内蔵HDDのメリットとデメリットは? 外付けHDDやSSDとの違い

内蔵HDDのメリットとデメリットは? 外付けHDDやSSDとの違い

HDD(ハードディスク)は、パソコン上のデータを保存しておくための「ストレージ」の 1つです。
パソコンを使用していると、その場で見るだけでなく、後々使用するために残しておきたいデータが存在します。
このようなデータを保存するためには、ハードディスクのようなストレージが必要となります。

ハードディスクには大きく2つの種類があります。

1つは、パソコンの内部に組み込む「内蔵ハードディスク」です。
もう1つは、パソコンの外側から接続することで使用できる「外付けハードディスク」です。

この2つにはそれぞれ違ったメリット・デメリットがあるため、しっかりと見極めて選ばなければなりません。
ここから先では、特にあまりパソコンに慣れていないという方に向けて、ハードディスクの選び方について紹介します。

最初に紹介するのは、「内蔵ハードディスクのメリット・デメリット」についてです。 内蔵タイプのハードディスクには分かりやすいメリットとデメリットがありますので、それぞれを紹介します。

次に紹介するのは「外付けハードディスクのメリット・デメリットと、内蔵との比較」についてです。

これらについて把握しておけば、どちらを選ぶべきかの判断ができるようになります。

そして最後にもう1つ「最近多くなってきたSSD」についても紹介します。
SSDもハードディスク同じくストレージの1つですが、その機能や性質に根本的な違いがあるため、選択肢の1つとして知っておくのがよいでしょう。

内蔵HDDのメリット・デメリット

ここからは、内蔵タイプのハードディスクを使用する場合のメリット・デメリットについて紹介します。 いずれも使用感に大きな影響を与えるものなので、どちらが大きいものなのかを判断すると良いでしょう。

内蔵ハードディスクのメリット

メリットは大きく分けて4つあります。
①「価格」
②「内蔵されること」
③「電源を別途取る必要がないこと」
④「データの転送速度が早いこと」

内蔵タイプのハードディスクを使用する場合、まずメリットとなるのは価格です。 後ほど具体的な比較を紹介しますが、基本的に内蔵タイプのハードディスクの方が、同容量の外付けタイプのハードディスクよりも安価です。
そのため、より多くのデータを保存したいという場合には、同じ予算ならこちらの方が効果的に使用できます。

次のメリットとしては、「内蔵されること自体」です。パソコンの内部に組み込まれることになるため、場所を取りません。
パソコンのために使用するスペースをあまり広くしたくないという方にとっては、邪魔にならないのは大きなメリットとなるでしょう。

また、電源を別途取る必要がないのもメリットの1つです。
外付けハードディスクの場合にはコンセントから電源をとる必要があります。

対して、内蔵タイプのハードディスクの場合にはパソコン自体の電源から給電が行われるため、別途電源は必要ありません。

もう1つ大きなポイントとして、内蔵ハードディスクはデータの転送速度が早いという点が挙げられます。
これは使用しているケーブルの違いで、eSATAケーブルという転送量の多いケーブルを接続に使用していることにより、転送速度が早くなっています。
大容量のデータを移動したい場合には、内蔵ハードディスクが強い傾向があります。

内蔵ハードディスクのデメリット

デメリットは大きく分けて2つあります。
①設置取り外しが難しい
②データ移動がしにくい

内蔵タイプのハードディスクのデメリットとしては、設置・取り外しが難しい点が挙げられます。
内蔵ハードディスクはパソコンのケースを開けて内部に接続させる必要があります。

そのため、多少なりともパソコンの内部構造がどうなっているのかを理解している必要があります。

とはいえ、ハードディスクを増設するためのスペースは比較的わかりやすく用意されているため、パーツ増設の中ではまだやりやすい方です。

ただし、静電気対策などを怠ると設置時にパソコンが故障してしまう可能性もあります。しっかりと対策をした上で、電源を抜いて放電してから設置作業を行いましょう。

もう1つ、内蔵ハードディスクはデータ移動が行いにくいというデメリットがあります。
外付けハードディスクで他のパソコンにデータを移動したい場合、そのハードディスクを別のパソコンに接続するだけで完了します。

対して、内蔵ハードディスクの場合には中からハードディスクを取りだして付け直す必要があります。

あるいは、LANケーブルで両方のパソコンを接続して、データの移動や共有をさせなければならないため、どうしても手間が掛かります。

複数台のパソコンで同じデータを使用する可能性がある場合は、デメリットも大きくなってしまいがちです。

外付けHDDのメリット・デメリットと内蔵との比較

外付けタイプのハードディスクにも、当然メリットとデメリットがあります。 それらを紹介した上で、具体的に内蔵タイプのハードディスクとどのような違いがあるのかを例を示しつつ比較します。

外付けハードディスクのメリット

メリットは大きく分けて2つあります。
①複数台のパソコンで使用するのに向いている
②接続が簡単

外付けハードディスクの1つ目のメリットは、複数台のパソコンで使用するのが容易なことです。
外付けハードディスクの場合、移動させたいデータを入れて他のパソコンに接続すれば、簡単にデータ移動を行えます。

この際には特別なツールや技術、知識なども必要ありません。移したいデータをハードディスク上にコピーするだけです。

外付けハードディスクの2つ目のメリットは、接続方法が簡単なことです。
ケーブルをパソコンのアダプターに接続するだけで自動的に認識されます。

外付けハードディスクのデメリット

デメリットは大きく分けて3つあります。
①場所をとる
②電源が別に必要
③データ転送速度が遅い

外付けハードディスクのデメリットとしては、物理的に場所をとることが挙げられます。
パソコン机の周りに置くことになるため、どうしてもごちゃごちゃしてしまいがちです。
他の周辺機器も使用しているとケーブルがこんがらがってしまうこともあり、注意しなければなりません。

また、外付けハードディスクは電源を別途用意しなければなりません。
パソコンとの接続だけでなく、電源との接続のためのケーブルも必要となるため、さらにケーブルが混雑します。

さらに、データ転送の速度が内蔵ハードディスクのものに比べると低いのもデメリットの1つです。

通常、内蔵ハードディスクではeSATAというケーブルが接続に使用されています。

対して、外付けハードディスクではUSBケーブルが使用されるのが一般的です。
古いものだとUSB2.0が使用されていることもあり、下のグラフに示すように速度に大きな違いが生じてしまいます。

  • ケーブル種別 理論転送速度
  • eSATA 600メガバイト/秒
  • USB3.0 500メガバイト/秒
  • USB2.0 60メガバイト/秒

内蔵ハードディスクと外付けハードディスクの比較

それでは、上記のメリット・デメリットを踏まえて、内蔵タイプと外付けタイプの比較を紹介します。

まず、内蔵タイプのメリットとなるのは価格です。ここでは、具体的に価格を示しながら値段を紹介します。

  • データ容量 内蔵ハードディスク価格 外付けハードディスク価格(税込)
  • 1テラバイト 6,479円 7,678円
  • 2テラバイト 7,128円 10,428円
  • 4テラバイト 8,679円 16,060円

※WESTERN DIGITAL製(2019年4月現在)

次に、内蔵ハードディスクと外付けハードディスクの目的の違いについてです。

基本的に内蔵ハードディスクは、1つのパソコンで大きな容量のデータを保存しておくことを目的として使用されます。

または、ネットワークを介して他のパソコンと接続し共有を行うために使用されます。

基本的には、ハードディスク自体を移動して他のパソコンに接続するためのものではないということです。

また、読み込み速度が早いため、スムーズに動かしたいプログラム類を保存しておくためにも適しています。

対して外付けハードディスクは、それ自体を移動させて他のパソコンにデータを移したい場合に使用されます。

また、音楽や写真など、転送速度によって影響を受けにくいものを保存しておくのにも適しています。
サブのストレージとして使用することで、バックアップ用にしやすいのもポイントです。

最近多くなってきたSSDとはどう違うの?

最近では、ハードディスクと同じくストレージの役割をするパーツとして、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)というものが見られるようになってきました。
このSSDはストレージという点では共通していますが、そもそもハードディスクとは性質が全く違っています。

ハードディスクが磁気を使用してデータを記録しているのに対して、SSDは半導体素子を使用してデータを記録しています。

ハードディスクは記録や読み取りを行うために物理的に動いているプラッタというパーツが存在します。
これが故障しやすく、衝撃に弱い性質があります。

また、これが稼働音の原因となり、データを移動中などにはかなり大きな音がします。

対してSSDは物理的には動いていません。
そのために衝撃に強く、稼働音も発生しません。
さらに、データの読み書きの速度がハードディスクよりも高くなっており、プログラムを保存しておくのに適しています。

ただし、現在では容量に対する価格がハードディスクに対して高額です。
内蔵ハードディスクの価格と比較すると、以下のようになります。

  • データ容量 内蔵ハードディスク価格 内蔵SSD価格(税込)
  • 500ギガバイト 5,808円 9,550円
  • 1テラバイト 6,578円 18,128円
  • 2テラバイト 7,128円 38,187円

※WESTERN DIGITAL製(2019年4月現在)

外付けハードディスクとの差よりも更に大きい価格の差があるため、大容量のデータ保存には適しません。

HDDに関するまとめ

どのようなハードディスクを使用するのかを考える際には、まず内蔵にするか外付けにするかを考えましょう。
これらは目的や用途自体に違いがあるため、誰にとってもどちらが適しているか同じわけではありません。

自分が使用する目的を考えて選択することが重要になります。

パソコンに慣れてきて、自分で内蔵ハードディスクを簡単に設置できるようになれば、内蔵タイプのデメリットは少なくなります。

そのため、使用する人の慣れによっても大きく左右されるものと考えるのがよいでしょう。

パソコンに慣れておらず、中を開けて操作することに抵抗があるという方は、まずは外付けハードディスクを使用するのでも問題はありません。
確かにデメリットとなる部分はありますが、不安なく使用できるというのも大きなメリットの1つのためです。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

トップへ戻る