ワイヤレスとは?意味や使用のメリット・デメリットから種類まで徹底解説
「ワイヤレス」の意味をご存知ですか?普段何気なく耳にするワイヤレスは、最近では普及率も高く気が付いたら使っている技術。インターネットを使っているという時点で、大抵の場合はワイヤレスの恩恵を受けています。
とはいうものの、ワイヤレスを一言で口にしてもその意味をしっかりと理解しているという方は恐らく少数。そこで今回は、ワイヤレスの意味から使用するメリット・デメリット、技術の種類まで幅広く紹介します。
ワイヤレスに関する初歩的なことを理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
ワイヤレスの意味とは?
ワイヤレスとは、「無線の」「無線通信の」などを意味する英単語「wireless」を元にして生まれた言葉。ケーブルを使った配線を必要としない方法が一般的にワイヤレスを意味しており、漢字で表した場合は「無線」と言い換えられます。
ワイヤレスという言葉がよく使われるのは、主にインターネットやパソコンなどを使用するITと呼ばれる分野。最近では家電もワイヤレス接続に対応するIoTなどが注目を集めています。
ワイヤレスの簡単な仕組みは、電波や光、赤外線などを利用して接続するというもの。インターネット接続によく使われるものとして「無線LAN」があるほか、パソコン周辺機器をケーブルなしで繋げたりスマホにイヤホンなどを接続したりする場合も使われます。
ワイヤレス(無線)の対義語は「有線・ワイヤード」
ワイヤレス(無線)の反対の意味を持つ言葉としては、「有線・ワイヤード」があります。いずれの言葉も金属線・電線などを使って機器同士を接続する方法で、ワイヤードは英語の「wired」という単語が元です。
有線・ワイヤードは無線が流行する以前から存在しており、電気を使うために必要な電線や離れた人と通話できる固定電話などに使用。無線よりも安定した信号の入出力が行えるため、技術としては廃れているということもなく今でもよく採用されます。
ワイヤレス(無線)の類義語は「コードレス」
ワイヤレス(無線)と意味が似ている単語には、「コードレス」があります。コードレスもケーブルの必要がないという意味ではワイヤレスと同じですが、違いがあるので解説。
もともと家電と言えば、動かすためにケーブルを家庭用コンセントと接続して電源供給を受けて使うのが一般的でした。それが今では家電にバッテリが内蔵され、充電されていればケーブル不要で使えます。
そしてコードレスは、もともとケーブルを使用していたものがバッテリ搭載により電池で動くようになった機器です。例としては、掃除機・アイロン・電話機などに「コードレス〇〇」という名前を付けられて販売されるのが確認できます。
掃除機でいうと、使わないときは家庭用コンセントに繋がった充電用の機器にドッキング。使用時は取り外して使うといったパターンがあります。
まとめると、
・ワイヤレスは「通信にケーブルを必要としない機器」
・コードレスは「稼働時に内蔵バッテリを使用するためケーブル不要な機器」です。
なお、上述した解説ならノートパソコンやスマホは両方の特性をあわせ持ちます。両方ともバッテリ搭載でコードレスに使えるほか、インターネット接続もワイヤレスで行えるからです。
ワイヤレスの一般的なメリット
ワイヤレスの一般的なメリットを紹介。
配線が邪魔にならない
有線接続の機器を多く採用する場合、それだけケーブルの数が増えるのが難点です。その点ワイヤレスならケーブルの数を減少させられ、デスク周りをキレイにしたりお部屋の雰囲気を壊さないよう配慮したりできます。
そのほか、ワイヤレスならケーブルに手足を引っかけずに済むのも魅力。歩行中に転倒して怪我することもなくなるほか、引っかけてケーブルの断線を起こすという心配もせずに済むのがメリットです。
動ける範囲が広がる
有線接続の場合、基本的にケーブルの長さぶんだけしか動けないのが難点。例えばケーブルの長さが1メートルのマウスなら、パソコン周辺にいないと入力できません。
その点ワイヤレスなら、通信の届く範囲であればどこにいてもマウス・キーボードによる入力操作が可能。ワイヤレス機器を持ちつつデスクを離れ、ソファに座ったりベッドに転がったりしながらでもパソコン操作を楽しめます。
そのほか音楽を聴いたりお絵描きや通話したりする場合にも使えるのが魅力です。
持ち運びが楽
有線接続の機器を持ち歩く場合、ケーブルを抜いて巻きつつカバンに入れて収納するのが一般的。使用時は取り出してケーブルの絡まりをほどき、機器に挿し込む動作が必要です。
その点ワイヤレスの場合、機器を繋いだ状態でも収納して持ち運び可能。使用時は自動または手動で機器同士が接続されれば使えるので、一連の動作の手間が有線より少なく済みます。
ワイヤレスの一般的なデメリット
ワイヤレスの一般的なデメリットを紹介。
充電または電池が必要
有線接続の場合、動かすためには家庭用コンセントまたはパソコン・スマホといった機器から電源供給を受けて使用するのが一般的。対してワイヤレスの場合、内蔵バッテリの充電または乾電池を入れて使う必要があります。
バッテリや乾電池を使用するなら、長期間使っていれば必ず電池切れは発生。急な電池切れで使えなくなることもあるのが難点です。バッテリの状態や乾電池を確認して電池切れを発生させない使い方も可能ですが、電源供給の安定性を見ると有線より劣ります。
通信の安定性
有線接続の場合、直接繋がれているため安定した通信を行えるのが魅力です。対してワイヤレスは、電波などを使うため有線と比べると通信の安定性は劣ります。
具体的には、遮蔽物による影響や通信状態の混雑、場所によっては回線が届かないといった問題が存在。そのほか有線と比べると通信にラグが発生することもあり、素早い入力を必要とするゲームなどの環境では不向きです。
なお、無線LANによるインターネット通信に関しては技術の発達により安定性も増しており、以前と比べるとそこまで気にするほどではなくなっています。確実に安定した通信を確保したい理由がなければ、そこまで気にする必要はありません。
ワイヤレス(無線)に使われる技術の種類
ワイヤレス接続はケーブル不要で機器同士を通信させる技術ですが、さらに種類を細分化できます。今回は主な4つの種類について、それぞれの特徴を合わせて解説。
Wi-Fi=無線LAN
無線LANは、インターネット接続をワイヤレスで行えるシステムのこと。インターネット回線を提供する会社と契約したうえ、自宅にルーターと呼ばれる機器を設置。ルーターが発生させる電波をキャッチすることでインターネットに接続できます。
なお、Wi-Fiとは無線LANで使用される規格の1つ。今では無線LANと言えばWi-Fi規格を意味するのが一般的なので、両方とも同じものを指すと考えて問題ありません。
関係で見た場合、無線LANにWi-Fiが含まれると覚えてください。
Bluetooth
Bluetoothは、約10メートルの近距離無線通信ができる規格。世界的に標準化されており、無線通信のなかでも最も人気な種類の1つです。
消費電力がWi-Fiと比べると少なく、長時間の接続でも電池持ちしやすいのが魅力。イヤホンやキーボード、マウスからマイクまでパソコン・スマホの様々な周辺機器に採用されます。
使用する場合は接続機器の双方がBluetoothに対応している必要があるものの、ペアリングと呼ばれるデバイス同士をお互いに検出可能状態にして認識させる簡単な設定で使用可能。
シェアも高く、今後もガジェット周辺機器に多く採用されると考えられます。
IrDA
IrDAとは、データ転送に赤外線を使用するワイヤレス通信のこと。「Infrared Data Association」と呼ばれる団体が策定し、そのまま規格の名前として使われています。
主にパソコンやスマホ、ガラケー間のデータ転送に使われているのが特徴。歴史としては1993年までさかのぼれるため古く、実用面では携帯同士を接続して連絡先の交換などに使われる場面が見られました。
なお、使用する場合は1メートル程度の近距離かつ遮蔽物のない環境じゃないと安定して使えないのが難点。最近ではBluetoothといったほかの無線通信を使うことが多く、使用の機会が減っています。
2.4GHzワイヤレス(USB)
USB接続と言えば有線ケーブルで繋げるのが以前は一般的でした。それが今では無線LANにも使われる2.4ギガヘルツ帯の電波を利用してワイヤレス接続する機会が多く見られます。
USBでワイヤレス接続する場合は、レシーバーをパソコンに挿入。無線のマウス・キーボードがレシーバーに入力情報を送ることで使えるというのが仕組みです。
USBワイヤレスはペアリングを必要とせずBluetoothよりも接続が簡単な反面、レシーバーがポートを専有するのが難点。またレシーバー自体も小さく、複数あるとレシーバーと機器同士でどれが対応するかわからなくなったりなくしたりします。
使い道としてはBluetoothと被る部分が多い傾向です。
ワイヤレス(無線)が用いられる主なデバイス
ワイヤレスが用いられるデバイスについて、簡単に紹介します。
ルーター
ルーターは、無線LANによるインターネット接続に使用するデバイス。契約した会社のインターネット回線に繋げられ、自宅でインターネット通信する場合は必ず必要とするものです。
なお、スマホなどのキャリアの回線を使用する場合はルーターを通しません。主にスマホ・タブレットなどでWi-Fi接続したり、パソコンを有線・無線でインターネットに繋げたりする場合に用いられます。
マウス・キーボード
スマホ・パソコンでカーソルを動かしたり、文字を入力したりする際に使用するのがマウス・キーボード。ワイヤレスの場合はBluetooth・USBで接続するのが一般的です。
スマホの場合は画面をタッチして入力する必要があるものの、慣れていないと使いにくいのが難点。そんなときにBluetooth対応キーボードをスマホに接続すれば、パソコン感覚でサクサク入力できます。
ノートパソコンをよく持ち運ぶという方でも、ワイヤレスのキーボード・マウスのほうが有線よりコンパクトにまとめることが可能です。
スマホの充電
最近では、スマホの充電もワイヤレスに対応しています。具体的には、ワイヤレス給電の規格である「Qi(チー)」を使用するのが一般的。ワイヤレス充電器にスマホを乗せておくだけでバッテリ残量が増えるので便利です。
ワイヤレス充電器本体は、USBまたは家庭用コンセントから給電する必要があります。
身近な機器にワイヤレスを導入しよう
ワイヤレスについて、今回は意味やメリット・デメリットから種類まで幅広く紹介させていただきました。ワイヤレスそのものは、日常生活をしていれば触れない機会がない必須の技術。これまで意識して使ったことがなかったという方は、ぜひワイヤレス対応デバイスを取り入れてみてください。