グラボの中古購入はどうなの? メリット・デメリットは?
グラボはグラフィックボードの略称で、パソコン上でより高度な3D表示や映像表示を行うために必要なパーツです。
グラボはすべてのパソコンに組み込まれているものではありません。ゲーム用のパソコンや、映像処理のためのパソコンなどには使用されていることが多いです。
他のパソコンのパーツと同様、グラボについてもパーツを購入し、パソコンに組み込むことが可能です。そんなとき、中古と新品、どちらを購入するのがよいのでしょうか?
価格面では基本的に中古のグラボの方が安く購入できます。
ただし、中古製品を購入する際には気をつけなければならない点があります。
ここから先では、グラボを購入したいと思っている方に向けて、中古グラボのポイントを紹介します。
最初に紹介するのは、中古でグラボを購入する際に気を付けるべきことです。新品購入の際には必要がない注意点が中古の場合には存在します。
次に紹介するのは、中古で購入するのに適したグラボについてです。グラボにも様々な性能のものがあるため、その中からどう選択するかを紹介します。
最後に紹介するのは、必要となるグラボの性能は、何に使いたいかによって大きく変わることについてです。グラボを必要とするパソコンの使用用途と併せて紹介します。
中古グラボを購入するときに気をつけたいこと
グラボを中古で購入することによるメリットは、同性能のものなら新品よりも安く購入できることです。
ただ、だからといって常に中古品を購入したほうがメリットが大きいわけではありません。中古には中古のデメリットがあるため、その点は注意しなければ安物買いの銭失いとなってしまいます。
中古品はどれだけ使用されているかわからない
中古グラボを購入する際にまず考えなければならないのが、どれだけ使用されたグラボなのか判断ができないことです。
新品であれば未使用であることがすぐわかりますが、中古品の場合、非常に長い時間使い込まれている可能性があります。
グラボはその性質上、長時間使用されていることがデメリットとなる機材です。このとき考えるべきなのが、グラボのMTBFについてです。
MTBFというのは、平均故障間隔のことで、どの程度の時間使用すると故障してしまう可能性が高くなるのかを示しています。
グラボに関しては大体5年程度で故障する可能性が高くなります。
ただし、この5年という期間はあくまでも、メーカーが想定した一般的な使用法で使われていた場合です。より高い負荷をかけるような使用法がされていた場合、短い期間で故障する可能性があります。
中古のグラボに関しては、この「高い負荷」をかけるような使用法が、昨今されやすくなっているのが問題です。
仮想通貨マイニングに使用されていたグラボ
2017年頃から、BitCoinを代表とした仮想通貨というものが流行しました。仮想通貨にはマイニングという「個人が得るための方法」が存在します。このマイニング作業のために、高い負荷が掛けられることになったのがグラボです。
グラボにはGPUという演算処理用のチップが搭載されています。これは通常時には3D映像などの描画を行うために使用されています。
マイニングではこのGPUを採掘処理のために使用するため、通常の使用方法に比べて極めて高い負荷がかかります。
この使用方法がされていたグラボは、平均故障間隔である5年よりも短い期間で故障する可能性が高くなります。通常使用よりも明らかに負荷が高い上に、多くの場合で常時稼働させられるためです。
中古でグラボを購入する場合には、それがマイニング目的に使用されていた可能性を考えなければいけません。
新しいタイプのグラボでも、高速で劣化している可能性があるためです。
ブランドにも注意して
グラボを購入する場合、どのブランドのものなのかもチェックするべき項目の1つです。
現在、グラボのブランドは、「NVIDIA GeForce」と「AMD RADEON」の2つにおおよそ絞り込まれています。
使用されていることが多いのは前者、NVIDIA GeForceの方なので、中古品でもそちらの方が見かけることは多いでしょう。
NVIDIA GeForce
NVIDIA GeForceは、アメリカのNVIDIAという会社が開発しているGeForceというグラボブランドです。
現在ほどグラボが一般的に使用されていなかった時期から開発に参入していたこともあり、開発スピードの速さが強みです。
また、販売しているグラボの種類の幅の広さもポイントの1つです。市販されているどんな3Dソフトでも動かせるような高性能なものも、安価でほどほどの性能のものもあります。
自分の使用したい方法に合わせて選択できるのが強みとなるでしょう。
ここに特化している、という部分が少ない反面で、汎用性が高く、様々な場面に使用できるのがメリットです。
シェアが高いのもメリットの1つで、トラブルへの対処法も見つけやすく、安定性があります。
AMD RADEON
AMD RADEONは、アメリカのAMDという会社が開発しているRADEONというグラボブランドです。もともとはTechnologiesというカナダの会社が開発していましたが、買収されたため現在の形となりました。
当初は映像や動画に対する性能でGeForceを上回っていると言われていました。現在ではそれほど大きな違いはありません。
こちらを選ぶメリットは、同性能帯ならGeForceよりも安く購入できるものが多いことです。ただし、中古品に関しては出回っている数が違っているため、必ずしもそうとは限りません。
中古で購入するならどんなグラボがよい?
中古でグラボを購入する場合、新品で購入する以上に気を遣うべき点が多いです。
まず気を付けるべきなのは、どんな物を購入するか、の前に、どこで購入するか、です。
その上で購入するグラボの内容についても精査しましょう
どこで中古パーツを購入する?
中古グラボの購入先としては、大手のPCパーツ店、一般的なリサイクルショップ、インターネットオークションなどが挙げられます。
いずれにもメリット・デメリットがあるため、自分が購入したい内容に合わせて購入先を選択しましょう。
大手のPCパーツ店から購入する
大手のPCパーツ店から購入する場合、大きなメリットとなるのは、他に比べて安全性が高いことです。大手パーツ店では中古販売しているパーツについて、しっかりと動作確認を行っています。そのため、購入した結果ジャンク品だった、というようなトラブルが起こりにくいです。
また、極端に平均的な価格を超える値付けがされることもないため、安心して購入できます。大手パーツ店では有料なことが多いものの、保証を付けられることも多く、さらに安心性を高められます。
逆に、安さという面でも平均的な価格を大きく下回ることはありません。
リサイクルショップから購入する
リサイクルショップから購入する場合、大きなメリットとなるのは、パーツ店よりも安く購入できることです。
逆にデメリットとなるのは、性能面の保証がされていない場合が多いことです。中にはほぼジャンク品のような扱いで販売されているものもあります。
保証がついていることはほとんどなく、もし購入して動かなかったとしても諦めるしかないことは承知しておくべきです。
インターネットオークションで購入する
上記2つのように、販売業者を通すことなく購入できるのがインターネットオークションです。売る側としては販売業者に対するマージンが発生しなくなるため、より利益が高くなりやすいメリットがあります。
買う側にとっても同じく、コストパフォーマンスに優れているものが多いのがメリットです。
ただし、インターネットオークションで販売されているパーツは、上記2つに比べても玉石混交です。どのように使われていたのかも販売者の自己申告でしかありません。保証もなく、返金がされるようなことはまずありません。
また、販売者と直接取引をしなければならないのもデメリットの1つです。それほど多くはありませんが、話が通じないような相手と交渉を余儀なくされることもあります。
何に使いたいのかによって必要なグラボの性能は全然違う!
同じブランドのグラボでも、型番によって性能は全く違っています。何を目的にしてグラボを搭載したいのかによって、選ぶべきグラボの性能は変わります。 この先ではグラボを必要とする目的と、それに合わせたグラボの性能を紹介します。
今後の3Dゲームや、VRなどを思う存分楽しみたい
グラボを購入する目的が今後発売されるような3Dゲームや、VRであれば、現在の最高性能のものを選びましょう。
2019年4月現在、最も性能が高いグラボはGeForceの「RTX2080Ti」です。
ビデオメモリ11ギガバイトに加え、メモリパス幅が352bitと非常に高く、リアルタイムレイトレーシングが行えます。
リアルタイムレイトレーシングとは、リアルタイムに光の作用を計算して描写する仕組みです。
従来のものよりも、さらにリアルな光源描写が可能となっています。
現在の3Dゲームをストレスなくプレイしたい
今後のゲームやVRまでは必要ないものの、現状の多くのゲームをストレスなくプレイしたいなら、少し古いグラボを選択しましょう。
GeForceなら「GTX1080Ti」、RADEONなら「RX580」などがこれに適した性能を持っています。
古めのゲームや動画編集を行いたい
少し古いゲームや動画編集を目的としているなら、もう少し性能を落としたものでも問題ありません。
GeForceなら「GTX1050Ti」、RADEONなら「RX470」などが適した性能です。
中古グラボに関するまとめ
中古グラボの購入に関しては、よく考えて行ったほうがよいでしょう。
グラボは中古であることで発生するデメリットが大きいパーツです。よほど値段の差がない限りは、新品購入の方が安心して使用できます。
どうしても中古で購入する場合は、短期間で壊れてしまう可能性を考慮した方がよいでしょう。