スマートフォンと従来のガラケーは何が違うの?

スマートフォンと従来のガラケーは何が違うの?

最近の携帯電話はスマートフォンが主流で、従来型の物理ボタンを持つ携帯電話を見る機会が少なくなりました。そのため従来の携帯電話で受けられていたサービス(会員登録や割引クーポンなど)が終了したり、そういった携帯電話向けウエブサイトも減りつつあります。

それらのサービスを積極的に利用していた人にとっては、スマートフォンに乗り換える必要性も感じ始めているかもしれません。ですが従来型からスマートフォンに乗り換えるのには不安を感じる人もいるでしょう。

そういう方々のために本記事ではスマートフォンと従来型の携帯電話はどういった違いがあるのか?、スマートフォンに乗り換えた場合どんなメリットやデメリットがあるのか?>などを解説いたしましょう。

スマートフォンとガラケーの具体的な違いは?

「スマートフォン」と「ガラケー(*1)」あるいは「フィーチャーフォン」と呼ばれる従来型の携帯電話は、どちらも携帯電話機であることには違いがないのですが、メインとなる用途と設計思想が異なります。

各ユーザーの主な目的のために様々なアプリケーションを導入できることからも、スマートフォンは電話というよりも「インターネットにつなげられる小さなパソコン」とイメージしたほうが理解しやすいでしょう。

ですが機器自体に備わっている機能にはそれほどの違いはありません。スマートフォンと従来のガラケーを比べるために、備えている機能を書き出してみました。

・電話をかける
・電話帳に連絡先を登録&発信
・着信音を変える
・電子メール(Eメール)の送受信
・SMS(Cメール)の送受信
・絵文字の入力
・インターネットに接続
・写真を撮る
・動画を撮る
・音声の録音
・QRバーコードを読み込む
・アラーム&タイマー
・スケジュール管理
・メモをとる
・壁紙(待受画面の背景)を変える
・暗証番号でロックをかける
・Bluetoothで無線イヤホンを接続する
・Wi-Fi親機に接続してインターネットに繋ぐ
・テザリングで他のWi-Fi対応子機を繋ぐ

上記の機能はスマートフォンで一般的に使える機能ですが、実はガラケーでも同様に使える機能なのです。(例:AQUOS ケータイ SH-02L)

いまでこそほとんどのサービスが終了してしまいましたが、かつてのガラケーではゲームを遊ぶこともできましたし、配信された音楽を聴くこともでき、それを着信音に設定することもできました。

決定的な違いがあるとすれば……
・電話番号を入力するための物理ボタンがなく、画面全体を広く入力のために利用できること
・アプリを導入し、もともとの機能を強化したり、備わっていない機能をつけたりできること
スマートフォンにあるこの2つの特徴が、従来のガラケーとはもっとも違う部分と言えるでしょう。

*1…ガラケーとは「ガラパゴスケータイ」の略称で、スマートフォン以前の主流であった物理ボタン式、あるいは二つ折り式などの携帯電話をさす言葉です。スマートフォン以前、日本以外の諸外国の携帯電話は電話とメールと写真が撮れるぐらいの機能しか持たないものがほとんどでした。

同時代、海外の一般的な携帯電話とは異なり日本の携帯電話には非常に多くの機能が付いており、ガラパゴス諸島の動物のように独自の進化をしていることを例えて「ガラパゴスケータイ」略して「ガラケー」と呼ばれていました。

本来ガラケーという言葉にはそれ以上の意味はありませんでしたが、スマートフォン利用者の一部が「ガラケー」を侮蔑する言葉として使用することが多くなりました。
そのため一部のメディアでは無用の衝突を避けるために、従来型の携帯電話を「ガラケー」ではなく「フィーチャーフォン」という呼び方をする場合もあります。

参考:AQUOS ケータイ SH-02L – docomo

スマートフォンだからできる便利なこと

ネット接続が前提だからこそできる、スマートフォンならではの機能をいくつかあげてみましょう。

音声入力でメモを取ることができる

スマートフォンに備わっている音声入力の日本語認識精度はかなりのもので、固有名詞はもちろん、文の内容に合わせた漢字を適切に入力してくれます。

散歩中や寝る直前に思いついたことでも、素早く簡単に文字としても記録できるので「さっき良いアイディアを思いついたのだけれど忘れちゃった」というようなことを防いでくれます。

実はコンピューター単体で音声入力の精度は現在でもそれほど高くはありません。Google音声入力などの精度が高いのは、スマートフォンやインターネット経由で得られた大量のデータを人工知能が学習してそれを反映しているからなのです。

そのため、Google日本語入力はネットに繋がっていないと利用できません。ネットに常時接続していることを前提としたスマートフォンならではの機能といえるでしょう。

暇つぶしに本を読んだり映画を見ることができる

読書や動画視聴は小さなスマートフォンだとやや見づらいでしょうが、画質を問わず内容に没入する必要もなく、短い時間で見られるYouTube(ユーチューブ)の動画などを暇をつぶす目的で見るのであれば、持ち歩きやすいスマートフォンのほうが適しているでしょう。

引用:Google Play(グーグル プレイ) ストア

最新の電子マネーを利用できる

「おサイフケータイ」と呼ばれる携帯電話で利用できる電子マネーは、専用のICチップを搭載したスマートフォンやガラケーでないと利用することができません。またdocomoなどの大手キャリアとの契約でないと使えない場合もあります。

ですがQRコードを表示し、それを読み取ってもらうタイプの電子マネーであれば、すでにスマートフォン用アプリが各種利用できるようになっています。このタイプの電子マネーとして有名なのは「PayPay(ペイペイ)」「楽天Pay」「LINE Pay(ラインペイ)」などがあり、対応店舗も広がりつつあります。

スマートフォンなら購入時にはその機能がなくても、アプリによってあとから機能を実装することができるので、ICチップのない機種でも最新の電子マネーを利用することもできるのです。

無限の可能性がある?

電子マネーを例にあげましたが、あとからアプリで備わっていない機能を実装できるということはちょっと大げさですが無限の可能性がある!ともいえるでしょう。

・入力したスケジュールやデータをタブレットやパソコンと共有
・パソコンやゲーム機を遠隔操作
・選択した文字列やファイルを他端末に送信する
なんてこともできてしまうのはスマートフォンならではの強みです。

扱いやすさはどちらが上?

ガラケーは基本すべての操作を”電話用の限られた数のボタン”だけで行わなくてはなりません。しかし、スマートフォンはタッチパネル(画面全体)を操作に使えるので、アプリごとに適した入力方法を提供することができます。

スマートフォンでは日本語を入力するときなど、従来のガラケーと同じ入力方法も使えますし、横画面にすればパソコンのようなキーボード入力に切り替えることもできます。日本語入力アプリによっては音声入力も使えるので、どちらの操作方法も苦手な人でも長文が入力しやすくなっているのです。

※アプリによっては手書きでメモを残すことができるものもあります。

日本語入力以外の操作関係でもスマートフォンのほうが直感的に操作ができます。

ガラケーには「らくらくホン」「かんたんケータイ」と呼ばれる、操作を簡略化したタイプのものがあり、各操作時に押すべきボタンが光ってガイドなどをしてくれます。
しかし、携帯電話自体になれていないと、光っているボタンがどの項目に対応しているのかわかりづらい場合もあります。

その点スマートフォンは画面の項目ボタンに直接触れて操作ができるので、ガラケーよりも直感的に操作ができます。またスマートフォンにも「らくらくスマートフォン4」や「BASIO3(ベイシオ スリー)」といった簡単に操作できるモデルもあるので、自信がなければそういったモデルを選ぶのもありでしょう。

参考:docomo らくらくスマートフォン4

参考:au BASIO3

※写真はau&京セラの「かんたんケータイ」

スマートフォンのメリット

画面が大きくて見やすい

従来のガラケーに比べると、比較的小型のスマートフォンでも圧倒的に画面サイズが大きいです。またネット閲覧時などそのままでは読みにくいサイトも、タッチ画面操作で簡単に拡大や縮小することができます。

もの作りに利用できる

アプリを導入すれば画像の加工(切り抜き、フィルターなど)、動画の切り貼りなど簡単な編集ならできてしまいます。またスマートフォン自体で何かを作らなくても、水平器・水準器アプリなどのツールアプリを導入すれば、日曜大工の補助ツールとしても使うことができます。

割引クーポンが入手しやすい

ガラケーの頃もメルマガ登録などでクーポンを利用できましたが、対応店舗の多さは圧倒的にスマートフォンのほうが上です。また需要の低下によりガラケー専用サイトの閉鎖やメルマガ配信の終了などがここ数年増えており、割引クーポンの発行はスマートフォンがメインになりつつあります。

スマートフォンのデメリット

サイズがやや大きくポケットに入れづらい

最近のスマートフォン……とくにiPhone(アイフォーン)などは大型化の傾向があるため、服や鞄のポケットがある程度大きくないとしまいにくいという欠点があります。画面が大きいのはネット検索や動画視聴などにはメリットですが、携帯電話として持ち歩くにはややデメリットです。

バッテリー消費が激しい

またスマートフォンはガラケーと比べるとバッテリー消費が大きく、電話やメールをほとんどしなくても3~4日程度しかバッテリーが持ちません。同じ条件ならガラケーは確実に1週間以上はバッテリーが持ってくれます。

スマートフォンで動画を見たり、SNSをしたり、ゲームをしていると半日程度でバッテリーが切れることも珍しくありません。よってスマートフォンを頻繁に使う人にとっては充電するためのケーブルや、充電用バッテリーがもはや必需品ともなっています。

故障しやすい

従来の携帯電話は大抵のものが二つ折り式で通常は画面やボタン部分が隠れているので、落としたぐらいではまず壊れません。しかし、スマートフォンは画面が大きくむき出しなので、保護フィルムや、保護ケースを使っていない場合などは画面にヒビが入ることも珍しくありません。

パソコン同様高度な精密機器なので、衝撃用保護カバーがないと落としたショックで内部の部品が壊れることもありますし、酷使するとバッテリーが過剰な熱を持ち部品の寿命を縮めることもあります。従来の携帯電話より慎重に扱うように心がける必要はあるでしょう。

高価なスマートフォンと安いスマートフォンの性能差

価格は性能に直結するので、どうしても高価なスマートフォンのほうが快適に動作します。とはいえ最近のスマートフォンは初期に比べだいぶCPUの処理性能が上がったので(2コア程度から4~8コアへ、動作周波数が1~2割増し)、安いものでも電話、スケジュール管理、メモ、写真や動画撮影など基本的な機能ではかくつきを感じることはまずありません。

この記事用に高度な処理能力が必要な3Dゲームを2つほど遊んでみましたが、私が所持している実売10,000円程度の安価なスマートフォンでも予想以上に快適に遊ぶことができました。

※画像は2つのうちの1つ「荒野のコトブキ飛行隊」3Dモデル戦闘機の空中戦が見所のゲーム

タッチパネルの反応も良く、アプリも同価格帯のタブレットより快適に動作するのでゲーム中も特にストレスはありません。購入前には現在のスマートフォン性能がここまで上がっているとは思いませんでした。

しかし、実売が10,000円以下(5,000~8,000円程度)のスマートフォンのなかには、処理速度が遅いのはもちろん、メモリが1ギガバイト、容量が16ギガバイト未満というものもめずらしくありません。過度に安いスマートフォンでは処理速度以外の面で不満が出る可能性もあります。

安価な無名ブランドのAndroidスマートフォンのなかにはGoogleに契約料を払っていないので、アプリをダウンロードするための[Google Playストアアプリ]が導入されていない機種もあります。安価すぎるものは購入を避けたほうが良いでしょう

ちなみにApple(アップル)から販売されているiPhoneシリーズは50,000~100,000円以上するモデルが標準だけにそういった心配は無用です。
平均性能が高く、アプリ動作も平均的なAndroidスマートフォンよりも軽快です。すべての機能において快適さを求めるのであれば、iPhoneシリーズのスマートフォンを選ぶと良いでしょう。

引用:App Store(アップストア)

まとめ

最近のiPhoneシリーズは基本性能が高いとは言え高価格化の一方です。iPhoneに限らず高価なスマートフォンは簡単に買い換えることが難しいだけに、画面にヒビが入ったまま使う人もちらほら見かけられます。

タッチパネルや筐体にヒビやゆがみがある状態では、本来設定されている防塵防水などの耐性はなくなり、小さな引掛けでも大きな故障を招いてしまうことがあります。
スマートフォンは高度な情報端末なので、もし故障してしまうとデータの損失や電子マネーの引き継ぎができないなど、端末代金以上の損失を招いてしまうこともありえます。

小さな故障でも長期間放置せず、大きな故障にいたらないうちにメーカーサポートや修理業者に依頼して正常に使用できる状態に直しておくことをおすすめします。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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