パソコンのデータバックアップ方法|データの復旧、移行に欠かせません。

パソコンのデータバックアップ方法|データの復旧、移行に欠かせません。

みなさんはパソコンのバックアップを取っていますか? 通常はパソコンで作ったファイルや写真データなどはパソコン本体の保存領域(ストレージ)に保存されているかと思います。特に大切なファイルの場合は、外部のUSBメモリに保存されたことがある方もいるかもしれません。バックアップとはそうしたパソコン外のストレージにファイルを保存することで、パソコン本体に万が一の故障があった時にも復元できるようにすることです。

バックアップはシステムやファイルの移行をスムーズに行えるため、故障のときだけでなくパソコンの買い替えを行う際にも非常に役に立ちます。この記事では「バックアップとは何か」から、「バックアップに必要なもの」の説明、「いつどのくらいの頻度でバックアップを行うべきか? 」といったパソコンのバックアップの方法をお伝えします。

windows10ではフリーソフトなどをダウンロードしなくても標準でバックアップ機能が搭載されています。非常に簡単にバックアップが取れるようになりましたので、ぜひ定期的なバックアップを取って万が一の時に備えてください。

バックアップをする意味|していないとどうなる?

バックアップとはファイルやデータを外部のストレージに保存することです。パソコンの中に保存ができるのになぜ外部にもバックアップを取っておく必要があるのでしょうか?

パソコンには、外部からの衝撃やシステムファイルの損傷などといった故障の危険性が常にあります。ノートパソコンをお使いの場合には、不意に落として衝撃を与えてしまったことで内部のデータが破損してしまい、読み込みが出来なくなってしまうことがあります。
パソコン内部のHDDは、高速回転での読み書きによる摩耗で経年劣化し、寿命を迎えて読み込みが出来なくなることもあります。 また、インターネットを通してダウンロードした何かしらのファイルやアプリケーションによって、調子が悪くなったり、変な広告やウインドウが表示されるようになることもあります。ウイルスソフトを使っていても100%の防御が出来ているわけではないからです。

そのような状況になってしまった場合、最悪パソコン内のシステム情報や保存していた写真、重要な書類などをすべて失ってしまうことになります。自分のパソコンは大丈夫だと思っていても、ある日突然動かなくなってしまうのがパソコンの怖いところです。パソコンで仕事をしている人は特に、今までの頑張りが読んで字のごとく「水の泡」になってしまいます。そうならないためにも定期的にバックアップを取って備えを万全にしましょう。

いつのタイミングで何をバックアップすればいいの?

バックアップは大きく分けて3つあります。1つ目は、OSやPCの設定情報やアプリケーションといったシステムファイルのバックアップです。2つ目は、excelなどのofficeアプリケーションを使って作ったファイルや写真、メールアドレス、ネットのブックマークなどのドキュメントファイルのバックアップです。3つ目はパソコンの内容をまとめてバックアップする(システムファイルとドキュメントファイルのすべて)システムイメージの作成というバックアップです。

システムファイルは、パソコンが起動しなくなるといった故障時に役に立ちます。内蔵HDDのデータが外部からの衝撃や経年劣化で破損してしまうと、パソコンが起動できないというトラブルが起きます。パソコンを起動するためにはOSやシステムなどのファイルを読み込む必要があるのですが、そのファイルが破損して読み込めないことで、起動できないという故障が起こります。そうした事態になった時に復旧してくれるのがシステムのバックアップです。

システムファイルがないと故障してしまったときにシステムの修復が難しくなるので、非常に重要なバックアップファイルだと言えますです。システムファイルは、基本的には「システムイメージの作成」というパソコン内容をまとめてバックアップする方法で保存します。

ドキュメントファイルのバックアップは多くの方が経験したことがあるかと思います。重要な資料や必要な書類をパソコン外部のUSBメモリなどに保存することはある意味バックアップをしたことになるのです。システムではなくドキュメントファイルのバックアップであれば、コピー&ペーストでファイルを移すだけで簡単に出来ます。こちらは必要に応じて、万が一の時に失いたくないものをバックアップするようにしましょう。

バックアップを取るタイミングは使用頻度にもよりますが、システムファイルについては週に一度から月に一度くらいのペースで行うのをおすすめします。定期的にバックアップを取っている方の多くは、毎週何曜日、毎月何日と決めて行っています。また、OSアップデート前には必ず取っておいた方がいいです。アップデートにより不具合が生じてしまったり、保存していたデータが失われることも過去にありました。アップデート時は特に注意が必要です。

ドキュメントファイルのバックアップ時期は重要度にもよります。仕事上で大切なファイルであれば一日複数回バックアップを取ったほうが安全ですし、それほど重要度の高くないものであれば必ずしもバックアップが必要というわけでもありません。しかし、ドキュメントのバックアップに関してはUSBメモリを接続してファイルをコピー&ペーストするだけで簡単に出来ますので、通常のパソコン内への保存と合わせて外部にもバックアップする癖をつけておけば安心です。

USB?HDD?バックアップ保存先の選び方|必要な容量を確認して選ぼう

バックアップに使う外部の保存領域(ストレージ)にはUSBメモリや外付けHDD、クラウドサービスなどいくつか種類がありますのでそれぞれ解説いたします。

USBメモリ、CD、DVD

USBメモリは外部ストレージとして非常に多くの場面で使われています。消しゴムほどのサイズで非常に持ち運びにも便利で、32GBで1100円ほどと安価に購入することができます。しかし、携帯性の高さは裏を返すと紛失の危険性にも繋がります。バックアップしていたUSBメモリを紛失してしまったら元も子もありません。重要度の高いものの保存には向かないでしょう。また保存容量は大きくないので、パソコンの内容をまとめてバックアップする「システムイメージのバックアップ」には使えません。
CDやDVDもバックアップの保存に使われますが、DISCの記録面が剥き出しで損傷する可能性が高いです。書き込み速度も遅く、紛失しやすいことからもおすすめしません。

外付けHDD、外付けSSD

HDDやSSDはパソコンの中にも入っているストレージです。外付けの場合USBなどの端子を使ってパソコンと接続し、パソコン内のデータを送ります。USBのように持ち運びには向きませんが、高速で大容量なのでシステムイメージの作成にも対応します。パソコン全体のバックアップとしてはこれらがオススメです。またHDDとSSDの違いについてですが、SSDはHDDよりもスピードが速く安全性にも優れます。ですが、現状だとHDDに比べ高価であることがデメリットです。しかし、価格面では改善も進み、スペックが高く新しいパソコンでは内蔵されるストレージもSSDが主流になってきています。これからバックアップ用に購入されるのであればSSDがおすすめです。

クラウドサービス

最近ではインターネット上のストレージサービスも多数出てきています。インターネットにつながっている環境であれば、バックアップを取ることも読み込むことも出来ますので非常に便利です。しかし、クラウドサービス側のメンテナンス時には利用できなかったり、重要なデータをネット上に預ける形になりますので安全面での懸念もあります。また、クラウドサービスは容量によって課金制となります。パソコン全体のデータをバックアップするとなると、そのサービス利用料も月に数百円から数千円といった維持費がかかりますので注意が必要です。結果的に据え置きHDDやSSDを購入したときよりも維持費がかかり、コストパフォーマンスは悪くなります。

こうしたそれぞれの特徴から、ドキュメントファイルのバックアップであればUSBかクラウドサービスを、システムイメージのバックアップは外付けのHDDか外付けのSSDを使うのが一般的です。

バックアップのやり方とデータの復元、移行方法(windows10版)

それでは、windows10でのシステムイメージバックアップの取り方をお伝えします。windows10でのバックアップには必要なものが2つあります。1つは「回復ドライブ」を保存するためのUSBメモリで16GBのものが推奨されています。もう1つは外部ストレージでここでは「外付けSSD」をおすすめします。

外付けSSDを購入する際には端子と容量に気を付けてください。端子はUSBなどのお使いのパソコンに適合するものを、容量は内蔵ストレージの容量以上のものもしくは同等のものが必要です。内蔵ストレージは、デスクトップ画面で右クリックを押し、「ディスプレイ設定」から「ストレージ」をクリックします。PC(C:)の示す容量がお使いのパソコンのストレージです。これらを確認して、バックアップのできるSSDを購入しましょう。

バックアップの注意点として、初めてのバックアップには数時間から十数時間かかる場合があります。休日や就寝前などのパソコンをしばらく使わない時間に始めましょう。

バックアップの取り方

まずはパソコンが故障してしまったときのために、回復ドライブを作ります。 モニター下部のタスクバーで「回復ドライブ」を検索します。「回復ドライブの作成」を選択し、「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。回復ドライブ用に用意したUSBを挿し込み、指定してください。処理を行うと、USBメモリ内に入っていたデータは全て消えて回復ドライブのデータのみとなります。もし何か違う用途で使っていたUSBを使う場合はデータを移しておいてください。その後「作成」を押し、終わったら「完了」という流れです。これで回復ドライブが出来ました。

次にシステムイメージのバックアップを取ります。
外付けSSDをパソコンに繋ぎます。タスクバーで「バックアップ」と検索し、「バックアップと復元」を選び、「システムイメージを作成」をクリックします。「システムイメージの保存先」を外付けSSDにし、「バックアップの開始」をクリックします。時間がかかりますが、終了すると「システム修復ディスクを作成しますか? 」と出ます。これは先ほど作った回復ドライブと同じ意味のもので不要です。「いいえ」をクリックすると、バックアップ終了です。これで現在のパソコン内のすべてのファイルをバックアップすることが出来ました。

バックアップデータの復元方法

次に復元方法です。パソコンが起動する場合と起動しない場合で分けてお伝えします。パソコン自体の故障などはなく通常通り起動している場合は、スタートボタンから「設定」をクリックします。設定内にある「更新とセキュリティ」をクリックし、「回復」を選びます。「今すぐ再起動」をクリックします。再起動後、「トラブルシューティング」をクリックし、「詳細オプション」を選択します。「イメージでシステムを回復」を選ぶとバックアップしておいたシステムイメージを呼び出せます。さらに再起動し、アカウントとパスワードを入力します。「システムイメージを選択する」をチェックし、システムイメージを選択し、復元されるバックアップを選びます。完了し再起動をすることでバックアップからの復元が完了です。

もしパソコンが故障して電源ボタンを入れてもウインドウズが起動しない場合には、スタートボタンが出ないのでこの方法ではできません。そこで回復ドライブが役に立ちます。回復ドライブを挿し込んだ状態でパソコンを起動すると、「press any key to boot from CD or DVD…」といった表示が出ますので何か適当にキーを押します。次の画面で「Microsoft IME」をクリックし、「トラブルシューティング」を選びます。そうすると上記と同じトラブルシューティング画面が開きますので後のやり方は同じです。

万が一の時には、この方法で復元することが出来ます。

緊急!バックアップしていなかったときはどうしたらいい?

パソコンを使っていく上で非常に重要なバックアップですが、痛い目に遭うまでその重要性に気付けないこともあります。もしバックアップせずにパソコンが故障して起動しなくなったり、大切なファイルを間違って消してしまった場合、そんなときはどうしたらよいのでしょうか?

1つは復元復旧ソフトを使うことです。ネット上で入手できるフリーソフトもあります。そうしたものを使って復元を試みることもできますが、バックアップと比べての安心感は天と地ほどの差があり、さらにソフトを使ったからと言って全てのファイルが復元できるとは限りません。最悪の場合は何一つ復旧出来ない場合もありますので、最初からこの復元復旧ファイルに頼ろうとするのは間違いです。

また、パソコンの故障専門業者に依頼して復元するという方法もあります。専門業者は復元復旧ソフト以外にもあらゆる方法でデータの救済を行ってくれます。こちらも100%復旧できるかといえば、難しい場合もあることは覚悟しておいてください。

バックアップをしておくことが一番ですが、どうしても必要なファイルを消してしまった場合や故障してしまった場合は相談してみるといいと思います。

パソコンの故障時、買い替え時に役立つバックアップ

バックアップの重要性は、失ってから気付くことも多いです。普段は当たり前に使えているパソコンが故障してしまったり、HDDが損傷してデータが消えてしまうということはよくあることではありません。そんな万が一に備えて、時間のかかるバックアップをする必要があるのかと疑問に思う方もいるかもしれません。

ですが、困る状況になってからでは遅いのです。ビジネスでパソコンを使っている方であれば、顧客情報や重要資料などをすべて失ってしまった状況を想像してみるとその恐ろしさに気付けるかと思います。自分が困るだけでなく、リスク管理が出来ていないということは仕事上の信用にも関わります。

精密機械の集まりであるパソコンはいつ故障するかわかりません。5年後かもしれないし、明日や明後日に急に動かなく可能性もあるのです。定期的なバックアップはその不安を拭ってくれます。面倒くさがって先延ばしにせず、リスク管理のためにも早めにバックアップを取るようにしましょう。

※記事内の商品価格は弊社にて確認した時点の価格を表記しております。金額や内容の詳細は公式サイトをご確認ください。

トップへ戻る