2014年の4月9日をもってサポート終了となったOS、Windows XP。自宅や会社で使っているパソコンのOSが、XPだという人はまだまだ少なくありません。それどころか、パソコンユーザーの3割はXPを使い続けています。さらにそのユーザーのの多くが、買い替えやOSの載せ替え予定がないと回答しています。XPユーザーの大半が、「サポート終了を気にしていない」「またはそれ自体を知らない」ようです。しかしこのサポート終了という事実、XPユーザーは「無視できない・気にしなければ」いけない事実です。サポート終了が及ぼす影響は、XPユーザー全員に振りかかる事態です。
そもそも、「サポート終了とはどういうものなのか」知らない人も多いようです。サポート終了とは、XPを開発・販売したマイクロソフトによるサポートが終了するということ。マイクロソフトはこれまで、XP向けの更新プログラムの提供していました。これにはXPに問題が発見された時、補う・修復する役割がありました。XPのサポート終了とは、これがなくなるということです。
サポート終了と聞いて、中にはパソコンが使えなくなると思ってしまう方もいるようです。しかし実際にはそんなことはありません。サポート終了によって、パソコンが壊れるわけでも、起動しなくなるわけでもない。使いたければパソコンを起動させ、使うことは可能です。
- しかし、今後もXPを使い続けることには大きなリスクを伴います。
サポート終了後も、XPのパソコンを使い続けることはできる。先述ではそうお話しました。プログラムの提供がなくなるだけで、起動させる・使うことは可能だと。しかしサポートが終了することによって、様々なものが失われ、様々な問題や危険が発生します。たた不便になるだけなら、そのまま使い続けても問題ないかもしれません。しかし、不便だけでは済まない「XPユーザーが損害を受ける可能性」がサポート終了によって引き起こされます。また最悪、犯罪に加担してしまうかもしれないリスクがあるということを、知っておいてください。
セキュリティ更新プログラムの提供停止のほか、仕様変更や新機能のリクエストを受けることができません。今後受けられるサポートは、Web上のオンラインヘルプのみとなります。
今まで提供していたサービスが受けられなくなる
XPと共にOffice2003もサポートを終了。、また各ソフトウェア会社もXP向けのサポートを終了。既存ソフトのアップデートのほか、XPに対応する最新ソフトも徐々に少なくなります。
XP対応アプリは作られないアップデートもされない
XPに搭載されたブラウザのIE6。XPのサポート終了により、今後IE6で正常に表示されるウェブサイトはますます減ります。またXPをサポートを発表したブラウザも大幅に減ります。
正常にサイトを閲覧できないXPで表示できるサイトも減る
更新プログラムや修正プログラムが配信されないので、XPに問題が不具合といった脆弱性が見つかってもそのまま。改善されることはありません。
脆弱性が改善されない
問題が蓄積する
問題が発生しても修正されず蓄積されるため、パソコンに負担をかけることになります。その負担をかけたまま使用を続けると、正常に動作しなくなる可能性があります。
XP対応アプリは作られないアップデートもされない
なんの対策をせずに今まで通りに使っていると、パソコンが正常に使えなくなることが目に見えています。XPを使うには対策を取り、注意をしないといけません。
正常に使うためには
様々な対策が必要不可欠
脆弱性が発見されても修正されないため、その脆弱性を突いたウイルスが大量に広まる危険があります。またXPのサポート終了から時間が経つほどウイルスに感染する確率が上がります。
脆弱性が改善されない
問題が蓄積する
ウイルスに感染したパソコンのメールなどを行うと、通信相手にウイルスを移してしまう危険が。またパソコン内の自分や他者の個人情報が抜き取られ、悪用されるということも。
個人情報を流出させる
ウイルス媒介となり振りまく
一時期世間を騒がせた「遠隔操作ウイルス」に感染する確率も、7や8などの他のOSよりも格段に上がります。感染に気付かず、犯罪に加担してしまうということになりかねません。
パソコンを乗っ取られ
犯罪に使われることも
XPを使い続けるには「不便」がある「障害」もある「危険性」が増すという点を頭に置いても、使い続けたいという方。そんなXPユーザーのために、XPを「安全に使うために最低限必要なこと」をお教えいたします。これはあくまでも最低限必要なことであり、これさえすれば安全に使える方法というわけでもありません。また快適に使い続けられるというわけでもなく、むしろ不便になってしまいます。「XPを使い続けるためなら労力を惜しまない!」というXPを愛してやまない方のみお試しください。それ以外の方には、正直にいってXPからの乗り換えをオススメします。
提供されたすべてのセキュリティ更新プログラムを適用
サポート終了までに提供されたセキュリティ更新プログラムは、すべて適応させましょう。プログラムが提供されたということは、何らかの問題が発見されたということ。適応させていないものがあればすぐに適応させ、最新の状態にしてください。
XPの脆弱性を補うセキュリティソフトを導入する
ウイルス対策ソフトの導入だけでは、今までに発見されたウイルスの感染を防ぐことしかできません。これからXPで「発見されるであろう脆弱性を補える」セキュリティソフトを選び、インストールしてください。使いこなしが難しいですがEMETが例に挙げられます。
インターネットに繋がない
ウイルスや不正プログラムに感染する確率が大幅に高まります。
USB、HDDに繋がない
ウイルスや不正プログラムに感染したものを繋ぐ危険性があります。
ブラウザにIEを使わない
IE6やIE7などの古いブラウザは、セキュリティ性が低いため危険です。
メールはクラウドサービス
Outlook Expressなどのソフトはセキュリティ性が低いため危険です。
- 対策をしても今後もXPを使い続けることには大きなリスクを伴います。
更新プログラムの適用、脆弱性を補うソフトを入れるなどの対策。これは分かるけれど、「インターネットに繋がない」「USB,外付けHDDに繋がない」などの対策では、まともにパソコンを使えない。そう思った方は、素直にXPから卒業することをオススメします。XPをそのまま使うことは危険で、労力が必要ということは上記で何度もお伝えしました。その労力を惜しむのであれば、サポート期間の長いWindows7やWindows8に乗り換えるほうが得策です。
Windows7はXPの上位互換といえます。XPから大きな使用変更のないWindows7なら、XPを使い慣れたユーザーであれば自然と使いこなせるはず。XP対応のアプリケーションも使えます。
敬遠されがちなWindows8ですが、デスクトップ画面を表示させればそこまで変わりません。インターネットを使うぐらいのライトユーザーであれば、Windows8への乗り換えもオススメできます。
- XPは古いパソコン。スペックによっては、正常に動作しないことも。
サポートが終了し、脆弱性が見つかっても修正されなくなった今。XPは今まで以上に狙われています。悪意あるプログラムやウイルスに感染しても放置されてしまうXPは、これらの温床となります。一度ウイルスに感染したXPパソコンが、別のXPパソコンににウイルスをばらまく。そうしてXPユーザーの間で爆発的なウイルス被害が広まるといった予想もされています。
いくらウイルスに感染しないため、脆弱性を補うためと対策をしても、ウイルスに感染した他のXPパソコンと繋がってしまっては意味がありません。
XPはこれからも使い続けることはできますし、その方法もいくつかお教えしました。しかしそれはあくまでも、使い続けるための方法です。安全性が完全に保たれる、ウイルスの感染を完全に防げると言い切れるものではありません。
- それでも使いたいという人だけ自己責任で使用を続けてください。