パソコンが重い! メモリの使用状況を確認しよう!

パソコンが重い! メモリの使用状況を確認しよう!

パソコンでの作業中、急にパソコンの動きが遅くなったり、反応が鈍くなったりすることはありませんか? 
たとえば、書きかけの文書を保存しようとしてもなかなか保存が完了しなかったり、ブラウザでWebサイトを閲覧しようとしてもなかなか画面が表示されなかったり……。普段パソコンをお使いの方なら、処理中を示すカーソルがいつまでもくるくる回り続けてイライラしたという経験は、どなたもお持ちなのではないでしょうか。
そんなパソコンの動作が重く感じられる原因は、メモリと呼ばれるパソコンの記憶装置の容量が不足していることによるものかもしれません。ここではメモリの搭載量や使用状況の確認方法などについてご紹介していきます。

そもそもメモリって何だろう?

パソコンにおいて、メモリはどのような役割を担っているのでしょうか。メモリという名称は、英語で「記憶」を意味する「Memory」から来ており、文字通り、作業中のデータを記憶する役割を担っています。
“データの記憶”というと、パソコンに内蔵されているHDD(ハードディスクドライブ)を思い浮かべるかもしれません。確かにHDDもメモリもデータを記憶する装置なのですが、HDDがデータを長期間にわたって保存するのに対し、メモリは作業中のデータを一時的に記憶するという違いがあります。そのため、HDDに保存されたデータはパソコンの電源を落としたり、再起動しても消えてしまうことはありませんが、メモリに記憶されたデータは電源OFFや再起動で消えてしまいます。
また、メモリはHDDに較べて、読み書きの速度が速いという特徴もあります。

メモリとHDDの役割の違い

なぜパソコンにはメモリとHDDという2つの記憶装置が必要なのでしょうか。

わかりやすく説明するためのたとえとして、デスクで企画書を作成しているシーンをイメージしてみてください。この企画書を完成させるには、たくさんの参考資料が必要だとします。そのため、キャビネットや本棚などから資料を持ってきて、デスクの上に広げながら、企画書づくりを進めます。このとき、資料を収納していたキャビネットや本棚がHDD、資料を広げているデスクがメモリに該当します。
参考資料を参照するのに、いちいちキャビネットから取り出したり戻したりを繰り返していては、効率が良くありません。そこで、作業中はデスクの上に資料を出しっぱなしにしておいて、いつでもすぐ参照できるようにしておくのが一般的です。
パソコンも同じです。いちいちHDDとデータをやりとりしていては効率が悪いので、読み書き速度の速いメモリ上に必要なデータを一時的に記憶させて、処理を行っているのです。つまり、メモリとは、いままさに行っている作業を円滑に行うための作業スペースなのです。

メモリ不足とはどんな状態のこと?

メモリの役割はおわかりいただけたと思います。では、パソコンのパフォーマンスを低下させるメモリ不足とは、どのような状態をいうのでしょうか。
上記のたとえでいうなら、デスクの上の資料が多くなり過ぎた状態です。すぐ参照できるようデスクの上に置いたにも関わらず、資料が増え過ぎた結果、必要な資料が見つけにくくなり、作業効率が下がってしまう。これがメモリ不足です。
パソコンでいえば、複数のアプリケーションを起ち上げたり、たくさんのファイルを開いている状態です。これが長時間続くと、メモリが不足して、パソコンの動作が重く感じられるようになるわけです。

このメモリ不足の状態を解消するには、2つの方法があります。
ひとつは、パソコンの再起動です。これにより、メモリに一時的に記憶されたデータが消去され、メモリ不足が解消されます。たとえでいうなら、デスクをいったんきれいに片づけて、再度、作業を始めるというところでしょうか。
しかし、そもそものデスクが狭ければ、またすぐに資料でいっぱいになり、メモリ不足を招いてしまいます。そのため、デスク自体を大きくするという方法があります。これがメモリの増設です。

メモリの搭載量の確認方法

もしパソコンで作業中、頻繁に動作が重く感じられるなら、そもそものメモリ容量が足りないという可能性があります。上記のたとえでいうならば、作業内容から見て、デスクが狭過ぎるということです。
では、まずご自身のパソコンにどれくらいのメモリが搭載されているのかを確認してみましょう。ちなみにメモリの単位はおおむねGB(ギガバイト)で表示されます。

●Windows10の場合
(1)スタートメニューから歯車のアイコンをクリックします。
(2)「Windowsの設定」画面が現れるので、「システム」をクリックします。
(3)左のメニューから「バージョン情報」をクリックします。
(4)「デバイスの仕様」欄の「実装RAM」のところに記載されている数字が、搭載されているメモリの容量になります。

●Macの場合
(1)左上のアップルマークのプルダウンから「このMacについて」を選択します。
(2)小さなウインドウが現れます。
(3)上部タブの「概要」をクリックすると、「メモリ」の搭載量が表示されます。

大抵のパソコンの場合、メモリ搭載量は「2GB」「4GB」「8GB」が一般的です。

メモリの使用状況の確認方法

次に、作業中のメモリの使用状況を調べてみましょう。先ほどのメモリ搭載量がデスクの広さの確認ならば、メモリの使用状況は作業中のデスクの上がどれくらい埋まっているかを確認することになります。
起ち上げたばかりの何も作業していないパソコンはほとんどメモリを使用していません。そこで、まずは日頃よく使っているアプリケーションを起ち上げ、いくつかのファイルを開いて、普段のパソコン作業中の状態を再現してみましょう。その上で、メモリがどれくらい使われているのかを調べてみます。
メモリの使用状況は、Windowsは「タスクマネージャー」、Macは「アクティビティモニタ」で確認することができます。それぞれの確認方法は以下の通りです。

●Windows10の場合
(1)スタートメニューの「アプリ項目」をスクロールし、「Windowsシステムツール」から「タスクマネージャー」をクリックします。あるいは、画面下のタスクバーを右クリックし、「タスクマネージャーを起動」を選択します。
(2)タスクマネージャーの簡易画面が現れたら「詳細」をクリックします。
(3)上部タブの「パフォーマンス」をクリックします。
(4)左下に「メモリ」と記載された図が現れ、そこに数字が記載されているでしょう。それが現在使用しているメモリの量です。さらに下部のステータスバーには、使用状況がパーセントで表示されています。この割合が100%に近ければ近いほど、メモリがたくさん使われていることになります。

●Macの場合
(1)Finderの「アプリケーション」をクリックします。
(2)その中から「ユーティリティ」をクリックします。
(3)さらに「アクティビティモニタ」をクリックします。
(4)上部タブの「メモリ」をクリックします。
(5)画面下部のウインドウの「使用済みメモリ」欄の数字が現在使用中のメモリの量になります。また、その上記にある「物理メモリ」が搭載されているメモリの容量です。使用中のメモリ量が搭載量に近づくほど、メモリの使用量が限界に近づくことになります。

メモリの使用量はパソコンの処理状況によって刻々と変わるため、使用状況がどのくらいならメモリ不足ということは一概にはいえません。しかし、おおむねメモリ搭載量の70%以上使用すると、徐々にパソコンの動きが鈍くなる傾向にあります。
普段の作業を行っている状態で、すでにメモリ使用量が搭載量の70%前後まで達しているようであれば、メモリを増設して搭載量を増やすことをおすすめします。

快適にパソコンを使うためのメモリ容量の目安

どれくらいのメモリ容量があれば、パソコンのパフォーマンス低下に煩わされることなく、作業ができるのでしょう。
以前は、2GBのメモリが搭載されていれば大抵の作業は快適に行えました。しかし、近年のパソコンは処理性能が上がったことで、よりメモリを使うようになっています。パソコンによっては起動させるだけで1GB近くメモリを使用するものもあり、2GBではメモリ不足になりがちです。
文書作成、表計算、メールなどといった一般的な事務作業や、Webサイトの閲覧、音楽を聴くなどの作業なら、4GBのメモリ容量があれば十分です。
ただし、これらの作業を同時に行ったり、高画質の画像や動画を編集したり、3Dゲームなどを行ったりする場合は、8GBまたはそれ以上のメモリを搭載することをおすすめします。

メモリを増設するための注意点

メモリの容量が足りない場合は、メモリを増設することになります。最後にメモリを増設する場合の注意点についてご紹介しておきましょう。
メモリの容量は多いに越したことはありませんが、パソコンの機種によってメモリ容量の上限は決まっており、無制限に増やすことはできません。また、メモリは小さな基板の形状をしており、「スロット」と呼ばれるパソコン内部のメモリ増設場所に挿入して使います。近年の一般的なパソコンには大抵2〜4のスロットが用意されていて、そこに空きのスロットがなければ増設できません。もしメモリの最大搭載量に余裕があるのに、スロットに空きがない場合は、現在搭載されているメモリをより容量の多いメモリに交換することになります。
また、パソコンの機種によってメモリの種類や規格が異なるので、増設用のメモリを購入するにあたっては、あらかじめ対応するメモリの種類・規格を調べておく必要があります。
こうした搭載するメモリの種類、最大容量、スロットの数などは、使用しているパソコンの取扱説明書を参照するか、もしくはメモリの販売元メーカのホームページでパソコンの型番を入れて調べることができます。
なお、メモリの増設はドライバー1本で比較的簡単に行うことができます。販売元メーカのホームページには増設のやり方なども詳しく説明されていますので、参照してみてはいかがでしょうか。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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