パソコンの性能はどこでかわる? 処理速度はメモリとCPUが重要!
パソコンの性能はそれぞれ全く違っていて、使用者によって適切なものには違いがあります。
自分にとって適切なパソコンを選ぶためには、まずパソコンの性能はどこで見るべきなのかを知っておかなければなりません。
ここでは、特にパソコンの処理速度に影響を与えることになる「メモリ」と「CPU」という2つのパーツについて詳しく紹介します。
最初に紹介するのは「メモリの役割」についてです。
メモリがどのような役割を持っていて、どのように処理速度に影響を与えるのかについて説明します。
次に紹介するのは「CPUの役割」についてです。
CPUもメモリと並んでパソコンの処理速度に影響を与えるパーツですが、その役割の違いに付いて紹介します。
3つ目に紹介するのは「メモリはどのくらい必要?」ということについてです。
メモリはギガバイト単位で容量が示されていますが、これはどのぐらいのものがあれば十分と言えるのかについて紹介します。
4つ目に紹介するのは「CPU性能の見方」についてです。
CPUの性能はその型番を見ることによってある程度判断することができるため、その見方について説明します。
そして最後に紹介するのは「CPUの性能はどのくらい必要?」ということについてです。
CPUはメモリに比べるとどの部分を見てどの程度の性能が必要なのか判断するのが難しいため、その点を紹介します。
メモリの役割
メモリというのは、正確にはランダムアクセスメモリのことを指しており、RAMという名前で呼ばれることもあります。 このメモリが持っている役割は、後述するCPUがデータの処理を行っている間、一時的に処理中のデータを保存しておくことです。
パソコン上で行われる処理は基本的にCPUによって行われます。
ハードディスクやSSDなどに保管されているデータというのは、奥にしまわれているようなもので、CPUが処理をするのには距離が遠い性質があります。
そのため、いちいち取り出して処理をする、ということをしていると、せっかくのCPUの処理速度を活かしきることができません。
そこで、作業中のデータを一時的に保存し、CPUから近い場所に置いておくのがメモリの大きな役割です。
シェフがCPUだとしたら、キッチンがメモリです。
メモリの容量が大きくなると、その分だけ多くの食材を置くことができるようになり、シェフは作業がしやすくなり、処理速度が向上します。
逆にメモリ容量が足りていないと、処理を行っている間に食材がなくなってしまい、次の食材を持ってくる時間が都度発生してしまい、処理速度が低くなります。
CPUの役割
CPUは、セントラル・プロセッシング・ユニットの頭文字をとったものです。
日本語にすると「中央演算処理装置」となります。
その名前の通り、CPUの持っている役割は処理を行うことそれ自体で、パソコン内で行われる処理はこのCPUで行われます。
メモリの役割の中で紹介したとおり、CPUはシェフの役割を持っています。
いくらキッチンが広くても、シェフの調理速度が低いのでは最終的な料理の完成は早くはなりません。
パソコンの処理速度を向上させるためには、メモリだけではなくCPUの性能も併せて高いものとしておく必要があります。
メモリはどのくらい必要?
それでは、実際のところメモリはどのくらいあれば高速処理が実現できるのでしょうか。
これについては、パソコンの使用の仕方や使用目的によって適切なメモリ容量が変わります。
大きなメモリ容量が必要となるのは、以下のような使用の仕方をする場合です。
・動画編集ソフトを使用する場合
・3Dのゲームを動かす場合
・複数のソフトを並行して動かす場合
動画編集ソフトを使用する場合
まず、動画編集ソフトを使用する場合は、他のソフトを使用する場合に比べて大きなメモリ容量が必要となります。
動画編集ソフトは高い処理能力を必要とするものが多く、パソコンの性能によって大きく左右されるためです。
例えば、代表的な動画編集ソフトとして、Adobe Premiere Proの必要スペックを紹介します。
スペック内容 | 最小要件 | 推奨要件(HDメディア) | 推奨要件(4Kメディア) |
---|---|---|---|
CPU | Intel 6世代以降のCPU | Intel 7世代以降のCPU | Intel 7世代以降のCPU |
メモリ | 8GB RAM | 16GB | 32GB |
ストレージ容量 | 8GB HDD | 8GB SSD | 8GB SSD |
引用:※Adobe公式サイト(https://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/system-requirements.html)
この通り、編集を行う動画の画質が向上するにつれて、必要となるメモリ容量が大きくなっていくのが分かります。
画質が向上すると、その分だけ処理をしなければならない内容が多くなり、一気に処理ができるようにする必要があるためです。
3Dのゲームを動かす場合
3Dのゲームも、パソコンで動かすソフトの中では高い処理能力を要求されるものの1つです。
メモリ容量が十分なければ処理速度が落ちてしまい、せっかくのゲームのプレイ感が薄れてしまったり、画質を下げる必要があったりします。
ここでは、3Dのゲームとして高い人気を誇るオンラインゲーム「黒い砂漠」について、どのようなスペックが要求されるのかを紹介します。
スペック内容 | 最小要件 | 推奨要件(低画質) | 推奨要件(高画質) |
---|---|---|---|
CPU | Intel Core i3以降 | Intel Core i5以降 | Intel Core i7以降 |
メモリ | 4GB RAM | 6GB | 16GB |
ストレージ容量 | 28GB | 28GB | 28GB |
引用:pmang 黒い砂漠REMASTERD 公式サイト(https://blackdesert.pmang.jp/info/member/gameinfo/download)
このように、設定画質をあげるとその分だけ要求されるメモリ容量も大きくなっていきます。
最低限の画質でプレイする分にはそれほど大きな容量は必要ありませんが、高画質になると大きな容量が必要です。
複数のソフトを並行して動かす場合
ここまで紹介してきたのは、動画編集ソフトや3Dゲームのように、1つのソフトで大きなメモリ容量を必要とする場合です。
そうでなくとも、複数のソフトを並行して使用したいという場合には、それぞれが使用するメモリの総量に応じてメモリが必要となります。
例えば、ソフト1つ1つは要求するメモリが2GB程度だったとしても、それを10個動かしたいなら20GBが安定した動作に必要になるということです。
もちろん、ソフトウェアの動作中、常に必要メモリの分だけメモリが使用されているわけではありませんが、安定動作を考えるなら極力確保したいところです。
総合すると、必要となるメモリの容量は使用したいソフトの種類や、並行しようする数に左右されます。
現状、32GBを超えるようなメモリ容量を1つのソフトから要求されることはほぼありません。
そのため、32GB用意しておけば、たいていの場面で対応をすることができます。
より長い目で見て数年後にも不足することがないようにしたいなら64GB用意しておく方法もありますが、メモリは比較的増設が容易です。
なので、不足を感じるようになってから追加するという形を取るのでも問題はありません。
CPUの性能の見方
次にCPUの性能がどのくらい必要なのかを説明するにあたって、そもそもCPUの性能はどのように見ればいいのかを紹介します。
CPUの性能については、以下の2つのポイントに注目して比較しましょう。
・クロック周波数
・コア数
クロック周波数
クロック周波数というのは、そのCPUがどのくらいの間隔で処理を行うのかを示しているものです。
CPUの性能を見たとき、ギガヘルツ単位で示されているものがこのクロック周波数となります。
クロック周波数が高いものほど短い間隔で処理を行うため、最終的な処理速度は向上します。
その代わり、クロック周波数が高いものほど発熱が激しくなるため、十分な排熱機構を用意する必要があります。
2000年前後までは、CPUの性能はほぼこのクロック周波数を見ていれば問題がありませんでした。
しかし、それ以降は最新のCPUを比較してもクロック周波数の伸びはそれほど大きなものではなく、ここ10年では特に緩やかです。
この理由は、前述の通り発熱の問題でこれ以上クロック周波数を増やすことが困難になっていることです。
そこで、CPUは他の方法で性能を向上させるようになってきました。
コア数
クロック周波数とは別にCPUの性能を左右するのが、コア数です。
コア数はようするに、CPUの処理を行う部分がいくつ存在しているのかを指しています。
古いパソコンではシングルコア、つまり1つのコアしか持たないものが一般的でした。
しかし、昨今のパソコンではデュアルコア(2コア)や、クアッドコア(4コア)などが主流となっています。
コア数が増えると、その分だけ並行して処理を行うことが可能になります。
複数のソフトを同時に動かしたい場合だけでなく、1つのソフトを動かす場合にも処理をある程度分割できます。
そのため、クロック周波数を一段階高める前に、コア数の方を見るのも効果的です。
CPUの性能はどのぐらい必要?
それでは、CPUの性能についてはどのくらいのものがあればよいのでしょうか。
これについては、使用したいソフトの必要要件を見てそれに見合ったものを用意する必要があります。
CPU要件に関しては、ソフトによってシリーズで記載されている場合と、世代で記載されている場合があります。
世代というのは発売時期を示しているもので、同シリーズ内なら世代が高いものの方が性能が高くなります。
CPUの型番は、Intel製のものであれば以下のような形式で記載されています。
Intel Core i5-4670
この「i5」と書いてある部分が、シリーズです。
この数字が大きいものほどシリーズが高く、性能も高くなります。
「4670」と書いてある部分の、最初の数字が世代を示しています。
つまりこの場合は第4世代のCPUということです。
要件が世代で記載されている場合はこちらを確認しましょう。
パソコンの性能に関するまとめ
メモリとCPUはどちらも処理に必要となるパーツです。
どちらかだけの性能が高くても存分に処理性能を活かすことができません。
そのため、両方が使用したいソフトの要件を満たすように確認することが重要になります。
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