紹介する方法であれば、簡単かつ手軽にパソコンでテレビ放送を観ることができます。
ぜひ参考になさってください。
パソコンでテレビを視聴する方法には何があるの?
そもそもパソコンでテレビ放送を視聴することは可能なのでしょうか?
答えは「YES」です。
しかも、方法はひとつではなく、以下に掲げるようないくつかの方法があります。
●テレビチューナー内蔵のパソコンを使う
●地デジチューナーを使う
●ワンセグチューナーを使う
●無料のソフト・サイトを使う
次項からはそれぞれの方法について、特徴とメリットなどを紹介していきます。
ご自身の環境に適した方法を見つける参考にしてください。
テレビチューナー内蔵のパソコンで観る方法とメリット
パソコンをテレビで視聴する方法として、いちばん簡単なのはテレビチューナーが内蔵されているパソコンを使うことです。
これはもともとパソコン画面でテレビ視聴することを前提につくられているパソコンのため、テレビ視聴に必要なソフトウエアや付属品がすべてセットになっています。
たとえば、地デジ視聴に欠かせないB-CASカードやアンテナケーブルが付いているほか、パソコン本体には通常のパソコンには存在しない、B-CASカードの挿入口やアンテナケーブルの接続口が備えられています。
セットアップも簡単です。
アンテナケーブルをパソコン側と、室内のアンテナ端子に接続し、B-CASカードを所定の挿入口に挿し込むだけ。あとはパソコンを起動し、あらかじめインストールされているテレビ視聴用のソフトを起ち上げ、チャンネル設定などを行えば、地デジ放送が視聴できるようになります。
この方法のいちばんのデメリットは、新たにパソコンを購入しなければならない点でしょう。これからパソコンを購入しようという人ならともかく、既存のパソコンを使ってテレビを視聴したいという人にこの選択肢はありません。
また、テレビチューナー内蔵のパソコンは種類が限られるという点もデメリットといえるでしょう。
近年、テレビチューナー内蔵のパソコンを発売しているのは、NEC(LAVIE Desk All-in-oneシリーズ)、富士通(ESPRIMOシリーズの一部)、ヒューレット・パッカード(HP Pavilion All-in-One 24シリーズ)くらいです。これらは地デジチューナーのみならず、BSデジタルチューナー、110度CSデジタルチューナーを備えているものも多く、なかには4K対応のチューナーを内蔵したモデルも発売されています。
ただし、これらのパソコンはいずれもハイスペックであり、安価なモデルでも11万円以上と、デスクトップパソコンにしては比較的高価な価格帯となっています。
地デジチューナーで観る方法とメリット
テレビチューナーが内蔵されていない、既存のパソコンでテレビを視聴するにはどうしたらいいでしょうか。
そのひとつが、外付けの地デジチューナーを使用するという方法です。
ピクセラやIO DATAなどといった周辺機器メーカーから、パソコン用のテレビチューナーが発売されていますので、それを購入して、パソコンに接続することで、地デジなどのテレビ放送を視聴できるようになります。
価格はおおむね10,000円〜15,000円くらいが相場です。
メーカーや機種によって多少の違いはありますが、セットアップは簡単。
チューナーとパソコンをUSBケーブルで接続し、チューナーと室内のアンテナ端子をアンテナケーブルで接続。チューナーに付属のB-CASカードを挿入すれば、セットアップは完了です。
既存のパソコンでテレビ視聴ができて、セットアップも簡単とメリットいっぱいの方法ですが、弱点もあります。
それは、機種によって接続できるパソコンが限られるということ。たとえば、Windowsには接続できてもMacには接続できない、Windows8には接続できてもWindows10には接続できないというものもあります。そのため、購入の際は事前にメーカーのホームページで対応機種を確認するようにしましょう。
また、接続は可能でも、お持ちのパソコンのスペックによっては、うまく映らなかったり、画質が粗くなるケースもあります。パソコンの知識に自信のない人は、購入の前にしっかり下調べをし、販売店のスタッフに相談することをおすすめします。
なお、テレビチューナーにはTVキャプチャボードとも呼ばれる内蔵タイプのものもあります。このタイプは、デスクトップパソコンの内部を開けて増設するものですので、パソコンにあまり詳しくない人にはおすすめできません。
ワンセグチューナーで観る方法とメリット
上記の地デジチューナーよりも手軽にできる方法として、ワンセグチューナーを購入してパソコンと接続するというものがあります。
「ワンセグ」とは、携帯電話やスマホ、カーナビなどの移動機器用の地デジ放送のことで、街中に飛んでいるテレビ電波を無線アンテナでキャッチして、テレビの視聴を可能にするというものです。
ワンセグチューナーは地デジチューナーと比べて安価で、安いものであれば1,000円以下で購入でき、高いものでも5,000円〜10,000円程度で購入できます。
また、アンテナ端子と接続する必要がないので、使用場所を選ばないノートパソコンにも便利です。
セットアップも簡単。ワンセグチューナーはUSBメモリのようなコンパクトサイズのものが多く、それをパソコンのUSB端子に接続して、チューナー本体に付いているアンテナを立てるだけです。
安くて手軽なワンセグチューナーですが、もともとスマホやカーナビなどのモバイル端末向けに発信されているものなので、画質や音質は期待できません。
大きなパソコン画面で観ると、より画質が粗く感じられるほか、電波の届きにくい場所ではうまく受信できないケースもあります。
パソコンで観るテレビにも画質や安定性を求める場合には、ワンセグチューナーは不向きといえるかもしれません。
なお、最近のワンセグチューナーには地デジチューナーの機能を備えたものもあり、自宅ではアンテナケーブルをつないで視聴し、移動先ではワンセグで視聴するということが可能なものもあります。
無料のソフトやサイトには要注意
パソコンでテレビ放送を観る方法を、インターネットなどで調べていると、無料のソフトやWebサイトを使って視聴する方法が出てきます。
チューナーなどの機器を用意する必要がなく、しかも無料で視聴できるとして、飛びつきたくなることがあるかもしれません。
ただし、この方法は要注意。おすすめできる方法ではありません。
P2Pという不特定多数のパソコンを経由してデータをやりとりする技術を使っていたり、海外のサイトだったりするため、ウイルス感染などのセキュリティ面に不安が残るほか、知らず知らずのうちに違法な方法を採ってしまっているかもしれません。
また、違法でないソフトやサイトでも、画像が途切れ途切れになったり、タイムラグがあるなどして、安定した視聴ができないものがほとんどです。
安心して安定したテレビ視聴を行うには、上記で紹介したような各種テレビチューナーを購入することをおすすめします。
番外編 インターネット配信サービスを楽しむ
最後に番外編として、地デジ放送のリアルタイム視聴とは異なる、インターネットのテレビ配信サービスについて紹介します。
近年、各テレビ局がすでに放送した番組をインターネットを通じて視聴できるようにする、テレビ配信サービスを始めています。
たとえば、NHKであれば、同局の過去の番組を有料(一部無料)で視聴できる「NHKオンデマンド」というサービスを行っています。
もちろんこうしたサービスは、リアルタイムで視聴できるわけではありませんし、配信されている番組は限られるのですが、パソコンやスマホで視聴することを前提としているため、チューナーなどの機器を用意することなく、Webブラウザを通じて、鮮明に番組を視聴できることが魅力です。
なお、番組コンテンツによって、無料で観られるものと有料のものがあります。
また、各テレビ局の配信番組のポータルサイトもあり、ここにアクセスすれば、テレビ局の枠を超え、観たい番組を選んで視聴することができて便利です。
代表的なテレビ配信サービスのポータルサイトとして「TVer(ティーバー)」と「Paravi(パラビ)」があります。
それぞれの特徴を簡単に紹介しましょう。
「TVer」の最大の特徴は、地上波放送と同様にCMが入ることで、無料で視聴できることです。しかし、TVerで観られる番組はそれほど多くなく、視聴期間が限られていたり、ドラマなどは第1話のみの配信であるケースが多くなっています。
一方の「Paravi」(パラビ)は基本的に有料サービス(月額税込1,017円)で、そのぶん視聴可能な番組が多いことが特徴です。最新の番組のほか、昔の名作ドラマなども観ることができます。また、番組によっては追加の課金が必要なものもあります。
(2021年3月時点の金額です)
そのほか、地デジ放送とは異なりますが、「AbemaTV」のようなインターネット配信専用の新しいテレビ局も登場しており、既存の番組の配信だけでなく、オリジナル番組を制作して人気を呼んでいます。
テレビ、パソコン、タブレット、スマホとメディアが多彩になり、テレビの視聴方法や視聴スタイルはこれからさらに大きく変わっていくかもしれません。