USBメモリのセキュリティ対策が必要な理由!対策の種類から様々なモデルの紹介
「USBメモリのセキュリティ対策は必要なの?」
この記事はこのような疑問を持つ、あなたに向けた記事です。
この記事の中では、USBメモリのセキュリティ対策が必要である理由から、セキュリティ対策の種類について解説しています。
読み終える頃には、USBメモリのセキュリティ対策が必要である理由と、対策方法が理解できます。
USBメモリのセキュリティ対策はなぜ必要か
USBメモリのセキュリティ対策が必要である理由は、USBメモリが持つ2つのセキュリティリスクを防ぐためです。
セキュリティリスク1:紛失、盗難による情報漏えい
USBメモリは小型で、持ち運びが簡単です。気軽にデータの移動ができるため、とても便利ですよね。しかし、小型で持ち運びやすいがために、紛失しやすいという特徴もあります。
USBメモリを紛失したり、盗難されることで、情報漏えいをしてしまうリスクが考えられます。
2019年5月に茨城県の高校教諭が、USBメモリを紛失したニュースが取り上げられていました。
この事例では、全校生徒832人分の住所や電話番号などの個人情報を記録したUSBメモリを紛失しています。
実際に情報漏えいに伴う被害は報告されていませんが、この事例によって当事者である高校教諭は、社会的な信用を失う結果となってしまいました。
同様の事例は数多く存在していて、一様に当事者は社会的な信用を失っています。
参照:産経新聞 https://www.sankei.com/life/news/190509/lif1905090034-n1.html
セキュリティリスク2:マルウェア感染によるシステムトラブル
USBメモリを使う場合は、パソコンからパソコンへデータを移動させることが多いのではないでしょうか。その際、USBメモリに保存したファイルがマルウェアに感染していたら、被害が拡大することが予想できます。
マルウェアは、ウィルスなどの不正なソフトウェアの総称です。
業務で使用するパソコンでは、ほとんどの場合はセキュリティソフトを導入しています。
そのため、パソコン上のファイルがマルウェア感染している可能性は少ないといえます。
しかし、USBメモリは小型で持ち運びやすいため、中には自宅で仕事をするために、自宅のパソコンで使用する人もいます。
もし、その人のパソコンがマルウェアに感染していた場合、当事者は知らないうちにマルウェアをUSBメモリに保存することになるでしょう。
セキュリティ対策を行っていないUSBメモリをさまざまなパソコンで使用すると、マルウェア感染するリスクがあります。
参照:マルウェア情報局 https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/special/detail/160601.html
拾ったUSBメモリは危険!「USB drop」とは?
USBメモリに対するセキュリティ対策は、あなたが普段利用するUSBメモリに対するセキュリティだけではありません。あなたは「USB drop」という攻撃手法を知っていますか?
USB dropとは、不正なソフトウェア(マルウェア)を仕込んだUSBメモリを意図的に落として、拾った人のパソコンにマルウェアを感染させようとする攻撃手法のことです。
あなたは「拾ったUSBメモリなんて使わないよ!」と思ったかもしれません。
しかし、2016年にアメリカで行われた実験では、なんと全体の45%の人が拾ったUSBメモリの中身をパソコンで確認しました。
実験に使われたUSBメモリは297個ですが、そのうちの290個は拾われています。パソコンに接続はしなかったものの、98%もの人が落ちているUSBメモリを拾ってしまいました。
アメリカの大学生を対象に行われた実験であり、日本での事例ではありませんが、このような攻撃手法があることは覚えておいてください。
USBメモリに対するセキュリティは、あなたの持つUSBメモリだけでなく、周りにある全てのUSBメモリに対して意識する必要があります。
参照:Ascii.jp×TECH 著:谷崎朋子
https://ascii.jp/elem/000/001/213/1213231/
USBメモリのセキュリティ対策の種類
USBメモリのセキュリティリスクは、「情報漏えい」と「マルウェア感染」でした。
2つのセキュリティリスクを防ぐために、どのようなセキュリティ対策を行うべきか解説します。
情報漏えいに対するセキュリティ対策
情報漏えいは、USBメモリの紛失や盗難によって起こります。
情報漏えいを防ぐためには、そもそもUSBメモリに情報漏えいしてはならないデータを保存しないことが大前提です。
情報漏えいしてはならないデータとしては、個人情報や社外秘などのデータが挙げられます。
しかし、場合によってはUSBメモリに個人情報などのデータを保存しなければなりません。
その場合には、次に紹介する4つのセキュリティ対策をしましょう。
・パスワードロックでユーザー認証を行う
・指紋認証によるユーザー認証を行う
・データを暗号化した状態でUSBメモリに保存する
・USBメモリを暗号化してファイルを読み取れないようにする
仮にUSBメモリが紛失、盗難されても、USBメモリの中身を確認できなければ、情報漏えいは防ぐことができます。
USBメモリにパスワードを設定することで、パスワードを知るあなただけがファイルを確認できるようにします。
指紋認証も同様です。パスワードよりも属人性が高くなるため、セキュリティ強度が高くなりますね。
また、USBメモリに保存するデータをパソコン上で暗号化したり、USBメモリに保存する際に自動的に暗号化するようにしましょう。
パソコン上で暗号化するためのフリーソフトもありますが、データの受け渡しを考えると利便性が損なわれます。おすすめは、暗号化機能がついたUSBメモリを使う方法です。
マルウェア感染に対するセキュリティ対策
マルウェア感染のリスクは、パソコン上でセキュリティソフトを導入していれば、防げる確率が高くなります。
しかし、USBメモリは持ち運びやすいため、セキュリティ対策をしていないパソコン上で使われてしまう可能性があります。
対象のUSBメモリを使用する可能性のあるパソコンを、すべて管理できていれば問題ありませんが、すべてのパソコンを管理することは難しいでしょう。USBメモリ自体にセキュリティ対策をすることの方が簡単で確実ですよね。
次の3社のセキュリティソフトが搭載されたUSBメモリがあります。
・トレンドマイクロ社
・マカフィー社
・シマンテック社
セキュリティUSBメモリの中では、トレンドマイクロ社のセキュリティソフトが導入されているモデルが多いです。次いでマカフィー社、シマンテック社となりますが、ELECOMから販売されていたシマンテック社のセキュリティソフトを搭載したモデルは、現在では生産終了となっています。
セキュリティソフトを搭載したUSBメモリは、法人向けに販売されていることが多く、個人で入手できるセキュリティUSBメモリは、トレンドマイクロ社のセキュリティソフトが導入されたものに限られます。
セキュリティ機能付きUSBメモリのモデル紹介
USBメモリのセキュリティ機能について紹介しました。
ここでは、具体的にどのようなモデルがあるのかについて、紹介します。
マルウェア対策付きのUSBメモリ
ELECOM MF-TRU3シリーズ トレンドマイクロ製セキュリティソフト搭載モデル
引用:Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B00LGM6IBQ
トレンドマイクロ社の「TMUSB2.1」を搭載しています。これはライセンス更新時期に合わせて自動で更新処理を行うため、マルウェア対策ができます。
USBメモリへのデータの書き込み時に自動的にファイルをチェックし、ウィルスを検知した場合は自動的に隔離します。
ほかにも、パスワードロック機能も搭載しているため、紛失・盗難時の対策もできるUSBメモリです。
指紋認証付きのUSBメモリ
エムコマース Biocryptodisk ISPX
引用:Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B005OEJFC6/
エムコマースの指紋認証付きUSBメモリは、管理者1人とユーザー2人の合計3人分の指紋を登録することができます。使用者は2指ずつ登録できるため、指紋認証が通らずに使えなくなることがありません。
USBメモリ内のデータが暗号化されていて、米国政府が標準で使用する最高レベルの暗号化方式である「AES」を採用しているため、安全性が高いと言えます。
対応OSにWindows10が記載されていませんが、公式サイトではWindows10で動作したことを確認したと報告がありました。
ボタン式のパスワードロック付きUSBメモリ
I-O DATA ED-HBシリーズ ボタン認証型セキュリティUSBメモリ
引用:Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B071XPN4HZ
I-O DATAのボタン認証式USBメモリでは、パソコンに挿す前に製品本体のボタンを入力することでパスワード入力を行います。パスワードは0~9の数字の組み合わせによって設定可能です。
7~15桁のパスワードを設定することができ、通常認証に用いるパスワードとは別に、パスワードを忘れてしまったときのための「セカンドパスワード」を設定できます。
暗号化&パスワード認証付きUSBメモリ
ELECOM MF-PSU3シリーズ USB3.0対応ノック式USBメモリ
引用:Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0112AQIBG
ELECOMのMF-PSU3シリーズは、パスワード自動認証機能が付いています。
パスワード自動認証機能は、普段利用するパソコンを登録しておくと、対象のパソコンではパスワード無しで利用でき、登録街のパソコンではパスワードの入力が必要となります。
あわせて、「AES」を採用しているため、USBメモリ内のデータが暗号化されています。
まとめ:便利なUSBメモリだからこそセキュリティ対策を!
パソコンのデータを持ち運ぶ際など、USBメモリはとても便利に使用できます。USBメモリは小型で持ち運びやすいために、紛失や盗難のリスクもあるということを覚えておきましょう。
USBメモリのセキュリティを行わないと、社会的な信用を失う可能性があります。
しかし、セキュリティに対する意識を持つことで、簡単に防ぐことが可能です。
USBメモリ自体に、セキュリティ対策が施されたセキュリティUSBメモリを使うことで、簡単にセキュリティ対策ができるため、一度使ってみてはいかがでしょうか?