Bluetoothと2.4GHz無線マウス(USB)を徹底比較!
一般的にワイヤレスマウスは、Bluetoothマウスか、USBレシーバーを使う2.4GHz無線マウスのどちらかになります。「Bluetoothや2.4GHzって一体なに?」「どっちがいいの?」と感じられる方も少なくないでしょう。そのような方に向けて、この記事ではBluetoothマウスと2.4GHz無線マウスの特徴やメリット、デメリットを解説します。そのうえで、両方のタイプの比較も行いますので、マウス選びの参考にご活用ください。
Bluetoothマウスの特徴
Bluetoothとは?
Bluetoothは、近い距離にあるデジタル機器同士を無線電波によって接続するための通信。
例えばマウスで右クリックしたとき、”○○座標の位置を右クリックしました”という情報をパソコンに電波で伝えるわけです。
Bluetoothマウスの電波範囲
Bluetoothの電波範囲は「Class(クラス)」という概念で機器ごとに決められています。具体的には、Class 1が約100メートル、Class 2が約10メートル、Class 3が約1メートルです。
クラスは2つの機器の間で、より小さいクラス(広い範囲のクラス)に合わせられます。例えば、パソコンがClass 2でマウスがClass 3なら、パソコンのほうが小さいクラスなので、約10メートルの範囲内で使用可能ということになります。
Bluetoothマウスのペアリング設定
Bluetoothには「ペアリング」と呼ばれる設定作業が必要になります。ペアリングとは、どの機器とどの機器の間で通信するのか設定する作業です。
マウスの場合、付属のソフトを使い、接続する機器のペア(マウスとパソコンなど)を設定して認証します。ペアリングは機器を購入したあとの最初の1回だけ設定すれば、次回以降は必要ありません。詳細な手順は機器によって異なる部分もあるので、取扱説明書を確認してみてください。
Bluetoothマウスのメリット
USBレシーバーは不要
Bluetoothマウスは、電波を受信するためのレシーバーが機器に内蔵されています。そのため、別途USBレシーバーなどを用意する必要がないというメリットがあります。
後述しますが、2.4GHz無線マウスは、USBレシーバーをパソコンに接続する必要があります。この点を比較するとBluetooth対応マウスは機器だけで通信できるので、利便性が高いと言えるでしょう。
さまざまな本体機器と接続できる
Bluetoothマウスは、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット機器にも接続できるメリットがあります。先述したように、BluetoothマウスにはUSBレシーバーが必要ありません。したがって、USB端子を持たないスマートフォンやタブレット機器でも、Bluetooth対応していれば接続可能になります。
Bluetoothマウスのデメリット
比較すると対応製品の数が少ない
Bluetoothは比較的新しい技術なので、一部ですがBluetoothに対応していないマウスもあります。また、古いパソコンなどでもBluetoothに対応していないことがあるので、両方が対応していることをよく確認しましょう。具体的には製品ページなどで「インターフェース」という項目に書いてあることが一般的です。
ペアリングの設定が面倒
先述したように、Bluetoothマウスは最初にペアリング設定が必要です。ペアリングが必要なのは最初の1回だけであり、トラブルが起きなければそれほど難しい作業ではありません。
しかし、機器同士の接続タイミングが合わなかったり、認証できなかったり、といった面倒なトラブルが起きることもあります。その場合は取扱説明書を確認するか、それでも解決しないならメーカーや専門業者に依頼してみることをおすすめします。
2.4GHz無線マウスの特徴
2.4GHz無線電波とは?
2.4GHz無線電波は、周波数が高い短波の一種です。短波は直進性(まっすぐに進む性質)が強く、物体を貫通して情報を届けることができます。一般にはUHFと呼ばれることもあります。テレビの地上デジタル放送に使われるUHFアンテナでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
2.4GHz無線電波はテレビだけでなく、電子レンジや無線LANなどに広く使われており、周囲に多く飛び交っています。そのため、ときどき電波が混信し、うまく情報が伝わらない場合があることを覚えておくとよいでしょう。
USBレシーバーを使う
Bluetoothマウスと異なり、2.4GHz無線マウスは、無線電波を使った情報のやり取りのためにUSBレシーバーが必要です。USBレシーバーはマウスの製品に同梱されており、パソコンのUSB端子に接続して使います。
大きさは硬貨ほどのサイズで、無線電波の届く範囲は3~10メートルと広く、部屋の中など室内では十分に電波が届きます。
2.4GHz無線マウスのメリット
すぐに使える
2.4GHz無線マウスはUSBレシーバーが必要なのですが、USB端子はパソコンに標準装備なので、すぐに使い始めることができます。
Bluetoothのようにペアリング設定が必要なく、マウスとパソコンの対応関係が1対1でわかりやすいメリットがあります。
対応製品の数が多い
先述したように、Bluetoothの場合は一部対応していないマウスもあります。それに対して、2.4GHz無線マウスは多くのワイヤレスマウスが標準対応しており、製品の種類も豊富です。したがって、若干ですが2.4GHz無線マウスのほうが対応製品の数は多くなります。
2.4GHz無線マウスのデメリット
USBレシーバーが必要
USBレシーバーはわかりやすくて便利な反面、USBポートを1つ占有してしまうというデメリットもあります。また、USBレシーバーは硬貨ほどのサイズで小さいため、紛失してしまう可能性も高くなってしまいます。取り外した際は、マウス本体の裏面などに格納できるタイプもあるので、確認してみましょう。
接続可能な本体機器の種類が少ない
2.4GHz無線マウスは基本的にパソコンかノートパソコンにしか接続できません。なぜなら、2.4GHz無線マウスはUSBレシーバーが必要であり、スマートフォンなどにはUSB端子が搭載されていないためです。スマートフォンやタブレット機器で使うためには、マイクロUSB端子への変換アダプターが別途必要になります。
さまざまな本体機器に接続できるという点では、Bluetoothマウスのほうが利便性が高いと言えるでしょう。
Bluetoothマウスと2.4GHz無線マウスの比較
2つのマウスの比較表
Bluetoothマウスと2.4GHz無線マウスの比較を表にまとめると以下のようになります。
Bluetoothマウス | 2.4GHz無線マウス | |
---|---|---|
USBレシーバーの有無 | なし(不要) | あり(必要) |
接続可能な本体機器の種類 | タブレットなども可能 | パソコン・ノートパソコン |
対応製品の数 | 比較するとやや少ない | 多い |
ペアリング作業 | 必要 | 不要 |
共通のメリット
Bluetoothマウスと2.4GHz無線マウスはどちらもワイヤレスマウスなので、ここからは両方に共通するメリットを見ていきましょう。
パソコン周りがすっきりする
ワイレレスマウスの主なメリットは、有線コードがないことでパソコン周りが整理され、すっきりとすることです。掃除やメンテナンスをするときも楽ですし、コードに引っかけて物を倒してしまうようなことも起こりません。
また、有線マウスの場合はコードが絡まっていたり、歪んでいたりすると、操作に影響が出る場合があります。その点では、ワイヤレスマウスは快適な操作性があるとも言えるでしょう。
離れたところからでも操作可能
ワイヤレスマウスは本体機器から少し離れた位置からでもマウスポインタを動かして操作することが可能です。
なぜならBluetoothマウスも2.4GHz無線マウスも電波範囲は約10メートルが一般的だからです。したがって、日常的な使用はもちろんのこと、少し広いオフィスでも離れた位置から安定して操作できます。これならビジネスシーンでの活躍も期待できますね。
携帯できる
ワイヤレスマウスはコードがないため、カバンやポケットに携帯して持ち運ぶことができるメリットがあります。したがって、外出先や移動中でも使うことができるため便利です。
例えば、ノートパソコンとワイヤレスマウスのセットがあれば、外出先や移動中でも使うことができます。ビジネスや旅行の際にも便利です。
共通のデメリット
電波干渉や頻繁な電池交換など、両方に共通するデメリットもあることに注意してください。
電波干渉が起きることがある
ワイヤレスマウスは無線電波を使うため、パソコン本体との通信がときどき不安定になるデメリットがあります。
特に電波干渉には注意が必要です。電波干渉とは、同じ周波数帯域の電波が干渉し合って、通信に支障が出る現象です。2.4GHzの無線LAN、スマートフォン、電子レンジなど、周囲に無線電波を使う機器が複数あると起こりやすくなります。
ワイヤレスがうまく接続できない、操作中に突然切れる、マウスが動かない、といった場合は周囲の使用環境を確認してみてください。そして、ワイヤレスマウスを使うときは、できればそれらの機器から離れて使用するようにしてください。
電池交換が面倒
有線マウスはコードを通してマウスに電力を供給できますが、ワイヤレスマウスは電池または充電によるマウスへの電力供給が必要です。一般的には電池式の製品が多いのですが、電池式は製品によっては頻繁に電池交換が必要となる場合があることに注意が必要です。
電池式は外出時でもコンビニなどで容易に調達できるため、急な電池切れにも対応しやすい利点もあります。しかし、頻繁な電池交換となるとやはり面倒なので、できるだけ電池寿命の長い製品を選ぶことをおすすめします。電池寿命が長いということは、長期的な費用の面からも有利になります。
それでも電池交換が面倒だと感じられる場合は、充電式のマウスを検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
今回の記事ではBluetoothマウスと2.4GHz無線マウスの特徴やメリット、デメリットを解説し、両者を比較しました。
ポイントはUSBレシーバーのメリット、デメリットをどう感じるかと、タブレットなどパソコン以外の機器にも接続したいかどうかです。パソコンとの対応関係がわかりやすく、ペアリング設定も必要ないことを重視すれば2.4GHz無線マウスのほうがよいでしょう。USBポートが1つ減ってしまう、他の機器にも接続したいという場合はBluetoothマウスがおすすめです。
また、両方に共通するワイヤレスマウスのメリット、デメリットについても触れました。周囲の電波の使用状況、製品の電池寿命をよく確認することが大切です。これらのポイントを抑えながら、ご自身に合った1台を見つけてみてください。