インクジェットプリンターとレーザープリンターの違いは?どちらを選べばいいか迷っている人へ

インクジェットプリンターとレーザープリンターの違いは?どちらを選べばいいか迷っている人へ

インクジェットプリンターとレーザープリンターの違いは?どちらを選べばいいか迷っている人へ

家庭に1台あると便利なプリンター。

最近では高機能のプリンターも増え、パソコンからだけでなくスマートフォンで撮影した画像などもそのまま印刷できるので、年賀状やチラシ、ポスター作製などのほかに、残しておきたい写真をすぐに出力できるのが魅力です。
また、プリンター本体の低価格化が進んでいるので、気軽に購入できるようになってきました。
そこで迷うのが、インクジェットプリンターとレーザープリンターのどちらを選べばいいかということではないでしょうか。
そもそも、両者にはどんな違いがあるのか、特徴やメリット・デメリット、向いている用途などを解説していきますので、どちらにするか迷った時の参考としてください。

インクジェットプリンターとレーザープリンターはどう違う?

インクジェットプリンターとレーザープリンターはどう違う?

家庭用プリンターには、大きく分けてインクジェットプリンターとレーザープリンターの2種類があります。
まずは、プリンターを選ぶ際のポイントとなる印刷する際の仕組みやインク、プリンターの種類についてご説明します。

インクを直接吹き付けるシンプルな構造のインクジェットプリンター

インクジェットプリンターとレーザープリンターの大きな違いは、紙に印刷する時の仕組みにあります。
インクジェットプリンターは、インクに圧力をかけたり熱を加えたりして粒子化したものを、直接用紙に吹き付けて印刷する仕組みになっています。
液体のインクを吐き出して紙に吹き付けるだけなので、とてもシンプルな構造で、プリンター本体が小さめでコンパクト、インクの交換も簡単で家庭用のプリンターとして広く普及しています。

解像度が高く写真印刷に適していますが、美しく仕上げるためには写真専用の用紙が必要になります。
また、液体のインクは交換頻度が高く、インクがなくなる度に印刷が止まる、本体に比べてインクの価格が高めなどの問題があるため、大量に印刷するのにはあまり向いていません。

熱を加えて用紙にスタンプするように印刷するレーザープリンター

レーザープリンターは、ドラムと呼ばれる筒状の感光体にレーザーを照射して印刷する画を描き、そこにトナーという粉状のインクを付着させ、加熱して溶かしたものを紙に押し付けて印刷します。
印刷するためには帯電・露光・現像・転写・定着と複数の工程を経る必要があり、プリンターの構造も複雑になりますが、スタンプを押すように一瞬で印刷できるので、短時間で大量の印刷が可能になります。

プリンター本体もインクジェットより大きいものが多く、価格も高め、大量の印刷に向いているので、オフィスでの利用や業務用に使われることが多くなっています。
粉状のインクであるトナーも大きく単価も高めですが、交換する頻度は少なくなります。
また、インクが粉状なのでインクジェットプリンターより解像度が低く、写真印刷などより資料や文書の印刷に向いています。

インクジェットプリンターとレーザープリンターのメリット・デメリット

インクジェットプリンターとレーザープリンターのメリット・デメリット

インクジェットプリンターとレーザープリンターには、それぞれメリット・デメリットがありますので、何を重視するかによって選ぶと失敗を避けられます。

インクジェットプリンターのメリット・デメリット

インクジェットプリンターのメリット・デメリット

<メリット>

本体の価格が安い

家庭でプリンターを導入する場合、やはり初期費用として発生する本体の価格はなるべく抑えたいところ。
機能によっても違いはありますが、もっとも安いものだと5,000円以下からあり、平均的な価格は1万円程度、大容量のインクタンクで大量の印刷が可能な多機能プリンターでも5万円くらいで購入できます。

解像度が高く美しい写真が印刷できる

家庭でプリンターを使用する時は、デジカメやスマートフォンなどで撮影した画像を印刷することが多いのではないでしょうか。
インクジェットプリンターは、液体のインクを直接吹き付ける仕組みなので、色見の再現性が高く、高解像度の美しい写真が印刷できます。
ただ、普通用紙だと滲んでしまう可能性があるので、写真を印刷する場合は専用のコーティングされた用紙を準備するのがベストです。

サイズがコンパクトで使い方がシンプル

家庭用のインクジェットプリンターは、幅40×奥行30×高さ15cm程度のコンパクトなものが多く、スペースに余裕がない部屋でも置くところに困りません。
印刷の操作もシンプルなボタンやタッチパネルで簡単にでき、インクの交換もしやすいので、機械が苦手な人でも安心です。

<デメリット>

印刷にかかる時間が長い

インクジェットプリンターは、印刷する際にヘッドが左右に動いてインクを吹き付けていくので、1枚印刷するのに時間がかかります。
遅いと言っても、1枚数秒から数十秒程度ですが、急いでいる時や大量に印刷する場合は少しまどろっこしく感じてしまうかもしれません。

インクの滲みや詰まりが発生する

インクジェットプリンターは、液体のインクを使用しているため、普通紙に印刷するとインクが滲みやすくなりますし、使わない期間が長くなるとインク詰まりを起こしてしまうことがあります。
使用しない時でも、定期的にテストプリントをしたり、ヘッドクリーニングをしたりといったメンテナンスが必要になります。

インクの交換頻度が高く、費用がかさみやすい

<本体がお手頃価格なインクジェットプリンターですが、本体の大きさがコンパクトな分インクのサイズも小さく、たくさん印刷しているとすぐにインクが切れてしまいます。

交換自体は簡単ですが、純正のインクは4色セットで3,500円程度するので、頻繁に交換していると費用がかさんでしまいます。
価格の安い互換性のインクもありますが、品質が悪いとかインクが原因でトラブルになった場合に保証内での修理が受けられないなどのデメリットもあります。

レーザープリンターのメリット・デメリット

<メリット>

印刷速度が速い

印刷速度が速い<印刷速度が速い

インクが滲みにくい

レーザープリンターは、粉状のインクを使用しているため普通用紙でもインクが滲みにくく、特にモノクロの文書などの資料を印刷するのに向いています。
また、熱を加えて転写させることから、インクの耐久性が高く劣化しにくいという特徴もあります。

トナー交換の頻度が少ない

レーザープリンターは、粉状のインクが入ったトナーを交換してインクを入れ替えます。
トナーは液状のインクより大きく価格も単品4,000円程度と高額ですが、その分インクが長持ちするので交換する頻度は非常に少なくなります。印刷内容にもよりますが、液状のインクの最大25倍程度長持ちすると言われていますので、交換の手間もかからずコストパフォーマンスも高めです。

<デメリット>

本体のサイズが大きく価格が高い

レーザープリンターは、構造が複雑で本体のサイズも大きめ。家庭用にコンパクトなものも販売されていますが、小さいものでも幅40×奥行50×高さ25cm程度でインクジェットプリンターより大きくなります。

価格は安いものなら2万円程度からありますが、5万円くらいが平均的となっています。
重さも20kg以上あるので、部屋の中で移動させるのも一苦労となりそう。

消耗品やメンテナンスの価格が高い

インクの入っているトナーの交換頻度は少ないですが、単価自体が高いので初期費用がかさんでしまいます。
また、複雑な構造になっているのでトラブルになると自分で直すことができず、修理に数万円かかることもあります。

解像度が低い

粉のインクを使用するレーザープリンターは、液体インクのインクジェットプリンターより解像度が低くなるため、写真や画像など色見の再現度が要求される印刷の質は劣ってしまいます。

仕事などで情報を共有するための印刷には向いていますが、画像の美しさを保ったままカレンダーや年賀状に利用するのには不向きといえます。

インクジェットプリンターとレーザープリンターのどっちを選べばいいか迷ったら

インクジェットプリンターとレーザープリンターのどっちを選べばいいか迷ったら

インクジェットプリンターもレーザープリンターも、それぞれメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えません。
ただ、目的や用途によって向いているタイプは決まってきます。

インクジェットプリンターが向いているのは?

・印刷する枚数が少ない人
・撮影した写真や気に入った画像をきれいに印刷したい人
・年賀状や暑中見舞いなどの作成で年に数回しか使わない人
・なるべく初期費用を抑えたい人
・省スペースでコンパクトなサイズを望む人

レーザープリンターが向いているのは?

・書類を大量にスピーディーに印刷したい人
・文書や資料などモノクロ印刷を多用したい人
・ランニングコストを抑えたい人
・印刷する頻度が高い人

インクジェットプリンターとレーザープリンター比較表

家庭用のインクジェットプリンターとレーザープリンターの違いを表にまとめてみましたので、価格帯や大きさ、使用頻度などから検討してみてください。

※数値は平均的な商品を比較したものなので、メーカーやシリーズ、価格帯によっても異なります。

インクジェットプリンター レーザープリンター
大きさの目安 幅40×奥行30×高さ15cm 幅40×奥行50×高さ25cm
重さの目安 約7kg 約20kg
価格の目安 5,000円~5万円 2万円~20万円
インクの交換頻度 300枚程度印刷 3000枚程度印刷
インクの価格目安 6色セット5,000円 単色トナー5,000円~
印刷1枚ににかかるコスト 6円~ 3円~
解像度の目安 5760×1440 dpi 2400×600dpi
印刷速度(片面カラー) 最高10枚/分 最高30枚/分

まとめ~用途や目的、ほかの機能もあわせて検討する

まとめ~用途や目的、ほかの機能もあわせて検討する

インクジェットプリンターとレーザープリンター、それぞれのメリット・デメリットや選び方についてご紹介しましたが、デメリット自体は致命的な問題と言うわけでもありません。

たとえば、インクジェットプリンターは、普通用紙だと滲みやすい、インクの交換頻度が多いなどが挙げられますが、多少滲んでも文字やイラストはしっかり認識できますし、大容量エコタンクの機種を選べばコストや交換の手間を減らすことができます。

逆に、レーザープリンターは解像度が低いのが欠点ですが、写真用の用紙を選んでなるべく高画質の画像を用意すれば、それほど遜色なく印刷することが可能です。その分、印刷スピードが遅くなったりしますが、写真の印刷が不可能というわけではありません。
ほかにも、スキャンやコピーなど、利用したい機能があるかどうかで選べば便利さも違ってきます。
ご自宅にプリンターがあったらどういうことをしたいか、具体的にイメージしながら最適な機種を探してみてください。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

トップへ戻る