キーボードは有線? 無線?
使い勝手で選ぶなら、どっちがおすすめ?
お使いのデスクトップパソコンのキーボードは、有線タイプでしょうか、無線タイプでしょうか? とくに気にすることなく、パソコンを購入したら付いてきた純正タイプを使用しているという方もおられるかもしれません。
しかし、文字入力の多い作業を行う方は、より使いやすい、より手に馴染むキーボードにすることで、作業効率が大きく変わってきます。
有線タイプには有線タイプの、無線タイプには無線タイプの良さがあります。
ここでは有線・無線それぞれのキーボードのメリット&デメリットをご紹介するとともに、おすすめのキーボードをピックアップします。ご自分に合ったキーボード選びの参考になれば、幸いです。
有線キーボードのメリット&デメリット
まずは有線キーボードの特徴からご紹介しましょう。
有線キーボードは文字通り、パソコン本体とUSBケーブルで接続して使用するキーボードです。
メリット
有線キーボードのいちばんのメリットは安定性です。
USBを通してパソコン本体から給電されるので電池切れの心配がありませんし、電波干渉の心配もありません。そのため、キータッチのレスポンスが良く、誤作動や遅延の心配なく、安定して動作する点が最大の魅力です。
作業中、キーを押してもなかなか画面に反映されなかったらイライラしますから、安定性はとても大切です。とくに高速タイピングができる人や、反応速度が重要になるゲームで使用する人は有線キーボードを好むケースが多いようです。
また、USB端子のあるパソコンであれば、基本的に機種を選ばずに接続できる点もメリットです。
そのほか、無線タイプに較べて構造がシンプルなため、故障しにくかったり、価格が比較的リーズナブルな点もメリットといえるでしょう。
デメリット
では、有線キーボードの弱点はどこにあるのでしょうか。
最大のデメリットは、パソコンと接続するためのUSBケーブルが必要であるということでしょう。そのため、ケーブルが届く範囲内でしかキーボードを使うことができません。
また、キーボードのケーブル、マウスのケーブル、パソコンの電源ケーブルなど、デスクの上がケーブルでごちゃついてしまうのもデメリットといえるでしょう。
無線キーボードのメリット&デメリット
無線キーボードは、パソコンとの間をケーブルではなく、無線で接続するキーボードです。無線接続の方法としては、Bluetoothで接続するものと、パソコンのUSBポートに専用レシーバーを取り付けて2.4GHzの無線で接続するタイプがあります。
メリット
無線キーボートのいちばんのメリットは、通信がつながる範囲であれば、どこでも使えるという点です。
たとえば、打ち合わせの席などでパソコン画面を複数人で見ながら、キーボード操作する際などに便利です。また、パソコン画面で動画コンテンツなどを楽しみながら、検索なども行いたいという人は、画面から離れていても使える無線キーボードがおすすめです。
また、ケーブルが不要なので、パソコンまわりがすっきり使えるというのもメリットといえるでしょう。
デメリット
無線キーボードのデメリットとしては、有線タイプに較べると、若干ですがレスポンスが遅い点が挙げられます。普通に使用しているぶんにはほとんど感じることはありませんが、0.1秒単位のスピードを争うゲームなどでは影響を感じることがあります。
さらに定期的に電池の交換が必要になるため、ランニングコストがかかるという点もデメリットです。しかも作業中に電池の残量が少なくなると、レスポンスが悪くなってしまう場合があります。
また、使用環境によっては、電波干渉により動作が不安定になることがあります。さまざまな無線電波が飛び交う屋外などでは、うまく動作しないケースもあります。屋内でも2.4GHz帯域を使用する無線キーボードは、電子レンジの電波の影響を受けるケースがあり、電子レンジの使用中は動作が安定しないことがあります。
そのほか、有線キーボードに較べて、価格が高めということもデメリットといえるでしょう。
有線・無線以外のキーボードを選ぶ際のポイント
キーボードを選ぶ際のポイントは、有線・無線だけではありません。より自分に適したキーボードを選ぶためのポイントを挙げてみました。
◎キーの数
キーボードのキーの数は、規格品であってもいくつかのタイプがあります。標準の英語配列のキーボードのキー数は101、日本語配列は106、Windowsは109が基本となっています。
そのほか、数字のテンキーがあるものないもの、音量調整やメール起ち上げなどができるホットキーがあるものないものなどがあります。
キーボードによってキー数が異なることを頭に入れて、好みのものや馴染みのものを選ぶようにしましょう。
◎キーピッチ
キーピッチとは、キーとキーとの間隔のこと。一般的なキーボードは、キーの中心から隣りのキーの中心まで19mm前後ですが、携帯性を考慮したコンパクトなタイプのものなどもあります。
手の大きさや指の太さなどによって使いやすさが異なるので、できれば現物を触っていちばん使いやすいキーピッチを見つけることをおすすめします。とくにブラインドタッチが得意な方は、キーピッチが変わると戸惑うケースがあるので、事前にしっかり確認するようにしましょう。
◎キーストローク
キーストロークは、キーを押したときの沈みの深さです。こちらもタッチの強弱など、人それぞれ好みが分かれますので、できれば事前に現物をタイピングしてみることをおすすめします。
キー配列
キーボードの配列は「日本語配列(JIS)」と「英語配列(US)」の2種類があります。日本語を入力するのであれば、日本語配列のキーボードを使用するのが一般的ですが、英語配列はキーの数が少ない、エンターキーを押しやすいなどのメリットがあります。
上記のほか、キーボードの構造(キースイッチ)によってもタイピングの感覚が変わってきます。キースイッチの種類については次の項でご紹介します。
キースイッチの種類
キーボードはその構造によって、次のようなタイプがあります。
◎メンブレン式
最も一般的なキーボードの構造です。ひとつのシートにすべてのキーが配置され、キーを押すと上下のシートが接触して入力を認識します。
構造がシンプルなのことから、価格は1,000円〜5,000円くらいとリーズナブルな反面、キーの中央を押さないと認識できないことがあります。また、ラバー素材のシートを使用しているため、反発が強く、長時間使用していると指が疲れるという弱点があります。
◎パンタグラフ式
基本的な構造はメンブレン式と同じですが、各キーの裏側にパンタグラフが付いており、軽いタッチでもしっかりしたキーストローク、つまり、“押した感”を得ることができます。キーの端を押しても、しっかり認識し、入力が可能です。
メンブレン式に較べて反発が少なく、軽いタッチで入力できるため、長時間の作業でも疲れにくくなっています。
薄型の設計が可能なことにより、ノートパソコンによく採用されています。価格はメンブレン式とメカニカル式の中間で、3,000円〜8,000円くらいが相場です。
◎メカニカル式
各キーの裏側には金属製のスプリングが付いており、確実な打ち心地が得られます。また、スプリングの強さによって複数のタイプが発売されており、軽いタッチやしっかりしたタッチなど、好みに合わせたタイプを見つけることができます。
また、ひとつひとつのキーが独立した構造をしているため、キーが1ヵ所壊れても、そのキーだけを交換することで長く使用することができます。
メンブレン式やパンタグラフ式に較べて構造が複雑なため、重量がやや重めなことが弱点です。
価格は高価で、5,000円〜10,000円くらいです。
◎静電容量無接点式
静電容量の変化で入力を認識するキーボードです。他のタイプと異なり、スイッチとスイッチが接することがないため、タイピング音が静かで、しかも部品の摩耗が少ないことから、長く使用することができます。
高速入力に最適ですが、価格は15,000円〜20,000円と高価なため、主にプロユースとして採用されているキーボードです。
キースイッチの違いによって、キーを押したときの感覚や音、そして価格が異なります。
タイピングのしやすさと価格のバランスなどから、自分に合ったキーボードを選びましょう。
いま、おすすめのキーボード
これまで有線・無線をはじめ、さまざまなキーボードのタイプをご紹介してきました。 最後に今人気の高いおすすめのキーボードをいくつかご紹介しましょう。
<有線タイプ>
◆東プレ/REALFORCE R2
[静電容量無接点式]
人間工学を考慮した設計で、指への負担が少なく、長時間の作業も快適に行えます。有線タイプとしては2万円前後と高価ですが、高速タイピングを行うプロのオペレーターも使用する高性能キーボードです。
ケーブルを3方向から取り出せるので、有線でありながらケーブルをあまり気にせず、設置場所に応じた配線が可能です。
◆ロジクール/有線キーボード K120
[メンブレン式]
価格は1,500円前後とリーズナブルでありながら、薄型で静音設計。しかも最大1000万回のキーストロークに耐える耐久性を持つロングセラー商品です。
機能拡張のファンクションキーとテンキーを標準装備しており、いろいろな用途で活躍します。
また、万一飲み物などをこぼしてしまっても、液体が排出される設計になっているので安心です。
パソコンのUSBポートに差し込むだけですぐに使用できることから、初心者にもおすすめです。
<無線タイプ>
◆エレコム/TK-FDP098
[パンタグラフ式/2.4GHz無線]
コンパクトキーボードでありながら、通常サイズと同様の19mmのキーピッチを採用。キーの下に鉄板を内蔵したパンタグラフ式で、打ち心地が良く、軽いタッチで文字入力が可能です。<>
接続用のレシーバーが1円玉サイズととても小さく、作業上も見た目にも邪魔になることはありません。また、LEDランプで電源のオンオフを知らせてくれるため、切り忘れによる電池の浪費も防止できます。
価格は3,000円前後で、WindowsとMacそれぞれに適した入力モードを搭載しています。
◆バッファロー/BSKBW100
[メンブレン式/2.4GHz無線]
キーピッチ19mmのフルサイズタイプのシンプルな無線キーボードです。パソコン本体から最大10mまで離れて使用することが可能です。しかも省電力仕様で、単4電池1本で約10ヵ月の使用できます。
また、キーボードの背面に角度調節用スタンドが付いており、手首に負担が掛からない位置に角度を調節することができます。
ワイヤレスマウスとのセットで2,000円前後で購入できるのも魅力です。
最後に
これまで有線キーボードと無線キーボードの違いやおすすめ機種などをご紹介してきました。
有線と無線、どちらが良いとは一概にはいえませんが、タイピング作業を重視する方は有線タイプ、使用環境にこだわる方は無線タイプが使いやすいといえるかもしれません。
いずれにしてもそれぞれのメリット、デメリットをしっかり把握した上で、目的に合わせて選ぶようにしましょう。
また、キーボードは手の大きさや指の太さ、キーを押したときの感触や音など、一人ひとりの好みが出るデバイスですので、できれば一度現物を触ってみて、「これだ!」と思う1台を購入されることをおすすめします。