HDDが壊れた?容量を増やしたい?デスクトップPCの内蔵HDDを交換してみよう!

HDDが壊れた?容量を増やしたい?デスクトップPCの内蔵HDDを交換してみよう!

趣味のゲームや動画編集のために、あるいは性能に対するコストパフォーマンス重視でデスクトップパソコンを選んだ人も結構多いはずです。ですが頻繁に使うほど内蔵HDDの容量が足りなくなったり、HDDが故障して交換する必要が出てくる……なんてこともよくある話です。
故障の場合、修理に出すとHDD代の他に工賃なども取られるためそこそこの料金がかかります。せっかくコストパフォーマンス重視でデスクトップパソコンを購入したのに、コストがかさんでしまうようでは本末転倒ですよね?
デスクトップ型のパソコンはパーツの交換などメンテナンスがしやすいことも特徴の1つです。大容量のものに変える場合も、故障で交換する場合も、自分でおこなえば内蔵HDDの代金など実費だけですみます。本記事では初めての方でも内蔵HDDが交換できるように順序立ててこまかく解説してみますので、これを機会に自力での内蔵HDD交換にチャレンジしてみませんか?

ちなみに本記事で紹介する対象のデスクトップパソコンは、本体とモニターとキーボードが分かれているタイプのものです。一体型のデスクトップはノートパソコンのパーツが使われているなんちゃってデスクトップパソコンなので今回は対象外です。
本記事の想定OSは最も普及しているWindowsとなっています。申し訳ありませんがMacOSの方はブラウザバックをお願いします。

内蔵HDDの交換に必要なものを準備しよう

プラスドライバー

パソコンは精密機器ですが、デスクトップパソコンのカバー(フタ)を開けたり、内蔵HDDのネジを外したりするのに精密ドライバーは使いません。大体どこの家庭にもある普通サイズのプラスドライバーを用意しましょう。溝に入る可能な限り大きいサイズを選んだ方がよいです。一見ピッタリでもわずかな隙間があると、筆者みたいにネジの溝をつぶすことがあります。

交換用の内蔵HDD

パソコン用の内蔵HDDには2つのサイズがあります。主にデスクトップパソコンに使われる3.5インチHDD、ノートパソコンや一体型デスクトップパソコンに使われる2.5インチHDDです。キューブ型などパソコン本体がすごく小さいタイプのものには、まれに2.5インチHDDが使われることもあります。
自分のパソコンに使われているHDDのサイズが分からない場合は、パソコンを開けて自分のパソコンとあう内蔵HDDのサイズを確認しておきましょう。

SATA-USB変換ケーブル

内蔵用HDDに接続して、外付けHDDのようにあつかえる変換ケーブルです。交換前にHDDのクローンを作る場合にも、交換した後OSなどをクリーンインストールし交換前のHDDから各種データを新しいHDDにコピーする目的でも使えます。
内蔵HDDの故障が軽度で、不良セクタなどを無視したり時間をかければデータのコピーなどがまだできるのであればこれを使ってデータを救い出すこともできます。USB3.0に対応したもののほうがクローン作成も、データコピーも早く終わるのでそちらがおすすめです。パソコンにUSB3.0対応の端子がない場合は、たとえUSB3.0対応の製品をさしても、USB2.0相当の速度しか出ません。
Amazonで検索すると色々なメーカーの製品がありますが、検索上位に上がるのはなぜかうさんくさい中国メーカーばかりです。値段よりも信頼性を重視するならばパソコン周辺機器メーカーとして実績のある「オウルテック」や「サンワサプライ」などの製品を選ぶと良いでしょう。

オウルテック 2.5インチ/3.5インチSATA HDD用アダプタ ACアダプタ付 OWL-PCSPS3U3U2

サンワサプライ SATA-USB3.1 Gen2変換ケーブル USB-CVIDE7

以降は容量拡充の場合と、故障した場合で少し用意するものが異なります。

◆内蔵HDDの容量拡充の場合 元HDDのクローンを作成できるアプリケーション

Macrium Reflect Free(英語のみ)
EaseUS Todo Backup Free(日本語対応)

購入したHDDによっては上記で紹介したようなHDDのクローンが作れるソフトをダウンロードして使える場合もあります。「Acronis True Image」や「HD革命/CopyDrive」など、そういったソフトが付いてくるHDDを購入するのもアリでしょう。
これらは本来OSであるWindowsが入ったドライブをまるごとバックアップするためのものです。ですが元HDDから別のHDDへ中身を丸々コピーするクローン機能も備えています。これらを使用すれば、従来の環境をそのまま新しいHDDへ引っ越しすることができます。

リカバリディスク(環境を一度初期化したい場合のみ)

上記のソフトを使わず、交換の際にOSをクリーンインストールして新しい環境を作りたい場合もあるでしょう。その場合は買ったパソコンに付いてきたリカバリディスク、あるいはOSディスクも用意しましょう。それらディスクの詳細はHDDが故障した場合と一緒に説明します。
メーカーによっては別途DVD-Rなどを使って、手動でリカバリディスクを作る必要があったりします。リカバリディスクやその作成ソフトを用意せず、HDDの別パーティションにリカバリ用データを確保してある場合もあります。後者の場合は日本のメーカーなどHDDの交換を前提としていないパソコンに多く、ユーザーによる内蔵HDD交換は保証の対象外となる場合もあります。BTOやCTO(*1)などでパソコンを購入した場合は、HDDの交換も想定されているので何らかの形でリカバリディスクを利用することができるはずです。

*1…一定のベースとなるものを基準に、選択可能なリストの中からパーツや周辺機器を選べるパソコンの販売方式です。BTOはBuild to Order、CTOはCustom to Orderの略で、一般的にはBTOのほうがパーツの型番やメーカーなどを細かく指定できることが多いです。

内蔵HDD内のみにリカバリデータが存在する場合、単純にHDDだけを交換するとパソコンをリカバリ(初期化)することができなくなります。内蔵HDD交換後にパソコンの初期化をすることも想定し、上記ソフトを使ってその領域もあわせてクローンを作る必要があります。元HDDのクローンを作成すればリカバリデータもコピーされるので、大抵は元のHDDと同じように初期化を行えるようになります。自分のパソコンを初期化、OSの再インストールをする場合はどういった手段をとるのかを説明書をよく読んで確認しておきましょう。

◆故障した内蔵HDDを交換する場合 リカバリディスク または OSディスク&パソコン本体用ドライバーインストールディスク

リカバリディスクはパソコンの環境を購入時に戻すためのDVDです。OSとそのパソコンの各種機能を使うためのドライバー、プリインストールのアプリケーションなどが入っています。別途購入が必要だったり、パソコン購入後に手動で作成したり、DVDは作成できず内蔵HDDの隠し領域に存在する場合などがあります。店頭販売のパソコン以外にも「HP(ヒューレットパッカード)」「Dell(デル)」「EPSON(エプソン)」などのBTOあるいはCTOパソコンなども採用しています。 OSディスクはお店で売られているWindowsとほぼ同様のものです。パソコン専門店でBTOパソコンなどを購入した場合などに、OSディスクとパソコン本体用ドライバーインストールディスクが付いてきます。OSディスクは市販されているものとほぼ変わらないのでなくしても購入すればいいのですが、ドライバーディスクはなくしてしまうと大変です。 ドライバーディスクはそのパソコンに使われている各種機能を、Windowsで利用するための大事なドライバーが入っています。マザーボードのメーカーによってはインターネットで個別にダウンロード可能だったりしますが、そのダウンロードもパソコンが必要です。内蔵HDDが故障しパソコンが起動できない場合、予備のパソコンがない人だと詰んでしまうこともありますので、気をつけましょう。 一応ネットカフェのDVDやUSBメモリなどのメディアに書き込みができるパソコンでダウンロードして、コピーしてくるという回避方法はあります。

交換用に購入すべき内蔵HDDのおすすめメーカーとその種類

買うべき内蔵HDDのサイズが分かっても、どこのメーカーのものを買ったら良いかは知識や経験がないと分からないものです。
現在の主流かつ鉄板は「WD(Western Digital/ウェスタンデジタル)」「Seagate(シーゲート)」の2社です。鉄板としては他に「HGST(旧:日立グローバルストレージテクノロジーズ)」「東芝」などがあります。
ですが東芝はかなり前から2.5インチHDDしか作っておらず、3.5インチHDDはHGSTことHITACHIの委託製造品です。そのHGSTはWDに買収され現在WDの傘下にあるため、WDが販売している製品ブランドの1つにしかすぎません。
HGSTブランドのHDDは遅いが動作音が静か、東芝ブランドは安価で売っていることが多いという理由で今でも選んで買う人もいます。ですがどれも気持ち程度の違いしかないので、上の4社のどれかを買っておけばまず問題はありません。
家電量販店では「IO・DATA(アイオーデータ)」「CFD(シーエフディー)」といったメーカーの内蔵HDDも見かけるでしょう。これらメーカーの製品に入っているHDDも、実は上で紹介したメーカーのものがほとんどです。あなたが購入したデスクトップパソコンに入っている内蔵HDDも、ほぼWD、Seagate、HGST(旧 HITACHI)、東芝のどれかです。

こだわりがなければ元々入っていたメーカーのもので良いです。あるいはWDの「Blue(青ラベル)」かSeagateの「BarraCuda(緑ラベル)」を購入すれば良いでしょう。耐久性が欲しければNASやサーバー向けHDDであるWDの「Red(赤ラベル)」Seagateの「IronWolf(緑と赤線ラベル)」を買いましょう。
故障したHDDの交換が目的なら同じ容量のHDDでもよいですが、容量不足で交換するなら少なくとも倍以上の容量のものを買いましょう。予算をケチって中途半端にHDD容量を上げても「もっと大容量のものを買っておけば良かった」と後悔するだけです。
(編集中の動画ファイルやSteamなどのパソコンゲームは画質の向上と共にめちゃくちゃ容量喰う時代ですし)
最後に気になるのはメーカーごとの差なんでしょうが……。筆者個人の経験でも、現在3.5インチ内蔵HDDは実際の故障率を含めメーカーごとの差はほぼ体感できません。数万台ものHDDを使用するクラウドサーバー企業とかであれば、メーカーや型番によって0.5%~3%程度は故障率に差が出てきます。
出典:クラウドストレージ提供サービス会社Backblaze社における、2018年1月1日~2018年12月31日のHDD故障(エラー発生)率統計
(ただしこの統計は一般向けモデルとNAS&サーバー向けの高耐久モデルが混在しているので過信は禁物です)

このデータを元にしても最悪でも200台買って6台がハズレ、最良なら200台買って1台ハズレ程度の違いですから気にする必要はありません。故障率の少ないHGSTを買っても0.5~1%でハズレを引くことはありますし、Seagateだって音や「S.M.A.R.T.(スマート)*2」でHDDの調子をマメに見ていれば故障前に交換が可能なのですから。

*2…内蔵HDDなどの現在の健康状態を数値で見ることができる機能です。日本では「CrystalDiskInfo」がよく使われます。
これで使用している内蔵HDDの(対応していれば外付けHDDも)健康状態を調べることができます。心配性の方は1~2ヶ月に1回程度これでチェックして、黄色で[注意]と出たら様子を見つつ交換用HDDを選びはじめましょう。赤で[異常]がでたら即交換しましょう。

昔はもっとメーカーごとに性能差があったのですが、製造技術が確立したので昔ほどの差はなくなりました。今でも気にする人がいて論争になったりしますが、HGSTやWDだって壊れるときは壊れるのです。少しでも故障率が低いHDDが欲しければ、少し予算を足して先にあげたようなNAS用やサーバー用など高耐久をうたう製品を買いましょう。

内蔵HDDの交換前にするべきこと

「容量拡充のために交換したい!」場合は2つの選択肢があります。

A. ソフトを使って元HDDのクローンを作成し、その後入れ替える。
B. 新しいHDDに交換した後OSをクリーンインストールして、元のHDDから必要なデータだけをコピーする。

Aの場合で交換前に必要なこと

[SATA-USB変換ケーブル]でパソコンと新しいHDDを繋ぎ[クローンを作成できるソフト]で元HDDのクローンを作ります。クローンの作り方はソフトによって異なりますので、各ソフトの説明書を参考にしてください。増えた分の容量はソフト側で自動的に調節してくれるものもあれば、交換後Windowsの管理ツールなどで手動で変更する必要がある場合もあります。
とりあえず例にあげた2つのソフトの簡単な手順はここに記しておきましょう。

Macrium Reflect Freeの場合

1. 起動すると接続しているHDDが並ぶのでOSの起動ドライブを選択します。(標準だと一番上の[GPT Disk 1]または[MBR Disk1] など)
2. するとすこし左下に[Clone this disk…]と出てくるので、クリックするとクローン作成先を指定できます。
3. [Select a disk to clone to…]をクリックし、SATA-USB変換ケーブルで接続した空のHDDを指定してクローンを作成します。

EaseUS Todo Backup Freeの場合

1. 起動後、ウィンドウ左上メニュー[三]から[クローン]を選択します。
2. OSの起動ドライブ(標準だと[ハードディスク 0])に[レ](チェックマーク)を入れます。[■]マークだと起動用やリカバリ用の隠しパーティションが欠けたままクローンを作ってしまうので気をつけてください。
3. あとは同じように移行先の空HDD([ハードディスク 1~4]など)を選択して指示に従えばOKです。

接続しているHDDがOS起動のための内蔵HDDと交換用の内蔵HDDだけだったなら、リストに出るのが2台だけなので迷うことはないでしょう。ですが他にデータ保存やバックアップ用に外付けHDDなどを接続している場合は、間違ってそちらを選択しないようしっかりと確認しましょう。その後パソコンを開けて、元の内蔵HDDとクローンの内蔵HDDを交換すれば元の環境をそのままに移行できます。
元の内蔵HDDは予備にとっておくなり、データ消去ソフトを使った後ヤフオクなどで処分するなりしましょう。万が一の情報流出が心配ならば基板の部分だけでもハンマーなどで叩いて壊すか、下記のような「へクスローブドライバー」があれば内蔵HDDを分解できます。
アネックス(ANEX) T型ヘクスローブドライバー T8×60 No.6300

大抵はT8サイズ、たまにT6サイズが必要ですが、それを使って分解し中の円盤(プラッタ)に傷をつければデータが読めなくなるので安心でしょう。ちなみにダイソーでも220円(税込)で売っていますが、耐久性がないのでドライバーが壊れることもあります。

Bの場合で交換前に必要なこと

ログインしているユーザー固有のフォルダ内にあるデータを退避させる必要があります。マイドキュメントなど[C:\Users\(ユーザー名)]以下にある各ユーザー用データは、環境によっては作成したアカウント以外では取り出すことができません。

Windows10なら以下のフォルダなどが該当します。
・3D Objects(3Dオブジェクト)
・Desktop(デスクトップ)
・Documents(ドキュメント・マイドキュメント)
・Downloads(ダウンロード)
・Favorites(Internet Explorerのお気に入り)
・Music(ミュージック)
・OneDrive(OneDriveと同期したデータ)
・Pictures(ピクチャー)
・Saved Games(Windows付属ゲームなどのセーブデータ)
・Videos(ビデオ)

上記フォルダや各アプリケーションによって作成された専用フォルダなどに保存されているデータをUSBメモリや外付けHDDなどにコピーしておきましょう。それらがない場合はルートディレクトリに適当なフォルダを作成し([C:\Backup]など)、その中に種別ごとにでも移動しておきましょう。コピーしておける空き容量があれば移動ではなくコピーのほうがおすすめです。 筆者はAppData内のフォルダもアプリケーションごとの設定復元が楽なのでそこもコピーしますが、間違えると面倒なのでおすすめはしません。

内蔵HDDを交換する際の注意点

パソコンのマザーボード周辺は静電気に弱いのですが、内蔵HDDの交換の際にマザーボードに触れることは滅多にありません。それでも一応パソコンを開けるときはセーターなどポリエステルやナイロン製の衣類など、静電気が起きそうな服は脱いでおきましょう。心配性の人はさらに屋外の金属物に触ったり静電気除去グッズなどで体に付いた静電気を除去しておけば完璧です。

デスクトップパソコンで内蔵HDDを交換する手順

1.パソコンの電源を切り、電源を含めたすべてのケーブルを抜く。

デスクトップの場合、電源以外にもLAN、キーボードやマウス、モニター接続用、USBハブや外付けHDDなど様々なケーブルがささっているのが大半です。慣れている人でも戻すときにさし忘れることがあります。心配性の人はスマートフォンなどでケーブルがささった状態の写真を撮影する、あるいはさしてあるケーブルの本数を覚えておくと戻し忘れを防げます。
パソコンの背面に電源スイッチ(-/○の記号があり、-がON/○のほうがOFF)があればそれを切ってから、電源ケーブルを1番最初に抜きます。その後すべてのケーブルを抜きます。

2.パソコンのフタを開ける

ケーブルなどがささっていた背面の左右どちらかに側面のフタを外すためのネジがあります。だいたい外れる側のほうの側面には、開けるための手掛かりなどがついています。できるだけ太いプラスドライバーを使い、強く押しながら回すとネジの溝をつぶさずに回すことができます。
最近はメンテナンスやパーツ交換がしやすいように、手で回せるネジを採用していたり、スイッチ1つでフタが外れるタイプのものもあります。

3.内蔵HDDを外す

まず内蔵HDDにささっているケーブルを抜きます、電源ケーブルとデータをやりとりするSATAケーブルの2本がささっていますので両方抜きます。ケーブルのマザーボード側は抜く必要はありません。ケーブルを抜いたらいよいよHDDをケースから取り外します。
スイッチで簡単にHDDが取り出せるものもありますし、HDD固定用の外枠をケースから外さないと取り出せないものもあります。外枠はスイッチを押すあるいは引くことで外れるタイプとネジで固定されているタイプがあります。最後は取り付け用の器具あるいは外枠に直接固定しているネジをゆるめてHDDを取り外しましょう。

4.HDDを交換し外枠に再度固定する。

取り付け用の器具、あるいは外枠に内蔵HDDをつけてネジで固定しましょう。スリム型デスクトップなどは外枠をケースに戻す前に、電源ケーブルとデータ転送用のSATAケーブルをつけたほうが楽な場合もあります。ケースが小さいので、外枠を固定した後だと手が入る隙間がせまくケーブルがさしにくくなるからです。

5.フタを閉めケーブルを繋ぎ動作確認をする

同じように逆順でフタを閉め、ケーブルを繋ぎ直し(電源ケーブルは一番最後)、電源スイッチを切っていれば入れ直してパソコンが起動することを確認します。
うまくいかなかったら、各種ケーブルがきちんとささっているかなどを確認しましょう。知識があればUEFIあるいはBIOS起動用のキー(F2やDELキーなどメーカーによって異なる)を押して設定画面を出し、内蔵HDDが認識されているか確認してみましょう。

内蔵HDDの交換後にすること

HDDをクローン作成して移行した場合は特にすることはありません。
そうでない場合はリカバリディスクやOSディスク&ドライバーディスクを使って元の環境に戻しましょう。HDDが壊れていなければ購入したSATA-USB変換ケーブルを使って、元HDDのデータをうつしましょう。事前に待避したマイドキュメントなどのデータを戻したりインストールしていたアプリケーションなどの再インストールも必要です。実はこの元の環境に戻す作業が1番手間がかかります。クローンを作成するとその手間が省けるので非常に楽なのです。

故障で仕方なくHDDを交換した場合も、SATA-USB変換ケーブルなどを使って元のHDDを接続するとまれにデータを読み込める場合もあります。運良く読み込みが可能であれば、破損していないデータだけでも回収すると良いでしょう。

快適さを求めるならHDDからSSDに交換という選択肢もあり?

最近はデスクトップ、ノートを問わず高性能をうたうパソコンにはHDDより高速に読み書きできるSSDが内蔵されていることも多くなりました。
SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、データをUSBメモリのような不揮発性のメモリに記憶するデータ保存媒体です。HDDの様な物理駆動部分がないため衝撃に強くて故障しにくく、駆動音がなく、省電力で、高速なデータの読み書きが可能です。まともなメーカーの品を買えば、一般人が利用するぶんにはHDDより平均寿命も長いです。
一般的なSSDの読み書き速度は、高速な内蔵HDDの3~4倍以上ですが、お値段も3~4倍します。2019年3月現在1TBの内蔵HDDが5,500円前後に対し、1TBのSSDが17,600~19,800円ぐらいです。これでも随分安くなったほうなんですけれどね。

WindowsXPやVistaの頃は内蔵HDDをSSDに変更することで、OS起動時間などの大幅な短縮ができました。(1~2分>20~30秒程度)Windows8や10は起動プロセスが変わったため起動時間は体感できるほど変化はありません。スリープや休止状態からの復帰時間などはある程度短縮されます。
SSDが真価を発揮するのは、大きいファイルを読み書きするアプリケーションや、多数のファイルを読み込むソフトを使うときなどです。多数のプラグインを読み込むGIMPなどはHDDとは比べものにならない速度で起動します。Modをたくさん入れたMinecraftやFallout4などのゲームの起動やロード時間が大幅に改善します。動画編集も動画の読み書き先がSSDなら終了までの時間が短くなり、読み込みも書き込みも快適です。
ネットで動画を見たり軽くゲームをするだけの人にはそれほど恩恵はありません。ですがそんな人でもHDDを使っているパソコンを久しぶり操作すると「あれ?こんなに遅かったっけ?」とイライラするそうです。
一度その速度になれてしまうとHDDには戻れなくなるのがSSDの魅力です。少なくとも筆者はOS起動ドライブとSteamのゲームをインストールするドライブにHDDを採用することは二度とないでしょう。

最後に

デスクトップパソコンはケースの大きいものであれば、内蔵HDDの交換よりも増設のほうが難易度は低めです。今回はケースの小さいものから大きなものまで大半のデスクトップで可能な交換のほうを解説しましたが、ケースに余裕があれば増設から始めてみるのもアリでしょう。
HDDをSSDに交換し、メモリを交換し、グラフィックボードを増設できるぐらいになれば、自作パソコンに挑戦できる日も近いかもしれません。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

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