パソコンを大画面のプロジェクターに写そう!
パソコンにプロジェクターを繋げば、ビジネスシーンでのプレゼンテーションや家庭でのホームシアターに活用できます。パソコンとプロジェクターの接続方法は、基本を理解すればさほど難しくありません。
今回の記事では、パソコン用のプロジェクターの選び方やパソコンとの接続方法、映像や音が出ない場合の対処方法などをご紹介します。
パソコン用プロジェクターの選び方
ビジネス用プロジェクターとホームシアター用プロジェクターの違い
パソコン用のプロジェクターには、大きく分けてビジネス用とホームシアター用があります。目的に応じて購入するプロジェクターを決めるとよいでしょう。
ビジネス用プロジェクター
ビジネス用プロジェクターは、会議室やホールなど比較的明るい場所でもはっきりと投写できるよう輝度が2,500ルーメン以上と明るいことが大きな特徴です。上下方向の台形補正だけでなく、左右方向の台形補正機能が付いているモデルを選べば斜め後ろからも投写できて便利です。
ホームシアター用プロジェクター
ホームシアター用プロジェクターは暗室で使用することを前提に輝度を1,000~2,000ルーメン程度に抑えて設計されており、映画特有の暗いシーンでもくっきりとした映像を投写できます。コントラスト比を高めることで、黒色の表現力に優れているのが大きな特徴です。5万円程度のエントリーモデルから、数百万円のハイエンドモデルまで幅広くラインナップされています。
ブルーレイディスクや動画ストリーミングサービスを美しい画質で楽しむのなら、フルHD(1920×1080)や4K(3840×2160)対応のモデルがおすすめです。
モバイルプロジェクター
最近は持ち運び可能なモバイルプロジェクターも人気です。バッテリー内蔵でどこでも使えるので、出先でのちょっとしたプレゼンテーションやキャンプなどアウトドアシーンで大活躍。輝度は100~500ルーメン程度と低めで、画質もSD(854×480)程度が中心ですが、使う場所を選ばない柔軟さと可搬性が大きな特徴です。
対応解像度とパネル画素数の違い
プロジェクターの画質のスペックには「対応解像度」と「パネル画素数」の2つの要素があります。
対応解像度
対応解像度は、パソコンから入力できる映像の最大解像度の規格ことです。フルHD対応なら1920×1080画素まで、4K対応なら3840×2160画素まで入力できます。
パネル画素数
パネル画素数は、実際にプロジェクターが投写できる画素数のことです。フルHDなら1920×1080画素で、4Kなら3840×2160画素で投写します。
対応解像度が4K、パネル画素数がフルHDのプロジェクターにパソコンから4K映像を出力すると、プロジェクターが4KからフルHDに画質を落として投写する仕組みになっています。
パソコンとプロジェクターの接続方法
パソコンとプロジェクターを接続する規格は、主にVGAとHDMIが一般的です。その他、USBやWi-Fiで接続する方法もありますが、利用シーンは限定的です。
VGAケーブル(アナログ)
VGA端子はアナログRGB端子とも呼ばれ、アナログ信号により映像を入出力します。多くのプロジェクターには、VGA端子が標準装備されています。VGAは音声の入出力ができないので、別途パソコンのイヤホンジャックからプロジェクターやAVアンプ、アンプ内蔵スピーカーなどのRCA端子にケーブルでつないで出力します。
デスクトップパソコンやビジネス向けノートパソコンにはVGA端子が搭載されているケースが多いのですが、最近の薄型モバイルノートパソコンにはVGA端子は搭載されない傾向にあります。
VGAは古くからある規格なので、広く普及していることが大きなメリットです。講演会やプレゼンテーションなどで会場のプロジェクターに持参したノートパソコンを接続する場合、VGAなら大抵は接続可能です。ケーブルもプロジェクター側で用意されている可能性が高いでしょう。
一方、あくまでもアナログ信号なので、HDや4Kといった高画質をそのまま伝達することができないことがデメリットになります。ブルーレイディスクの再生など、高画質で迫力の大画面を楽しみたいのなら次項のHDMI接続がおすすめです。
HDMIケーブル(デジタル)
HDMI端子は、デジタル信号により映像と音声を1本のケーブルで入出力できる新世代の規格です。最近のテレビやゲーム機、プロジェクターといった映像機器の多くは、このHDMIをメインの入出力インターフェィスに採用しています。
多くのデスクトップパソコンやノートパソコンも、HDMI端子を標準装備しています。モバイルノートパソコンやタブレットは、端子のサイズが標準のタイプAより小さいタイプC(ミニ)やタイプD(マイクロ)の場合があるので、ケーブル選びには注意が必要です。
音声をプロジェクターの内蔵スピーカーから出力する場合は、HDMIケーブル1本だけで大丈夫です。音声を別のAVアンプから出力する場合は、パソコンからAVアンプへHDMI出力し、さらにAVアンプからプロジェクターへHDMI出力するリレー方式が一般的です。
最新の規格であるHDMI2.1はHDや4Kだけでなく10Kまでサポートするなど、高解像度の映像を劣化なく伝達できることがHDMIの大きなメリットです。
あえてデメリットを挙げると、バージョンがあがっていくに連れて追加された機能の互換性が複雑なことです。機器同士のバージョンとケーブルのバージョンを併せて上げていかないと、最新機能が使えない場合があるのです。
Macの場合
Macをプロジェクターに接続する場合、HDMIポートが搭載されているモデルならHDMIで接続するのがおすすめです。HDMIポートが搭載されていないモデルの場合、Thunderboltポートを使います。Thunderboltポートにmini Display PortからVGAまたはHDMIに変換するアダプターを接続することで、一般的なプロジェクターに接続できるのです。
パソコンの画面をプロジェクターに投影する操作方法
VGA接続でもHDMI接続でも、パソコンとプロジェクターを接続すれば自動的に映像がプロジェクターに出力されるように設定されています。
ただしOSやパソコンのモデルによってはファンクションキーで映像出力先の切替が必要な場合もあります。ファンクションキーはパソコンメーカーによって異なるので、取扱説明書やメーカーWebサイトなどで確認してください。
ファンクションキーで映像の出力先を切り替えることで、「パソコンのみ」・「プロジェクターのみ」・「パソコン+プロジェクター」を選ぶことができます。
パソコンとプロジェクターを接続しても映像が映らない場合の対処方法
1.パソコンの映像出力先が切替えられていない
パソコンとプロジェクターをVGAやHDMIケーブルで接続すると、自動的にパソコン側の映像の出力先がプロジェクターに切り替わります。しかし、もし自動で切り替わらなかった場合は、ファンクションキーで手動で切替ができます。どのファンクションキーが切替スイッチになっているかはメーカーによって異なります。
2.プロジェクターの入力先が切替えられていない
プロジェクター側には、映像の入力を切り替えする機能があります。例えば、【HDMI1】端子にケーブルを接続しているのに、プロジェクターの入力が【HDMI2】になっていると映像が写りません。この場合はプロジェクターのリモコンの入力切り替えスイッチで【HDMI1】を選択します。
3.HDMIケーブルの相性問題
HDMIケーブルには機器同士とケーブルの相性が合わないと映像が映らない場合があります。また、一般的に5m程度がケーブルの長さの限界で、それ以上のケーブルだと画像の劣化や遅延が発生する可能性があります。
その他、ケーブルや端子が破損・劣化している場合もあるので、上記の対処法で改善されない場合は、パソコン修理専門の弊社にお問い合わせ頂ければ迅速に対応致します。
プロジェクターで音が出ない原因と対処方法
パソコンとプロジェクターを接続しても音が出ない場合、下記の事項を確認してみてください。
1.パソコンのスピーカー音量がミュートや小音量になっている
パソコン側のスピーカー音量がミュートや小音量だと、スピーカーからの音声が聞こえません。ファンクションキーやタスクバーのスピーカーアイコンからスピーカー音量を調整してみてください。
2.動画再生ソフトの音量がミュートや小音量になっている
DVDやブルーレイディスクを再生しているソフト(Windows Media Playerなど)の音量がミュートや小音量だと、スピーカーからの音声が聞こえません。再生ソフトのボリュームスライダーで音量を調整してみてください。
3.VGAケーブルしか接続していない
VGA接続の場合、VGAケーブルは映像しか伝達しません。音声をプロジェクターやAVアンプから出力するなら、別途イヤホンジャックからプロジェクターやAVアンプのRCA端子へのケーブル接続が必要です。
4.パソコンの音声出力デバイス
パソコンの音声出力デバイスが自動で切替えられていない場合があります。この場合は、WIndows 10ならコントロールパネル>システム>サウンドから出力デバイスを切り替えてみてください。
その他、ドライバーが破損している場合などもあるので、上記の対処法で改善されない場合は、パソコン修理専門の弊社にお問い合わせ頂ければ迅速に対応致します。
まとめ
パソコンにプロジェクターを追加すると新しい世界が広がります。ビジネスシーンならプレゼンテーションやワークショップに活用。家庭なら、手軽に夢のホームシアターを構築できます。今回の記事を参考に、ぜひパソコンにプロジェクターを繋いでみてください。